- 浦幌木炭体験記 -
開いて頂きありがとうございます(嬉涙)
拙い文章ではありますが丹精込めて書きました。
これを通して浦幌木炭の魅力が
より多くの人に伝わるとうれしいなぁ。
🪵浦幌木炭との出会い🪵
大学二年生の夏休み、私は北海道浦幌町にある“ハハハホステル” でヘルパーをしていました。
北海道の壮大さに圧倒される日々を過ごしていたある日、
「浦幌で木炭作ってるおじいさんがいるんだけど、引退しちゃって円さんっていう浦幌神社の宮司さんの奥さんが継いだんだよね。明日の休みの日、手伝いに行ってみない?」
ハハハのオーナー、小松さんの紹介で炭作りの手伝いをすることに。
次の日、浦幌木炭へ行ってみるとビニールシートで覆われた三角屋根が3つ、道路沿いには大量の丸太が並べてある場所でした。
そこで初めて木炭職人の佐藤さん、その奥さん、そして円さんとお会いしました。
🪵炭窯に木を詰め込む🪵
木炭作りの工程は、以下の4つを繰り返します。
① 1.5m程の長さの丸太を割って10cm位の太さにする。
② 割った木を炭窯に隙間なく詰め込む。
③ 15日かけて蒸し焼きにする。→炭になる
④ 炭窯から出して13cmの長さにカットしたら完成。
↓詳しい説明はこちらに載ってます↓
https://www.mk-tokachi.net/%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E8%A6%8B%E5%AD%A6/%E6%B5%A6%E5%B9%8C%E6%9C%A8%E7%82%AD%E8%A3%BD%E9%80%A0/
((私の文章じゃ伝えきれない浦幌木炭のこだわりが沢山詰まってるからゼッタイみて欲しい‼︎))
私がお手伝いしたのは、
② 割った木を炭窯に隙間なく詰め込む。
① は佐藤さんが機械を使って行います。
右のレバーを引くと木が左の刃の方へ押されて、木が割れる仕組み。
佐藤さんが考えて作ってもらった機械らしくて、刃の部分とか鉄を塗り重ねた跡があったり、とっても味があるんです。
木が割れたとき、木から パキパキッ と気持ちいい音がなります!
木には目があって、
その目を見て割らないと綺麗に割れないみたいで、
だからこの割る作業は佐藤さんしか出来ないそう。
そして、割れた木を車輪にのせて炭窯まで運びました。
浦幌木炭のこだわりとして「ミズナラ」という木だけを扱っており、
全て乾燥されておらず水を含んだ “生木” の状態なのでずっしりしています。
細くても片手では持てないくらい重たかった( ; ; )
これは私が初めて車輪を押したときです。
木を8本ほど乗せて、佐藤さんは サササーッ と運ぶので私も見様見真似で車輪を押したのですが、
力の入れ方がド下手で全然前に進みませんでした(笑)
見かねた円さんと佐藤さんに両側から支えて頂きました、、
そして、運んだ木を炭窯に入れます。
私が来た時はすでに途中まで木が入っていたので、ここから木を入れ始めました。
隙間を作ってしまうと空気が通ってしまい、良い炭ができません。
割られた木は三角だったり丸だったり、途中から曲がってたり、様々です。
どの木をどの向きで入れたら隙間が出来ずに並べられるか、テトリスのよう。
また、木が上手に入っていない時は倒れてたり、凄く頭の使う作業でした。
そしてパンパンにいれると低くなっている入り口のところにも木を入れるので、切って高さを合わせました。
「歯が切れねえなぁ」とボヤきながらも、定規で測ったり印を付けたりもせずに入り口の長さに合わせてあっという間に切っていました。
(職人の勘ってやつだぁ!(o_o))
そして入れ終わると、こんな感じ。
最後に熱がこもるように蓋をします。
“蓋をする”といっても、扉を閉めるとかそういう感じではありません。
まず、石をレンガのように積みます。間にはセメント代わりに入り口の土を掘って水を混ぜたもの。
入り口が隠れるまで積んで、次は土の壁を作ります。
20cmくらい隙間を空けたところに板を入れて、その間にスコップで掘った土を入れます。
ヒョイッと土を持ち上げて自分より高いところへ土を乗せる一連の動作に無駄がひとつもなかった佐藤さん。上まで行くと土を乗せることも難しくて、手こずっている私をみて
「スコップに振り回されてるね(笑)」と佐藤さんに笑われちゃいました。
上まで土を被せたて木の棒で叩いたら蓋の完成です。
蓋をする作業は2時間ほどかけたのですが、
実際は40分で終わるそう。
🪵浦幌木炭での3日間を終えて🪵
実はこの木炭作りのお手伝い、『1日だけ体験』のつもりで小松さんから紹介していただいたのですが、
私は浦幌を離れるまでの約3日間がっつりと木炭作りに携わりました。
そこには“職人”がどういうものなのか、実感することが出来たからだと思います。
浦幌木炭に出会う前、
十勝の広大な土地を活かした農業を目の当たりにして感激した私は機械から窯まで全て手作りの浦幌木炭に対して、
『木炭だって、大きな工場で大量生産した方がいいに決まっている』
このような考えを捨てきれずにいました。
質の良い製品をこだわって作ることの大事だとは言うけど、
世の中はどんどん発展して、効率よく生産される方法はいくらでもあります。
たくさん稼いで豊かな生活を送ることよりも質にこだわることに対して自分のなかでどこか腑に落ちないところがあり、
これは上澄みだけしか知らない浅はかな考えであって、
浦幌木炭にもっと深く関われば自分が納得する答えが出るかもしれない。
と思った私は浦幌にいる間、時間を作っては浦幌木炭に通い詰めて佐藤さんのお手伝いをしました。
地元は町内の同級生が30人、
少子高齢化が進んでいるド田舎で生まれ育った私にとって佐藤さんは、『田舎特有のすれ違うと必ず挨拶を交わすおじいちゃん』。(笑)
この雰囲気をとても感じて勝手に既視感と共に懐かしくて、
親しみやすかったのも浦幌木炭に通い詰めた理由のひとつにあります。
円さんは、佐藤さんのことを
「職人さんだから、気難しい人なんだよね」と話していたのですが、懐かしさのあまり私はおかまいなしに絡んでました(笑)
それが功を奏したのか、
佐藤さんは沢山話してくれるようになったのがとても嬉しかったなあ。
作業中、頃合いをみて佐藤さんが「一服だぁ~、いっぷくいっぷく。」と言って休憩するのですが、
休憩中、最初はだんまりしていたのに最終日には若い頃から今に至るまでのお話をしてくれてたのです。
自衛隊に入っていたけど そりが合わなくてやめて、
そのあと林業で働いていたが13年前に浦幌木炭を始めたこと、
自分が病気になり奥さんにも心配かけたくないことも相まって浦幌木炭を畳もうとしたこと、
でも仕事している方がご飯が美味しいしよく眠れること。
とても貴重なお話を佐藤さんはこんな私にしてくれたことに感激しました。
さて、私は質にこだわったモノづくりの上澄みだけしか知らない浅はか人間でしたが、
この3日間で考えは見事に深まりました。
きっと他の人に言わせればまだまだなのでしょうが、私のものさしは4.5倍くらい広がった気がします。
モノづくりってほとんど同じ作業の繰り返しなんですよね。当たり前だけど。
これって今までの私からすると「つまらない」って解釈していたんです。
でも実際にやってみると「つまらない」という感情に一度もなりませんでした。
浦幌木炭での作業は割られた木を車輪にのせて運び、炭窯に隙間がないように入れることの繰り返し。
これが神経をすごく使っていて作業に没頭する時間が心地良かったのです。
この感覚は忘れられません。
モノづくりを続ける人、こだわる理由を肌で感じた瞬間でした。
これからモノづくりに触れることが楽しくなる予感がします。ワクワク
この没頭することの良さに確信を持ったのが、
円さんご家族とBBQした時です。
円さんの旦那さん、浦幌神社の宮司さんと話しているとき、浦幌木炭での作業について話しました。
その中で私が没頭している時間が心地いいことを話すと、
宮司さんも草刈りをするときに似たような感覚になるそうです。
まさか共感してくれると思わなかったのでとてもうれしかったなぁ。
この日は気付いたら3時間以上話していました(笑)
素敵な思い出です。
さいごになりますが、
浦幌木炭での3日間は私にとってかけがえのないものになりました。
私を浦幌町に迎え入れて浦幌木炭を紹介してくれた ハハハホステルのオーナー:小松さん、
浦幌木炭の後継者・4児のママで浦幌神社のお嫁さん:円さん、
浦幌木炭の木炭職人:佐藤さん、
貴重な経験、時間を私のために作っていただき本当にありがとうございました。
また浦幌木炭を手伝いに、
浦幌の皆さんに会いに行きたいなあ。
あとがき
初めてnoteを書いたんですけど、書きたいことが沢山ありすぎて想像以上に多くなりました。(汗)
拙い文章で申し訳ないのですが、この体験を文章に出来て嬉しいです。
そして最後まで読んで下さり、本当にありがとうございます。
浦幌木炭のこだわりは私が話せることはほんの一部にしかすぎないので是非炭窯へ見学に行ったり、実際に体験して肌で感じてみてください。
また、浦幌木炭の炭はどの炭よりも火持ちが長い炭です。BBQするときは炭を足さずに済むくらい。ぜひ使って欲しいです。
これは浦幌町の道の駅で売ってる飾り炭です
浦幌木炭が恋しくて自宅の部屋に飾っています(^^)
つぎはハハハホステルのヘルパー、橋枝農場でのアルバイト諸々、
浦幌町での2週間のこととか書いていけたらいいなあ。
そのときはまた読んでくれると嬉しいです!!!
最後まで読んで頂き本当本当にありがとうございました😌😌