紺碧のミュージアムカーフが、ジャック・マイヨール氏の見た世界へと誘う
シューレースの存在感
以前ヤフオクで落札した、“エンツォ ボナフェ”のART.3722チャッカブーツは、濃紺のカーフレザーでして…
カーフはカーフでも、伊・ボナウド社のミュージアムカーフをつかったシロモノです。
ミュージアムカーフとは、巷で「大理石のようなムラ感のある」と表現されていますが、銀面のあちこちで色が抜け散らかしている革でございます。
そうはいっても、老眼の影響もあって家の蛍光灯の下では、ブラックにしか見えないダークネイビーで、目を凝らしても色の濃淡は分かりづらい。
まさに、『グラン・ブルー』の世界。
このART.3722には、アッパー素材に米・ホーウィン社のシェルコードバンを用いた上位モデルがあります。
コードバンのART.3722は、ホーウィン社がNO.8(ナンバーエイト)と名付けたバーガンディ。
1番有名な色です。
そのシューレースは、やや太い白の丸紐で先端のセルがボディと同色の革製になっていて、これがカッコいい。
最上級のエキゾチックレザー仕様にしても、廉価版のボックスカーフ仕様にしても、日本で買えるレディメイドのART.3722に付属するシューレースは、黒の細い丸紐(コードバン仕様を除く)になります。
黒靴や茶靴に白いシューレースをつかう手法は“エンツォ ボナフェ”だけでなく、“ステファノ ブランキーニ”などほかのイタ靴でも見たことがありますが、逆にイタリアブランドでしか見ない気が…
イタリア人の感性よ。
ここまでイケてるのセンスなのに、革セルをアイレットよりも大きくして、靴から紐を外すことができないつくりにしてるのはなぁぜなぁぜ。
シューレースを着替える
うちのチャッカブーツはほかのART.3722とおなじく、釣糸のように細い黒のシューレースが付いていました。
これでも悪くはありませんが、シューレースが細くなるとどうしてもドレスっぽくなります。
ART.3722チャッカブーツはノルベステッチが白系なので、その相反する雰囲気のシューレースをコードバン仕様のように、ステッチと同色のアイボリーでオーダー。
2.5mm径のちょっと太めな編目紐で。
革セルの設定はないので、アッパーと似た色の黒ニッケル金セルにしました。
紐の種類や色も豊富な上に1cm単位で細かい長さ指定ができるので、シューレースを買うなら今のところ靴ひもドットコムが最強です。
ただ、オーダーが入ってからの受注生産方式なので、返品・交換はできません。
革靴にしろスニーカーにしろ、レースシューズのイメチェンは靴紐を変えるのが1番で、腕時計のベルトを変えるくらい費用対効果がデカい。
変えたのが分かりやすい有彩色にするなら、ポップになりすぎないように紐の材質や太さをコントロールして、バランスを取ってください。
それと、スニーカー感覚で大きめな蝶々結びができる長さにしてしまうと…耳の垂れた犬みたいで精悍さがないですよ。
ブーツ用はアリか?ナシか?
バスケットシューズでいうところの、ハイカット並ブーツに入れるシューキーパーとしては、レギュラーのキーパーでいいのでしょうか?ブーツ用のキーパーがいいのでしょうか?
その答がありそうでない問題に…
試しに、家にあった“コルドヌリ アングレーズ”EM500Eを入れてみると、これがジャストフィット。
純正よりも7千円くらい安いし、レギュラーのツリーであればこれで決まりですが、“コルドヌリ アングレーズ”にはブーツ用のツリーもある。
どうも、フロント部分がEM500Eよりも「ポテッ」としているように見えるし、レビューでワンサイズ下げたけれど入らなかった…と書いてある。
考えたあげく「入れてみらんと分からん」と、ブーツ用のEM596Eにしたらこれが大失敗。
フロント部分が少し太いのもありますが、それ以上に甲高と足首周りがキツい。
くるぶし丈しかないブーツにブーツ用のキーパーは必要なく、せめて6インチくらいの高さがあるブーツに入れるべきだと思います。
EM500Eを買い直すはめになって1.87万円がムダになったので、今回のドーパミン放出は18.7%。