元フォックスハウンド隊員なのだから、オーバースペックくらいで丁度いい
サブマリーナの呪縛から逃れて
前回、スネーク用の腕時計を探しに“ハミルトン”、“マラソン”と北米を代表するミリタリーウォッチメーカーの時計を物色しましたが、
どちらのブランド時計も、大人の事情により購入するまでは至らず…
ミリタリーウォッチなら、以前マークⅢを買った『復刻軍用時計屋』の“MWC”に、最適なのがあるかもしれません。
ダイバーズといえば、右を見ても左を見てもサブっぽい意匠ばかりなのが食傷ぎみなので、条件は“ロレックス”サブマリーナの面影がないもの。
潜水時計である以上、逆回転防止ベゼルが似ているのは仕方がないとしても…ドットインデックスや3時位置にあるサイドガード付きのリューズはNG。
そんな縛りをかけると、ミリタリーウォッチだけあって、24時間表記のUSダイヤルがしっくりくるのであります。
リューズは…
日本のアドベンチャーシーンをけん引してきた“セイコー”の通称『ツナ缶』こと、マリーンマスター(現在のプロスペックス)によく見られる4時位置。
軍用時計としては、夜光塗料にもこだわりたい。
蓄光のルミノバではなく、発光のトリチウム。
そして、見つけたのが1000m防水のコレ↓
ちゃんと、放射能記号☢と三重水素元素記号H3もプリントされております。
いいとこ取りのロマン機
ドイツ本国のカタログには82,256円(執筆時)と書いてありましたが、日本のショップで買えばまだ安い。
「北社長、おいくらでしょうか?」
消費税込み、送料無料で76,800エ〜〜〜ン。
注)トーカ堂では、売っていません。
UNLIMITEDで、売っています。
でも、手数料が取られるYahoo!ショッピングに出品している方がリーズナブルな謎。
楽天市場では、8万円超えのプライシングなのに…
と、まあ…
映画『テネット』コラボモデルの元ネタになった、“ハミルトン”ビロウゼロ H78505330の潜水時計としてのスペックと、
“マラソン”WW194006NGMの軍用時計としてのスペックを
『足して2で割った』ような腕時計が、両手以下の金額だった100AT/1224/SS/SL/Aのドーパミン放出は92%。
飽和潜水に対応すべく、“ロレックス”シードゥエラーと同じく9時位置にヘリウムエスケープバルブを装備し、トリチウム GTLS チューブ(これだけで、1〜2万円のコストアップ)も搭載してーの、この価格ですのでコスパは最強クラスです。
安さの秘密は心臓部
夜光はスーパールミノバ、セリタのキャリパーSW200を積んだ1000m防水時計が158,000円。
同じ“MWC”でも、うちの時計とはえらいちがいです。
ミリタリー専門のオマージュウォッチブランドですので、商品は比較的値のこなれた価格帯ではありますが、10万円以上するモデルは総じてスイス製の自動巻きムーブメントを積んでいます。
それに対して、一般的なモデルはセイコーインスツルNH35A(4R35の外販用ムーブメント)搭載。
この安価なムーブメントは、多くの中小零細ブランドで使用されていることからも品質になんら問題はなく、パターンオーダーが売りの“アンダーン”も一部特殊モデルを除いて、機械式にはNH35Aを採用しています。
そして、NH35A搭載モデルをOHに出すと調整はせずに、新品のNH35Aに積み替えるという荒業をやってのけます(使い捨ての方が安上がりなんだろうけど、SDGs的にはどうなんだろう…)。
こうして、“MWC”のディープダイバーに落ちついたのですが、実は『MGS』とのタイアップ腕時計はすでに存在していたものの…
ミリタリーウォッチのことを知らなさすぎる開発陣だったのか?「細部にまでこだわった」とドヤるわりに『子供だまし』な出来栄えで、極寒のアラスカで使うにはあまりにも貧弱すぎました。