最初の病院の話(3月3日午前)
前回の続きです。
3月3日午前。
地元の病院が開く時間より30分ほど前に病院の受付に行きました。
病院自体は空いていて、受付も早くしてくれました。
前日の「尿が出ない事件」でほぼ寝れてなくて、痛みと尿意が少し治まったんですが、それでもしんどくて早めに病院にきました。
受付で脇腹が痛いこと、数日間血尿が出ていたこと、尿意があるが尿が全く出ないことを伝え、泌尿器科に行くことを指示されました。
そこまで混んではなかったんですが、30分ほど待ちました。
いや、この30分もつらい…
この時点で「尿管結石」としか思っていませんので、「とりあえず鎮痛剤をくれ」としか思ってません。
診察室の上にあるディスプレイに受付番号が表示されて入室。
年配の真面目そうな男性ドクターと年配の看護師さんがいました。
ドクター 「以前に尿管結石で受診されてますね」
あつ 「はい。また石ができたんじゃないかと思います。」
ドクター 「症状はどんな感じ?」
あつ 「先月(2月)の終わりくらいから血尿が出ていて、昨日は午後に左脇腹というか腰のあたりが痛くなって、市販の鎮痛剤を飲んだら治まったんです。でも昨夜寝てる時に昨日の痛みと同じ種類なんですが、それよりも強い痛みが出て、おしっこがものすごくしたくなってトイレに行ったんですが全くでなくて…」
ドクター 「ちょっとエコーで診ますのでそこに横になってください」
ここで本日1回目のエコー検査。
ドクター 「おしっこは出そうですか?」
あつ 「わかんないですが、今もものすごくおしっこしたいです」
ドクター 「じゃあ、検尿とCTの撮影をしますので受付票を持って検査科に行ってきて下さい。おしっこが出なかったら出ないでも良いんで頑張ってみて下さい」
職場に今日は休む旨を連絡し、検査科に移動しました。
尿は弱いけど出始めました。
「尿が出れば絶対楽になる」と夜中の七転八倒の時に思っていたので、この時の安堵はかなりのものでした。
私の予想通り、尿が出た事によってかなり症状が緩和されました。
「あとはCTを撮って石の所在を確認して、痛み止めをもらって終わりだ」とこの時は本気で思っていました。しかし、この後、ドクターとナースの雰囲気が一転しますw
そして本日1回目のCT撮影。
撮影後、泌尿器科の前で待機しました。待たされる事、15分ほど。
ドクター 「あつさん、さっきやったここのエコーの機械は簡易的なものなんで、検査科の高性能のエコーの機械で診たいので検査科にの前で待っててもらって良いですか。私もすぐに行きますので」
この時点で、ドクターの雰囲気は先ほどとは変わっています。若干深刻な雰囲気です。
再び、検査科。
本日2回目のエコー検査
すぐに呼び出され入室しました。若い技師の方から診察台に横になるように指示され、技師の方の作業開始です。
ある程度の撮影をして、途中でドクターが入室してきました。
技師の方と一緒にエコー検査の画面を見ながら、技師に指示が出ます。
しばらくドクターと技師で専門用語で何かを話しています。
ドクター 「この血流は◯◯(横文字の専門用語)の兆候だよね」
技師 「そうですね」
そんな知らない言葉のやり取りがいくつかあって、エコーは終了しました。
ドクター 「あつさん。すぐに呼びますので診察室の前でお待ちください」
2件くらい別の患者の診察が間に入っていたと思いますが、そんなに待たずに呼び出されました。
ドクター 「あつさん。あんまり良い話ができない」(超深刻な感じ)
あつ 「はい…」
この時は「石が大きすぎて手術なのか」と思っていました。
ドクター 「あなたにとって大事な話になります。」
あつ 「はい」
ドクター 「石がね、無いんだよね…」
ドクター 「この画像で説明しますね。これ左の腎臓なんだけど動かして行くと右に比べてここが狭くなってます。」
あつ 「あ、はい」(なんとなく事が重大である事に気づき始める)
ドクター 「これは尿管なんだけどここが狭くなってて、これが原因で尿が出なくなっています」
ドクターが続けます。
ドクター 「でね、なんで左の尿管が狭くなっているかなんだけどね、少し画像進めますね。ここね、右と違うのわかります?」
あつ 「はい」
ドクター 「これ腫瘍なんですけど、これが尿管を圧迫してます。」
あつ 「腫瘍って?癌って事ですか?」(事の重大さをやっと認識する)
ドクター 「いや、良性か悪性かはわからないんで確定はまだできないんだけど、おそらくね」
ドクター 「どっちにしてもこの病院では腫瘍の処置ができないんで、今から紹介状を書くんでそこで診てもらってください。どこか行きたい病院ある?」
あつ 「えっと、じゃあ母がかかっている◯◯病院(大きい総合病院)で」
ドクター 「あ、あそこの泌尿器科は混んでるから難しいかも」
あつ 「じゃあ通いやすい▲▲病院で」
ドクター 「わかりました。連絡して聞いてみるんで外でお待ち下さい」
外で待ちますが、頭の中は超混乱です。
「がんとは?」「余命どのくらいなのか」「なんで癌?」「死ぬのか」
いろんな事が頭を巡ります。突然のがん疑惑。意味がわかりませんw
診察室からドクターが呼びます。
ドクター 「あつさん。▲▲病院は今日はオペが3つ入ってて今日は無理みたい。本当はすぐにでも検査をした方が良いんだけど明日でも大丈夫?」
あつ 「明日は仕事なんで、来週とかでも大丈夫ですかね?」
ドクター 「これはあなたにとって重大な問題です。仕事じゃなくて検査を優先しましょう。◯大付属病院にも聞いてみるんでまたちょっと外で待ってて。」(正論。おっしゃる通り)
ドクターのこの深刻具合で私の宜しくない想像はさらに膨らみ始めますw
しばらく待つことになり、少し落ち着いてきたので「腎臓がん」についての情報収集(ネット上)開始です。
・腎臓にできる腫瘍の90%は悪性(=癌)
・通常は人間ドックなどで早期発見されることが多い
・症状が出て発見される場合の古典的な症状は「血尿」「腰の痛み」「しこり」
・転移している箇所の症状が出てから腎臓のがんがわかることが多い
・転移し易い癌である
癌の情報なので当然良いことは出てきませんよねw
このネット上の「90%は悪性」という情報の通り、この後この病院のドクターも、大学病院のN先生(この後主治医になります)も精密検査の結果を待たずに「腎臓がん前提」で話を進めてきますw
私の対応のためにドクターが時間を取られ、泌尿器科の他の診察が滞り始め、他の患者がやや苛立ち始めました(申し訳ない)
ドクターからの再度の呼び出しです。
ドクター 「あつさん。これからいけますね。どうやって行く?」
あつ 「そんなに遠くないんでタクシーで」
その場でドクターが大学病院に到着時間を電話で伝えて調整してくれました。
ドクター 「では◯大付属病院で。これから紹介状を作るんで外でお待ち下さい」
外で10分ほど待ちドクターに再度呼ばれ、診察室に入りました。
ドクター 「これを向こうの病院の受付に出して下さい。腎臓の腫瘍としてはそんなに大きいわけでもないから頑張って下さいね」(がん前提の口調w)
あつ 「ありがとうございました」(今となってはこのドクターに感謝しかない)
診察室を出ると最初にいた看護師の方が大学病院の名前と所在地と受付の場所を書いたメモをくれました。
会計を済まし(9000円くらい)、病院を出ました。
会計待ちの間、涙が溢れてきました。
病院を出て、歩き始めますが涙が溢れてきます。
タクシーに乗る前に、妹に連絡をし、がん疑惑を伝えましたが嗚咽を堪えながら平静を装った電話になりました。妹は絶句していました。
病気の母に電話で病気の内容を伝えることは適切でないと思い、大学病院で精密検査という事だけを伝えタクシーに乗りました。
今日はここまで。
次回は深夜の腹痛と「おしっこでない事件」がなぜ起きたかを私なりの考察の記事を書きますね。実はあの夜以外この症状が出ていないんです。
あつ