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AirMac 生産終了を聞いて考えたこと、思い出したこと

アップルがAirport Base Station の生産を中止すると知って、軽いショックを受けている。この製品、日本だとAirMac(エアマック)という名前で売られてきた。

この製品、すごく思い出が詰まっている。

アップルに16年勤めていた間には社内発売が待ちきれなくて、発売と同時に自腹を切ってすぐさま買ってしまった製品ということがいくつかある。開発中から「これは未来を変える!」と予感させてくれるいくつかの強烈な製品たち。AirMacはそんな製品の一つだった。Airportという名称がすでに日本で商標登録されていると知って慌てふためいた日とか、発売と同時にiBookとAirMacベースステーションと拡張カードを定価で買って家路に着いた日のことを今でも鮮明に覚えている。

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当時僕はまだ日本勤務だったから真偽のほどはわからないが、幹部が最初にこの製品企画をジョブズに提示した時、ジョブズはあまり乗り気じゃなかったという。でも、きっと彼の頭の中で何かが繋がったんだろう。この製品はプロ向け製品とセットではなく、なんとコンシューマ向けの製品である iBookとセットにして売り出されたのだ。

慧眼としか言いようがない。

その後、世の中もあっという間にワイヤレス一色になった。各社からWIFIルータが雨後の筍のように売り出され、ケーブルがないのが当たり前の環境になった。今では世界中どこの国に行っても、ワイヤレス環境が整っている。そしてよく考えて見ると、まだこのAirMacから20年経っていないのだ。

残念なアップルと、それでも強いアメリカ
翻って今のアップルはどうなんだろう? Apple Watchは間違いなく新しい地平を切り拓いた、アップルらしい野心的な製品だった。でも、iPhone Xはどうなんだ? HomePodは? 僕はこれらの製品に10年先を見据えたビジョンを感じることができない。

それでもアメリカは強い。アマゾン、アップル、Facebook, グーグルの4強の立場は当分揺るがないだろうが、きっと様々な会社がこの4社の後を追っていくだろう。テスラが電気自動車で最先端をひた走り、SpaceXが民間宇宙開発を推し進め、UBERやAIRBNBがビジネスの在り方を根本から塗り替えている。そしてそこには、未来へのビジョンを感じる。

これがアメリカを前進させる力で、今の日本に大きく欠けているところだ。

そして、中国企業らの猛追も凄まじい。

今はまだ黎明期のAR, VR, AIなどといった様々なテクノロジーがある時期に一気に融合し、今はまだ想像すらできないような新しい製品群を生み出して行くに違いない。それを引き起こすのがアップル4強になるのか、はたまた今はまだ存在しない会社になるのか、あるいは中国の会社になるのかはわからない。

でも、僕はもうしばらくアップルに期待したいかな。

そんなことを考がえさせられた、AirMac 生産終了のニュースでした。


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