数十万円以上の高級腕時計だけを崇め奉る文化に対する、一つのアンチテーゼ
土産…話だけ?
沖縄・那覇にはDFSギャラリアがあり、県外へ出る航空チケットさえあれば、国内なのに海外ブランド品が免税価格で買うことができます(一部ブランドを除く)。
これは、日本にある米軍基地の70%以上が沖縄に集中していることへの優遇措置です。
沖縄へ旅行に行くけれど、スキューバダイビングや異国情緒ただよう雰囲気(住んでみると、日本語が通じる外国というのは痛感する)が好きで行っているだけで、ブランド物には興味がないとおっしゃる貴兄も…まぁ、話を聞いていってください。
真っ黒に日焼けした沖縄旅行の帰りしな、お土産に沖縄名物ちんすこうを買いました。
…
…
口の中の水分をすべて持っていくクッキーの親せきとか、今どきだれもよろこんで食べません。
せめて、紅芋タルトにしましょう。
職場へのお土産なら菓子折りで事足りますが、これが懇意にしているガールフレンドの場合はどうでしょう?
釣り上げる前の『魚』なので、『餌』は必須です。
沖縄ということで、百歩譲ってTシャツや島ぞうりでよさそうな気もしますけど、シーサーが大きくプリントされたTシャツを部屋以外のどこで着るんだ?と。
一応、「ありがとう」と受けとってはくれますけど…
そんなときに重宝するのが、数千円で買える沖縄デューティーフリーの海外コスメ。
いつもは、ドラッグストアのプチプラコスメを使っていても…
飲食店でのデートの最中に化粧直しで席を立つとき、携帯する化粧ポーチの中には“シャネル”のルージュを忍ばせている女子の話を聞いたことがあります。
トイレの洗面台は戦場で、バッティングするかもしれない敵兵対策だと。
そんな、ココ一番で使える外資系コスメ(日本未発売のものもある)はパッケージも凝ったものが多く、女子の「かわいい♡」が取れて貴方への評価がアップしやすいお土産です。
なにを渡せばいいか?分からない?
売り場の店員さんは、ほとんどが女性です。
彼女たちに選んでもらいましょう。
(パーソナルカラーなる「ふわっ」としたものは、ここではガン無視)
お相手が、女子だけがメイクを強要される社会に疑問を感じて、ノーメイクで徹しているフェミニストなら効果はありませんが…一般女性なら、ぜひ試してみてください。
見た目が豪華で優越感にひたれるラグジュアリーブランド品か?コストパフォーマンスに優れたノーブランド品か?
どちらが勝っているというのでなく、使用するシーンがそれぞれちがうだけだと思うのです。
ホンモノのミリタリーウォッチ
この女子のコスメの使い分けが、メンズになると腕時計に変化します。
オンタイムのドレスウォッチに対して、オフタイムのカジュアルウォッチ。
そのオフタイムに最適な軍用時計の世界で、ダーティダースと呼ばれるかつてイギリス国防省が発注した腕時計がありました。
ダースなので、12社です。
“ビューレン”、“シーマ”、“エテルナ”、“グラナ”、“ジャガー ルクルト”、“レマニア”、“ロンジン”、“IWC”、“オメガ”、“レコード”、“ティモール”、“バーテックス”。
メジャーどころもあれば、今はないマイナーメーカーもあります。
黒文字盤、アラビア数字のインデックス、6時位置のスモールセコンド、ブロードアローetcと、みな同じような顔つきの腕時計ですが、ガチのコレクターは12ブランドすべての時計を集めようとしています。
第二次世界大戦のころのモデルなので、下手をするとミュージアムピースになりかねません。
そんな骨董品を腕にまいて、コメダ珈琲に行くわけにもいかず…
あっちが連合国ならこっちは三国同盟ということで、ときのドイツ空軍に採用されたパイロットウォッチを見てみましょう。
“A.ランゲ&ゾーネ”、“ラコ”、“ヴェンペ”、“ストーヴァ”、“IWC”の5社です。
敵味方見境なく、こっちでも“IWC”が納品してます。
文字盤デザインはAタイプと
Bタイプの2パターンありました。
注)“ストーヴァ”参照。
文字盤にブランド名さえも入れず、シンプルの極みです。
今でもオリジナルデザインでリリースしているのは“ラコ”と“ストーヴァ”しかなく、“ヴェンペ”と“IWC”は現代風にアレンジしたAタイプのみエントリーしており、“A.ランゲ&ゾーネ”に至ってはその面影すらありません。
そして、日本で買える“ストーヴァ”の選択肢は少なく、“ラコ”の方が販売店も種類も多くなります。
一推しの『ワンマイルウォッチ』は、ブランドロゴが入っていますが“ラコ”のBタイプ、アーヘン39。
60,500円。
ムーブメントは、シチズン系“ミヨタ”製の自動巻きを積んでいます。
イギリスのダーティダースにしてもドイツのアビエーターウォッチにしても、そのレトロなたたずまいが特徴的ですが、これを現代のファッションと合わせようとすると一苦労する。
手持ちのワンマイルウェアとコーディネートできる自信がないので、一旦保留。
お気づきかもしれませんが、“ラコ”のモデル名は都市名+ケース直径になっていて…ここだけの話、このケース直径が42mmの正規物アーヘンが、消費税抜きの価格で売られていたりします(アーヘン以外でも見る)。
たぶん一点物だと思うので、我こそはと思うオシャレ野郎はお早めに。
都会的軍事腕時計
その“ストーヴァ”唯一の日本代理店チックタックで、ミリタリーウォッチのようなミリタリーウォッチじゃないような時計を見つけまして…
聞いたことはないけれど、その名は“ナバル ウォッチ”。
スイスの時計メーカーで、プロデュースした“ロウアーケース”が提唱する「アーバンミリタリーウォッチ」などと、よく分からん横文字コンセプトのもとに作られた腕時計でした。
ラインナップがクォーツ時計2機種とメカニカル時計2機種で、どちらもベルト素材がちがうだけです。
今回クォーツはないので、自動巻きの中からリザード型押しの革ベルト仕様FRXA002をチョイス(ミリタリーウォッチで、メタルブレスはなかろう…)。
ムーブメントは、“セイコー”製のNH35。
36,300円也。
パッと見は、'90年代に流行った革ベルトの黒文字盤10万円ロレックスで、よく見たら12時位置の逆三角形インデックスとリューズガードがスポーツロレックス。
そのインデックスは縁ありと現行型ロレックス風、でも色はアンティークの日焼けしたようなアイボリーというあざとい仕様。
あくまでもテイストだけですが、キレカジにも合わせやすく『陸ソルジャー』にはうってつけの『ハンサム時計』です。
ヤフーショッピング経由ZOZOTOWN内の“シップス”で買ったら6,000Pくらい戻ってきたので、実質30,000円程度。
ドーパミン放出は、65%…
マイナスの理由は、小ぶりなZOZO箱の中にはプチプチに包まれた“ナバル ウォッチ”の紙箱しか入っておらず、納品書を同封しないのはクレームすら受け付ける気がないのだと悟ると、服屋で二度と腕時計を買うまいと心に誓うのでした。
時計は、時計屋。