真摯な友人が一人でもいたら、多分それはかなり恵まれた人生です
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世の中、愛で満ちているといいんですけど、なかなかそうも行かないのはご存知の通りです。
DV夫もいればDV妻もいますし、はたまた毒親もたくさんいます。悪意に満ちた同僚や先輩や後輩もいます。表面的にはニコニコしながら噂話を振りまく人もいれば、本当に助けがいるときに一目散に逃げ去って行く友人や恋人や配偶者もいます。
熟年離婚は今でも多いようですが、たとえ何十年も一緒に連れ添った配偶者であっても、「この人だけとは添い遂げたくない」と固く決意させてしまう何かがあるんでしょうね。
「好きだよ」「愛してるわ」なんて呟きあっていても、お互いの体とお財布が目当てなんて世間ではよくある話です。いい悪いじゃなくて、人間は本質的に利己的な生き物なんじゃないかと思ったりもします。
しかし、その一方で、あなたのことを本気で気にかけてくれる真摯な人々も確実にいます。そんなわけで今日は、あなたのことを本当に気にかけてくれる人を見分ける方法について考えてみることにしました。
「あなたに良かれを思って」と口に出す人はヤバい
「あなたに良かれと思って」というセリフは本当にズルい言葉で、こう言われると、どうにも反論しにくくなります。要するに、相手を黙らせるのに有効な台詞なんです。なので、このセリフを頻繁に言う人は要注意です。例えば親がこのセリフと子供に言うときって、自分たちの世間体が気になってるだけだったりします。また、上司が部下に言うときには、単に自分の意にそぐわないのが気に入らないだけだったり。
またこのセリフ、DV夫・妻の定番です。相手のことを良かれと思って殴ったり怒鳴ったりする人はいません。殴ったり怒鳴ったりした後にこのセリフを吐く人からは、逃げ出した方が無難です。
あなたの意思を尊重してくれる
本当にあなたのことを思ってくれる人は、あなたの意思を尊重してくれるものです。例えばそれが、かなり微妙な決定事項でもです。「カクカクシカジカだから俺は大反対だけど、最終的にはお前の人生だからお前が決めな」って言ってくれる人は、多分信用しても大丈夫です。
本当にマズいことは止めてくれる
本人の意思を尊重すると言っても、本当にマズいときには体を張って関わってくれる。そんな真摯な人たちもいます。アル中の友達を専門病院に連れていくとか、怪しい新興宗教に入ろうとするのを止めてくれたりなどなど。昔、カルト宗教に引き込まれてしまった同級生がいたのですが、彼の友達たちは自分たちの受験勉強も顧みずに、救出と説得に駆けずり回っていました。見た目はカッコ悪いし、勉強もスポーツもイマイチな連中だったのですが、あれこそは本当の友情だよなあ、と今でも思います。
ときには厳しいことも言ってくれる
ときには辛辣なことも言ってくれるのもまた、偽りのない証であるように思います。僕もかつて、「松井はいつもどっかの誰かがやってくれるのを待ってる」と面と向かって言われたことがありましたが、あまりにもドツボでぐうの音も出ませんでした。自分が嫌われるわかっていて嫌なこともハッキリと言ってくれる人って、本当に有り難い存在です。
どんなときにも態度を変えない
どんなときにも態度を変えない人って、多分信用しても大丈夫な人です。あなたが順風満帆で肩で風を切って歩いているときも、大失敗して落ち込んでいるときにも、態度を変えずに接してくれるような存在です。僕の先輩で長年パイロットをやっていた方がいるのですが、ある時原因不明の病気にかかってしまい、治る見込みもなく休職を余儀なくされてしまったのです。最初のうちはみんな心配してお見舞いに来てくれたそうですが、ほんの数ヶ月もすると誰も姿を見せなくなったそうです。しかし、2人だけずっと定期的に顔を見せ、いつもと変わらぬ調子でバカ話をしてくれた。「あの2人には本当にどれだけ救われたかわからない」とよく言っていました。
僕もアップル時代の部下に、いつも同じように接してくれる友人が何人かいます。部下だたったときにもそれから10年近く経った今も何一つ変わらず、それがとっても有り難いです。金があってもなくても、名誉があってもなくても関係なく同じふうに接してくれる人、とっても貴重な存在ですよね。
仮に親であっても、いい学校に入ったら可愛がり、グレてしまったら洟も引っ掛けない、なんて人はいくらでもいます。愛をささやきあった恋人も、失業した瞬間に逃げ去っていきます。それが人間の本能であって、致し方なないことかも知れませんが。
あなたのために時間を使ってくれる
本当にあなたのことを大切に思ってくれる人って、あなたのために時間を使ってくれます。落ち込んでいるときに飲みに付き合ってくれたり、入院しているときにひょっこりと現れてくれたりします。また、引っ越しのような面倒なことに付き合ってくれます。
一方で、子供が困っているときにすら手間暇を惜しむ親もいたりします。思春期で手のかかる子供を避けたり、老いた親の面倒を避けたり。これもまた、よくある話です。
見えないところでも気にかけてくれている
あなたの見えないところで、そっと気にかけてくれたり、物事がうまくいくようにちょっと橋渡しをしておいてくれたりをやってくれる人は、相当あったかい人とです。子供が眠っているときに、毛布を掛け直してくれる親みたなものでしょうね。もちろん恩着せがましくないし、本人が負担に感じないよう、気を使ってくれます。
必要がなくなったら立ち退いてくれる
必要がなくなったらそっと立ち退いてくれる。それもまた、こうしたあったかい人々の特徴かも知れません。人間は誰だって感謝されたいものですから、つい、いつまでもお節介を焼きたくなるものです。でも、恩着せがましくなくサラリと立ち退いてくれる人って現実にいるのです。
人生のうちに、このいくつかに当てはまる友達や家族のメンバーがほんの数人でもいたならば、多分それは、結構いい人生です。それから、この全てに常時当てはまる菩薩のような人は基本的に存在しません。そんな人が一人でもいたら、それは奇跡のような出会いだと思っていいでしょう。
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」
これは聖書からの一節ですが、人生に必要なのは、そんなふうに寄り添ってくれる人なんでしょうね。そして、もしも誰かに親身になってもらえたなら、その分他の人に、Pay it forward で自分も親身になってあげられたら、って思います。
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さて、いつの間にか、今年もあとわずか2日です。風邪をひかないよう、どうぞご自愛ください。
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