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サビはんで綴る「私のこころの物語」
先日、Yoshida Yukiさんの「サビはんでつなぐ心ものがたり」を聞く機会がありました。サビはんは、Yoshidaさんが版画で作られたサビアンシンボルのイメージ版画です。絵がめっちゃ素敵です。
私も自分の出生図のサビアンシンボルを情報として知ってはいたけど、「絵」という視覚でみて、さらに物語として聞くと、すごく心にしみるなぁとその時改めて感じました。
YoshidaさんのHPでは、お誕生日を入力すると、自分の出生図のサビアンシンボルがサビはんで表示されます。
リンクを張ったこのページです。ここで自分の誕生日を入力するだけです。
計算は自動でしてくれます。
私の出生図からはこんなサビはんになりました。
イメージで見せてもらえるとシンボルも想像しやすいです。
物語に使うカードは次の10枚です。
太陽 乙女座 13度「政治運動を制圧する強い手」
月 水瓶座 4度「インドのヒーラー」
水星 天秤座 8度「荒廃した家の中で燃え盛る暖炉」
金星 天秤座 5度「真の内面の知恵を教える男」
火星 天秤座 8度「荒廃した家の中で燃え盛る暖炉」
木星 双子座 1度「静かな水に浮くガラス底ボート」
土星 獅子座 12度「宵の芝パーティー」
天王星 蠍座 5度「大きな岩場の海岸」
海王星 射手座 12度「ときの声をあげる鷲に変化する旗」
冥王星 天秤座 11度「眼鏡ごしに覗き込んでいる教授」
私は水星と火星が同じ度数なので同じ絵が2枚あります。
このサビはんの画像とサビアンシンボルの内容や惑星の意味も含めてイメージを膨らませてみました。(登場人物的な感じです)
あくまでも私が感じた物語なので、「そうなんだね~」ぐらいで読んでもらえると嬉しいです。
サビはんで綴る「こころの物語」
ある国の古い時代のお話です。
自然豊かなその村には、伝説のような話が伝わっていました。
「村から少し離れた山の奥に不思議な力をもつ賢者が住んでいて、その不思議な力によってなんでもなおすことができるらしい。
けれど、会えるのは本当に必要としている人だけらしい」と。
村に伝わる「不思議な賢者」の話を皆さんと一緒に聴きたいと思います。
その賢者は、村の酋長の一族の生まれで、とても優秀な子供でした。
たくさんいる子供のなかでも後継者とされていたので、たくさんの護衛に囲まれ小さいころからたくさん学びもしていました。
そのせいか、大人のような落ち着きがあり、ときおり人の心の奥を見抜くようなところがありました。
幼い賢者は考えること大好きで
「人はなぜ生きるの?死んだら魂はどこへいくの?」
といった哲学的な深い質問を周囲にいた大人にするので、大人たちは答えに困ることもよくありました。
幼い賢者は質問に対して納得のいく答えをかえしてくれない大人たちにがっかりして、もっと素晴らしい師のもとで学びたいと強く思っていました。
そしてさらに自分の考えをもっと深めたいとも思いました。
賢者が青年に成長したころ、山に修行に出かけました。ところが途中で道に迷ってしまいました。
あたりは暗くなって、寒さも襲ってきて、どうしようかと思ったその時、一軒の古びた山小屋を発見しました。
賢者はこの小屋の扉をたたきました。すると、中からひとりの男が出てきました。男は賢者の姿をみると、何も言わずに家の中へ入れてくれました。
家の中は、荒れていましたが、暖炉があり、そこでは煌々と火が燃えていました。男は黙って火のそばに賢者を連れていき、温かいご飯を用意してくれました。
そして一晩中、火のそばで二人は熱く語り合いました。
男は賢者の考えていることを言葉にしなくても伝わっているようで、賢者はこの男と共にもっと学びを深めたいと思いました。男もまた賢者と共にならもっと深い話ができるのではないかと思いました。
二人はとても気があったのでした。
賢者と男はふたりで、いろんなことを語り合いました。賢者の知らないことを男はたくさん知っていたし、
賢者が興味をもったことに男はなんでも付き合ってくれたのでした。
また男は、たくさんの仲間を賢者に会わせてくれました。
この仲間たちは素晴らしい人たちでした。
幼いころから権力争いのなかで育った賢者にとって、こんなに心を許せる存在は初めてでした。
子供のように純粋に楽しいと思えるそんな時間でした。
たくさん笑ってたくさん遊びました。
修行に出たきり、音沙汰なしになっていた賢者を探しに、護衛がやってきました。護衛は酋長からの伝言を伝え、一緒に村に帰ってほしいと言いました。
それを聞いた賢者は、申し訳ないとは思いつつ、この山小屋で、男や仲間たちと共に暮らしたい気持ちを手紙に書きました。
そしてその手紙を一族へ渡してほしいと護衛に頼みました。
手紙をみた酋長一族は困ってしまい、再度山まで迎えに行きましたが、
賢者に「この場所が気に入ったし、この生活がいい」と言われて追い返されてしまいました。
しばらくここで暮らしていた賢者ですが、ずっと心のなかに「村のみんなに申し訳ない…」という気持ちがありました。
男が自分に教えてくれたこと、ここで仲間たちと培ってきたことを村のみんなにも聞いてほしい。
そうしたら村はもっと良くなるはずだし、くらす人たちも幸せになれるはずだと思いました。
でもそのためにはどんなレベルの人でもわかるように、わかりやすく伝えられる術が必要だなぁと思いました。
賢者は、まず男に相談をしました。
男はとても喜んでくれて、本当は自分もそう考えていたけれど、自分にはそこまで影響力がないからできてないのだと。
そして仲間内で教授と呼ばれる男を賢者に紹介しました。
教授と呼ばれる男は、教える術に長けていたのです。
教授を中心にした仲間達は出来ることは協力するよと言ってくれました。
賢者は自分が酋長一族の後継者だというのがずっと重荷でしたが、
初めてこの立場に生まれてきたことには意味があったのかもしれないと思いました。
みんなの想いを届ける役目なのかもしれないと。
賢者は、自ら村に戻りある宣言をしました。
「自分はこの村の後継者として、村の環境は整えたいとは考えています。けれど酋長はできません。いや、しません。
みんなが協力しあえる村、そんな新しい村の形を考えたいです」と。
村のなかには、反対派という大きな壁が立ちはだかりましたが、賢者はその反対派の意見の人にも受け入れてもらえるように何度も何度も話し合いました。
賢者は決してあきらめませんでした。
そして、ついに賢者は反対派の人の説得に成功し、世襲制をやめ、あたらしい村をつくることができました。
あたらしい村は、信頼できる人たちにまかせて、自分は古びた山小屋で男や仲間たちと一緒に楽しく暮らし、本当に困っている人には、話を聞き、病気の人たちには不思議な力で癒しました。
本当に困っている人がいたら、その人が願えば、その人のところには虹色の鷹を連れた賢者が雷と共に現れるのだとか。
おしまい
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