育てる気のないネグレクトな親には、最初から成人している赤札ジーンズが◎
ジーンズの話
新年度早々、これといって主張したいことはありません。
ないのですが、それだと話が終わってしまうので、先日ポイント消化のためにドコモのdファッションで買った、服のことでも書こうかと思うのです。
https://note.com/matsudawi0525/n/n6082fd770e5d
数年前までは、好きなブランドが他のECサイトよりも10%ほど安く売っていたのでよく利用していましたが好みも変わり、他のブランドはべつに安いわけでもなく、自分サイズの欠品も多かったので、使わなくなりました。
それでも、dポイントの有効期限がせまってきたので強制的に『なにかしら』買うしかなくなり、困った挙げ句“シップス”別注の“レッド カード”リズムを買うことにしました。
デニム専業の“レッド カード”は、ファッションリテラシーの高い層がこぞって支持している国産ブランドで、詳しいことはそこらじゅうで発信されているので、ここでははしょります。
デニム沼のガチな住人からすると、邪道なニットデニムと呼ばれるパンツも合わせると一生分のジーンズを持っていますが、10~20代のころはジーンズを穿くことがほとんどありませんでした。
「ジーンズと言えば…」で、多くの人が題材にしている“リーバイス”も“ユニクロ”も穿くことはなく、界隈には精通していません。
精通もしていないのにウンチクを傾けてもボロが出るだけなので、ここから先はデニム通ではない一個人の思い込みで、外野から界隈をながめるとそんな風にカテゴライズできるという話です。
ファッションアイテムには必ず出てくるジーンズを穿く『意識高い系』の人種には、おおざっぱに分類すると2種類います。
その2種類は、ストレート系とスリム系。
現在はルーズパンツが流行っているので、若者の『ジーンズ離れ』が叫ばれている中でも、ワイドシルエットのジーンズを穿いている若い子も少しはいますが、あれは『若気の至り』だから許されるシロモノで、彼らも歳を取れば黒歴史と化します。
ファッションは繰り返すので、昭和でも流行りましたよ。
ボンタンジーンズと呼ばれるものが…
ストレートは、アメカジ派
ジーンズはアメリカで発祥したので、こちらが主流派です。
デニムの3大ブランドもすべてアメリカ製で、“リーバイス”、“リー”、“ラングラー”の中でも、ジーンズの祖“リーバイス”を熱狂的に
信仰している信者が1番多いのが特徴です。
その信者が偶像崇拝している中でも原点501XXは、そもそもタマ数の少ない戦時中の1942年~1946年『大戦モデル』や戦後の1947年『47モデル』にマニアと転売ヤーが群がって、相場が現実的な衣料費ではない価格にまで高騰しています。
この辺りの501は、仏教でいうところの『如来』クラスです。
後光が差してます。
一般庶民はそう簡単に買えない金額のため、ここに需要があると踏んだ“リーバイス”は、復刻のLVC(リーバイス ヴィンテージ クロージング)を発表し、手に入れることができない在家信者たちに救いの手を差しのべています。
リバイバルとはいえ本家“リーバイス”が生産しているものだし、デッドストックのまま半世紀ほど持てば価値が本格化しているかもしれないので、修行中の『菩薩』クラス。
現行501XXは他にも501オリジナル日本流通モデル、501オリジナル米国流通モデル、501MADE IN THE USAモデルと混在しており、米国製『明王』~第三国製『天』まで様々。
歴史のある“リーバイス”501XXで、バックポケットのアーキュエイトステッチがどうとか、トップボタンやボタンフライのボタンがどうとか、パッチがどうとか、レッドタブがどうとか、隠しリベットがどうとか、シルエットがどうとか、クロッチステッチがどうとか、バータックがどうとか…細かなディテールの違いで製造年代を判別しているマニアは、考古学者が出土した地層から年代を特定しているのと同じに見えます。
元が労働者の作業着だったジーンズなので、アメカジ派の人が3cmほどの幅にロールアップをしたストレートジーンズに、ワークブーツやポストマンシューズなどの革靴を合わせたがるのは当然です。
裾を太めに折るのは、セルビッチの赤耳を見せたいがための所業なのでしょうか?
トップスには、スウェット素材のパーカー。
そして、なぜかしらキャップ率高し。
スリムは、キレカジ派
そのジーンズ発祥の地アメリカも西海岸で、20世紀終わりに2万円程度するプレミアムジーンズのブームが起こります。
ラグジュアリー化してドレス寄りになると、そのシルエットは細くなっていきます。
セレブが穿き始めて流行になるのですが、彼らのパンツ丈はジャストやアンクル丈と裾のたわみがなく、捲っても細くしかロールアップしません。
そのスッキリさせた足元にローファーやダブルモンクを履いて、トップスはニットのカットソー。
結構な割合で、ジャケットを羽織っています。
ウィメンズには以前から細いローライズのジーンズはありましたが、これがメンズにも波及します。
初めて綿100%の“ヌーディージーンズ”スリム ジムを穿いたときは、その股上の浅さと窮屈さからストレスしかありませんでした。
https://www.nudiejeans.com/ja/
それから、ストレッチジーンズしか穿かなくなります。
沼の住民は言うんですよ。
ポリウレタンが入ったストレッチジーンズは、数年で加水分解するからビンテージジーンズにはならないと。
おっしゃる通りです。
ですが、ストレートのようなユルいジーンズを穿くのなら綿100%でかまいませんが(逆に綿100%しかないと思う)、フィットしたスキニーを穿こうと思ったら、いつ加水分解するか?心配する精神状態よりもパッツンパッツンの穿き心地の悪さの方が、体に毒だと思うのです。
震源地が同じアメリカでもテイストの異なるアメカジ派とキレカジ派ですが、国産デニムブランドもたいていはどちらかの派閥に分かれます。
そんな中で、“レッド カード”のジーンズもポリウレタン混紡のキレカジ派です。
ポリウレタンにもエステル結合とエーテル結合があって、エーテル結合は劣化しにくいらしいのですが、このジーンズがどちらなのか?は分かりません。
バックポケットに独自のステッチを入れて自己主張してほしかったですが、ヒゲの立体的な加工にところどころの擦りきれたユーズド感など、穿き込んだかのように見えるリズムの別注モデルは、純正モデルと比べて丈が短いので、補正せずにそのまま穿けます。
リジットのさらものと違って『育てる』醍醐味はないものの、出来のよさからブームの頃のプレミアムと同じ価格帯の2万円なのに、コスパがいいといわれている別注リズムのドーパミン放出は80%。
これでエーテル結合のストレッチデニムなら、“PT トリノ”や“ヤコブ コーエン”などのイタリア製プレミアムジーンズに頼らなくても、キレカジ派にとっては最強のレギュラージーンズになると思います(定価で買うなら、半値程度)。