トリプルヘッダー覚悟で挑んだ争奪戦の品は、自分史上最強に超激ヤバの革靴
初シルバノのチャンス到来
世間では、なにかとリセールバリューの高い商品がもてはやされ、トケイなら「“ロレックス”のデイトナ買え〜」とか、クルマなら「“トヨタ”のランクル プラド買っとけ〜」と、再販価格ありきで買うものを決める傾向があります。
その商品の『好き嫌い』は二の次で。
この資本主義経済において、自身の動産価値が1円でも高くなってうれしくない人はいないので、それはそれで当たり前のことなのですが、これが売り手ではなく買い手の立場になると話は逆転します。
ヤフオクのセラーでいくつかフォローをしているIDがあり、その出品物をなにげに眺めていたときのこと。
イタリアの至宝、“シルバノ ラッタンジ”別クレジット“ジェラルド フォサッティ”名義の未使用ローファーが、「なんと!」38,000円スタートで売られていたのですが、サイズはUK7と無理しても履ける大きさではなく(ノД`)シクシク
『シンデレラボーイ』は、そう簡単になれないのです。
あきらめ画面を下にスクロールすると、「お探しの商品からのおすすめ」の中にあった、履けそうなサイズの年代物“シルバノ ラッタンジ”群に、ふと目が留まります。
もっと安い( ゚д゚)ハッ!
すべて、デッドストック♪
今はなき雪月花別注、黒の編み上げブーツもあったけれど、“エンツォ ボナフェ”のチャッカブーツと被るので除外。
あまりにも定価が高騰しすぎて、日本ではどこもバイイングしなくなったと噂される“シルバノ ラッタンジ”の未使用靴が、☆超激安30,000円スタート!!なのに、どの靴も入札者なしで本日終了とはこれ如何に。
イタリアの高級『シルバノ』系は持っていないので、このチャンスは是が非でもモノにしたい。
ターゲットが3足もあれば、『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』でなんとかなるだろう…
ウィズコロナの影響もありながら
オークションの終了時刻は、③→②→④の順番。
最大で3戦あるので、いくらまで追いかけるか?はケースバイケースで判断するとして、まずは初戦③のローファーに3万円をブチ込んでは、ほかの参戦者を迎え撃つ準備をします。
未使用ラッタンジが、3万円やぞ。
きっと来る。
きっと来る。
…
…
貞子は、来なかった…
すんなり、ミッションコンプリート。
いくら、ライフスタイルの変化で革靴が売れなくなったとはいえ、あっけない幕切れでした。
②のストレートチップは35,500円で落札、④のローファーには入札がなくお流れに。
モデルネームのないイタ靴なので、推測の域を出ませんが…
落札した③のローファーと瓜二つ、アリストクラティコ(現カヴァレリア)別注ローファーも別のIDから出品されていて、そこの商品説明に「参考価格 160,000円程」(ずいぶん昔に16万円した靴なので、今の16万円する靴とはわけがちがう)と書かれてあり、③もそれくらいの価格で売られていたと思われます。
そんな高級靴の落札価格が、参考価格の18.75%です。
さまざまな媒体で飛び交っている、『一生モノ』というふんわりしたフレーズに踊らされている、そこのア・ナ・タ!
耐久年数が長いから初期投資がかかる製品(俗にいう一生モノ)か?耐久年数は短いけど初期投資もかからない製品(俗にいう使い捨て)か?の2択ではなく…
踊らされている貴方にこそ、ハイクオリティなのにリセールバリューが低いアイテム、今回のラッタンジみたいな2次流通品をオススメします。
第3の選択肢です。
一生使うつもりなら、買ったあとに市場価格が上がらなくても問題ないでしょ?
売らないんだから。
靴にかぎらず、貴方だけのそんな逸品を見つけてもらえれば幸いです。
さて、生で見たことがない“シルバノ ラッタンジ”靴が、届くのを待ってみましょう。
写真映りの悪いやつ
箱を開けてみると、古い革の匂いがします。
中の革靴は、イタ靴にありがちなチゼルトゥでもポインテッドトゥでもなく、コバが張りまくったクラシコイタリアなスクエアトゥです。
そして、謎なことに左のアウトソールにだけ“ジンターラ”の焼印が押してあります。
その色といい、重戦車のような力強い佇まいは…
DD51型ディーゼル機関車に他ありません。
“シルバノ ラッタンジ”の靴は、無着色の革で靴を製作してから、職人が指に塗料をつけてアッパーの着色すると聞いたことがあります。
ウソか?ホントか?知らんけど。
ムラ感のあるボディのつま先とかかとはワックスで鈍く光っており、この靴が放っているオーラはハンパないのですが、残念ながら画面越しじゃまったく伝わらない。
なんか、メリハリのない貧相ボディにしか見えない…
散々オークションを利用して革靴を買ってきましたが、これまで手をつけてこなかったスリッポン。
自分の足のサイズはある程度分かっているつもりですし、ブランドやラスト(木型)によってサイズにばらつきがあるのも理解してます。
そのままで脱ぎ履きするローファーの履き口はレースアップシューズよりも広いので、シビアなサイズ選びが必要な革靴のなかでも、さらにシビアなサイズ選びが要求されます。
ゆうたら、どれだけキツい靴が履けるか?と。
歩けないほどキツすぎるのは論外ですが、そこが甘いとパンプスを履いた女性に見がちな…歩くたびにかかとが抜ける醜態を晒すことになります。
そんな理由で敬遠してまいりましたが、このような『スーパーレア』に巡り合う機会はめったにありません。
熟考に熟考を重ねた結果、ハーフサイズ小さなこのローファーがベストじゃないか?と踏んだわけです(ネットで売買されている革靴は、アウトソール全長と全幅が記載されていることが多いのですが、コバも含めたサイズなので参考程度に)。
いざ、足入れ!
↓↓↓
甲はキツいわりにヒールカップが気持ち大きいので、この足にこのローファーを履くのなら、このサイズしかないでしょう。
あのラッタンジのローファーを激安で!ということで、ドーパミン放出は200%。
マイナスポイントは、存在感がありすぎて協調性がないこと。
シューツリーについては、またしても“コルドヌリ・アングレーズ”にしました。
メジャーなサイドスプリットFA-85Sのネジ式版FA-85CHではなく、
プレーンのEM-97CAH。
超高級のシューツリーって、プレーンのものが多いから。
価格は定価の14,850円だったのですが、Yahoo!ショッピングががっつりポイントバックしてきたので、実質11,575円で買えました。
ここの製品は、買いすぎてなんの感動もないドーパミン放出70%。
それはそうと、1つだけ売れ残った④ローファーのその後、気になりませんか?
詳細は次回。