ジャパン4大ウォッチブランドの一角か?はたまた、一発屋で終わるのか?
“フランク三浦”再び
高級腕時計収集の旅は、“フランク三浦”初号機で終幕を迎えて…あれから10年 。
その間にあのブランドだけではなく、世間で話題になった腕時計を片っ端から模倣するスタイルへと変化した“フランク三浦”。
さらに置き時計や掛け時計ならまだしも関連性のないキャディバッグや財布、おまけにTシャツまで…
いつ、カラフルなアラビア数字を全面プリントした高価な壺を売り出すのか?と思うと、夜も眠れません。
そのペットネームから“フランク・ミュラー”のヴァンガードをパクったであろう11号機がリリースされました。
久しぶりの原点回帰です。
最終的には勝ったとはいえ、本家との法廷闘争でおよび腰になったのでしょうか?
そこにはかつての零号機や初号機のような切れ味はなく、強いて言うならハイパーブラックが「似てるっちゃ似てる」程度で、これでは往年のファンは納得しません。
ファンどころか、公式HPで書かれているような目が肥えた高級クラブのホステスにバカうけすらしません。
『クルクルローター』の発想自体は個人的には好きなのですが、裏スケにコストを掛けるくらいなら本家と同様、6時位置にデイト表示を付けてほしかった(ファンが望んでるの、ソコじゃないから)。
『パロディ時計』に、オリジナリティは必要ありません。
コピー精度が低い腕時計なら、“フランク三浦”でなくても市場に溢れ返っているのです。
フランク三浦 11号機 ガンバルド
発売から1年が経ち、Amazonのタイムセールで製造販売元が半額で叩き売りをしていたので思わずポチり。
どう頑張っても、ヴァンガードに似てないのなら…
◆タイプ パッと見、凄そうな文字盤がプラス2,000円なら油圧プレスギョウシェダイアルを選ぶ理由がない。
◆ケース この時計にブラックのケースはナシでしょう。ローズゴールドは着ける人と場所を選ぶのでパス。
◆ ベルト グレーは穴周りの色のコントラストがビミョーなので除外。ブラックが王道だけれど堅苦しい一面も。
消去法の結果、スケルトンネイビーしかないという結論に至りました。
到着後、よくよく観察してみると…
◆デカいだけで、初号機のときのような“フランク三浦”らしさは皆無。
◆立体スケルトンダイアルは文字盤のロゴが見えづらく、これが見えなければただの吊るしの腕時計。
◆そもそも、本家のスケルトンにインデックスはないのになぜ付けた?
モノはイマイチですが、半額で買えたのでドーパミン放出度合いは60%。
バーゲンセールをやっていた理由が、何となく分かった気がしました…
『“フランク三浦”=トノーケース』の呪縛から、同型のケースに笑いをとる盤面のマイナーチェンジでお茶を濁してはラインナップを増やすことに終始してきた、従来のモデルよりも評価できる点はあります。
ですが、文字盤は腕時計の顔です。
ケース、ベルト、針のパーツとモノの作りはしっかりしているので、文字盤をモディファイしたら値引きなんかしなくてもフツーに定価で売れる代物です。
本当の原点回帰を目指してもらいたいものです。
ケースが大きく分厚いので、ネット上では「重い」とよく書かれていますがこれは「クォーツにしては重い」だけで、大型化された最近の腕時計に日頃から慣れ親しんでる人にとっては、気にするほどの重さではないでしょう。
重さよりも気にしてほしいのは…これは、ホンモノならまだしも中途半端に似ているだけのニセモノなので、フェイスのデカさと相まってスーツ姿のビジネスシーンには不向きな点です。
特にただのオッサンが着けていたら上司の威厳を失墜する恐れがあり、シャレがシャレで済まなくなる可能性があります。
凝ったベルトが、精巧すぎて仇となる
今までのモデルは合成皮革のベルトがユーザーからの酷評を受けていましたが、11号機のベルトは革とラバーを使ったハイブリッドで『パロディ時計』のベルトとは思えない出来映えが、この腕時計で唯一の高評価ポイントでした。
しかし…
従来のモデルなら何かあればベルトごと市販品と交換すれば済みましたが、今回のベルトは形状や作りが特殊で他と代用が利きません。
メーカーが交換用パーツを販売していない以上、ベルトがボロボロになったら市販のラグ幅が合う汎用ベルトに無理やり交換するか?時計を買い直すか?の2択。
見た目重視なので、取り付けサイズが合っただけの汎用ベルトに交換する気はなく、かといって11号機をもう1本買う気も更々ありません。
そこで、ベルトの耐久性と外見上のレベルアップを兼ねて、尾錠のパーツを純正品のピンバックルから社外品のDバックルに変更することにしました。
一口にDバックルといっても片開きのシングル式と両開きのダブル式の2種類があり、固定方法も嵌合式とプッシュボタン式の計4種類あります。
粗品レベルの数百円で買えるものから高級ブランド品の数万円するものまで星の数ほどあるサードパーティーの中で、どれを選ぶのがこの時計にとってベストなのか?
時計オーナーのセンスが問われます。