デフレの爪あと
僕が嫁さんと出会ったのは90年代の初め頃でした。
当時僕は派遣社員で給料もしょぼく、金のない毎日を過ごしていました。嫁さんの方も大した給料ではなかったので、金のないカップルでした。
そんな僕らは、よく仕事の後にファミレスに行って、ドリンクバーの飲み物で喉の渇きを癒しながら、他愛もない話をしていました。
サイゼリヤでデートと言えばXで定番の炎上ネタですが、この頃は2人とも常に金欠だったので、ファミレスかラーメン屋か、はたまたコンビニの肉まんなんかでお腹を満たすのが定番のデートでした。次の駅まで歩くだけのデートとかね。金がなければないなりに、楽しめるものです。
その頃に染み付いた貧乏性が抜けないのか、僕らはいまでも簡素に生きています。お金をかけてるのはコーヒー豆くらいで、後はあの頃とあまり変わらなかったするんですね。多分、死ぬまでこのままな気がします。
今になって考えてみると、あの頃がデフレの萌芽期だったんですね。そんな数年間を過ごした結果、貧乏根性が骨の髄まで染み付いたようです。
僕みたいな感覚の中高年、多いんじゃないかな?
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