見出し画像

イベントのクオリティ向上に貢献するために意識している5つのこと

地域×スポーツ分野で事業・イベントディレクターをしています。松嶋康平です。

2021年1月1日に独立をして現在は個人事業ですが、その前は7年半スポーツ事業会社に勤めており、事業部門で全国各地のイベントディレクションをしてきました。

ゼロイチ、数万人規模、公主体から民主体など幅広く、そして多くのイベントを経験し、現在も収入の8割はこの分野です。

独立して約10ヶ月が経過、多様なイベントに「外部連携」として関わらせていただきました。そのなかで、いちスタッフとしてイベントに関わる際に大切なことを改めて認識したので、まとめておきます。

これらは、ディレクターという専門的なポジションだけでなく、ボランティアなど比較的責任度合の浅い立場でも役に立つことですし、”スポーツイベントを支える楽しさ“に繋がるものだと思います。

レベル1:自分の役割を理解する

イベントに携わる際の、基礎中の基礎です。自分が、どんなポジションで何をすることを求められているのか理解して、それを正確に行います。文字にしてみれば当たり前のように思えますが、これって意外とできていないんです。

当日、活動開始になっても自分が何をしていいのかわからず右往左往してしまう、忙しそうなスタッフに聞かざるをえない。こういう状況にならないために、事前に自分の役割を理解して、すべきことを整理しておきます。

もちろん主催者側の説明努力も必要ですが、自主的に理解しようと思っている人はとっても心強いです。

レベル2:イベントの理解度を上げる

自分の役割を理解したら、イベント全体の理解度をぼんやりとでも上げておきましょう。例えば、タイムスケジュールとか、会場全体の機能(受付、トイレ、駐車場、自販機、救護所…ほか多数)の位置とか、落とし物をしてしまった場合どうしたらいい?、イベントの細かな内容・条件とか。

自分が初めて会場に行ってイベントに参加した際に、スタッフに聞きたくなるようなことを、朝の段階で全部潰しておきます。実際に会場全体を歩きながら確認するとより良いです。

来場者から見たら、ボランティアも主催スタッフも全員同じイベントのスタッフです。何か聞かれたときに答えられるかどうかで、印象が真逆になります。また、これができるスタッフが1人でも多いと、主催者スタッフの業務が減るのでとても助かります。

レベル3:わかりやすい言語やジェスチャー

レベル1、2は、自分自身の受け持つ機能や、イベント自体の「理解」を上げることでした。理解するだけでもイベントに貢献できますが、「わかりやすい」努力をすることで、さらにスタッフとしての質が上がります。

理解したことをどうアウトプットしたら(どういう言語やジェスチャーを使えば)、参加者がより不便なく楽しく過ごすことができるのか?レベル2のおさらいのようになりますが、自分がその場に初めていることを想像して、スタッフとしての役を演じます。

また、1~3をマスターすることで気持ちに余裕が生まれ、自然と丁寧で気の利いた対応ができるようになります。来場者は、イベントという非日常において、スタッフの行動や言動を覚えているものです。イベントのメインとなるコンテンツはもちろんですが、スタッフ1人1人がこれをできているかどうかで、満足度は大きく変わります。

レベル0:主催者としての心構え

これらを実行できるスタッフ(ボランティア)を増やすためには、主催者の努力が必要です。

余談ですが、特にボランティアなどは、頭数だけ揃えて「とりあえず当日来て!」となってしまい、結果的にあまり説明もできないまま現場に放流されることもあります。僕はイベントをつくる側なので、事前準備が大変な主催者の苦労もとっても理解できます。

ただ、レベル1、2は主催者の準備によってコントロール可能なものですし(レベル3は、ちょっと難しい)、長期的にイベントの価値や運営効率を上げることに繋がると思います。

協力してくださった方にも「スポーツを支える立場」を楽しく感じてもらえるように、それによってイベントの質が上がり会場の雰囲気も良くなり、来場者の満足度も上げられるように、できる限り努力したいものです。

レベル4:共通言語を理解する

レベル3までは、ボランティア的な立ち位置でも実行しやすく、直接的にイベントの質向上につなげられるものでした。レベル4と5は、少し踏み込んだものとなります。

色々なイベントに携わっていると、その現場や組織でしか使われていない用語に遭遇します。初めての現場でも、朝イチから実務を開始して1~2時間程度意識している、そういう言葉を発見、理解することができます。

これをあえて使うことで、コアスタッフや主催者とのやり取りがスムーズになり、外部スタッフとしての「使いやすさ」や「気の利き方」が格段に上がります。参加者やボランティアと、コアスタッフを繋ぐ役割もできるようになります。

コアスタッフは、そういう言語を使っていることに気づいていないことが多いので、外部だからこそ意識しやすいものにもなります。

逆にこれを意識できる主催者は強いです。話す相手によって言葉を変えています。これを無意識にできるのが、僕たちディレクターです。

レベル5:根本課題を解決する

更にもう1歩踏み込んだものになります。

どんなに準備をしていても、イベントでは何かしらの課題が発生し、各役割だけをひたすら必死にこなしているだけでは、解決されないことがあります。このときには「設計を変える」アプローチが必要です。

たとえば・・・『受付や飲食ブース、トイレなどに長蛇の列が発生してしまった』などは、イベントでは良くあることです。時間が解決することではありますが、来場者にとってストレスであることには間違いありません。

対処法として、列の並ばせ方を変えるだけで進むのが早くなることがあります。違う方法を案内することもできます。並んでいる間に済ませられることをお願いすることもできます。前から順番に、1人1人に要件を聞いていくと、列に並ぶまでもない人がいることもあります。

『列』の例だけでもその場、状況によって様々な根本的解決アプローチがあります。ただ、ある程度の経験が必要な領域だと思いますし、全員がこれをしようとすると逆に破綻します。そのため、基本的にはディレクターやコアスタッフが心掛け、現場スタッフの立場では、手が余っているときに変えられるちょっとの工夫をする程度でいいと思います。

何気ない、1つ1つの課題解決(参加者ストレスの軽減)をすることで、イベントの質は確実に上がっていきます。逆に、すべてを放置すると相互にもストレスが作用します。


思ったより長くなってしまいましたが、僕がイベントディレクターをしていて心掛けていることをまとめてみました。他にも細かくいろいろなことはありますが、大きくはここに書いたことに集約されると思います。というか、レベル5の「根本的な考え方」がすべてかもしれません。

共通することは、相手を理解し、自分を機能させること、ですね。


松嶋康平
▶Twitter:@matsuhira90
▶note:https://note.com/matsuhira90
▶HP:https://rockspark.jp/

ここから先は

0字

地元で、地域×スポーツ分野で独立した僕の現状報告や試行錯誤を記していました。

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?