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世界一有名な潜水一家の前にいきなり現れた、腹違い種違いのドッペルゲンガー

無印サブ

うちの息子が言うんです。

「ボクも弟がほしい」と。

それなら、パパも頑張らなくてはいけないな!ははは…

妄想し過ぎて、息子も嫁もいないことをすっかり忘れていました(,,・д・)

OHをしていないサブマリーナがそう言ったか?言わなかったか?は知らないけれど…

腕時計に興味をもちだした20数年前、初めは歴史のあるスイス製の機械式しか眼中にない偏愛体質だったのですが(大抵は、ココから入ると思う)、コレクションケースに収めるほど本格腕時計の数を所有できる財力がある人間は、ほんの一握りしかいません。

天井知らずの価格についていけなくなって脱落すると、反動から高校生が普段使いしてそうな1万円もしないパロディ時計を愛でるようになりました(その価格帯だから、もちろんクォーツ)。

所謂、ハズし時計です。

腕時計オタクも2周目に突入し、放置していても止まらないクォーツ式時計もいいのだけれど、初心にかえり機械式の時計がほしくなりました。

ただ若いときのように、有名どころの高額腕時計でマウントを取りたい欲求はこれっぽっちもなく、数万円で買えるような片ひじ張らずに着けられる時計でいいのです。


そんな中、ヤフオクで自動巻きのサブマリーナデイト似を見つけました。

1円スタートです。

まるっとコピーは興味ないけれど、ノーロゴという物珍しさと安さに参戦してポチったら、すんなり落ちてしまいました。

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コミコミ6,620円でした。



色物サブ

世に、ダイバーズウォッチと呼ばれるものは星の数ほどあれど、どの腕時計も少なからず“ロレックス”サブマリーナの影響を受けています。

それが、逆回転防止ベゼルのデザインなのか?インデックスや針の形状なのか?ケースや3連ブレスの意匠なのか?はそれぞれですが、サブマリーナに寄せてきているのは確かです。

金属の塊をくりぬいたオイスターケースを開発し、1927年10月7日にその腕時計を身に着けたメルセデス・グライツ嬢がドーバー海峡を泳いで渡ったとき、“ロレックス”の防水時計は確固たる地位を築いたのでした。

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ディープシー、シードゥエラー、サブマリーナデイト・ノンデイト…これらの圧倒的性能と層の厚さは、格闘界に例えるとグレイシー一族ですよ(;゚Д゚)


初代『グリーンサブ』Ref.16610LVは、漆黒の文字盤に映える鮮やかなグリーンベゼルのインパクトが凄すぎて、それまで興味がなかった“ロレックス”という腕時計の価値観をひっくり返してきた時計でした。

記念モデルかと思ってリリースされてすぐに飛びついたのに、現在は3代目Ref.126610LVとシリーズ化したことには、萎えてしまいましたが…

緑が出る以前から、黒以外の色つきサブはあったんですよ。

今も継続している、通称『青サブ』と呼ばれるモデルはオールステンレスモデルではないので、価格が高いうえにモノによって文字盤が青や白だったり、インデックスが宝石だったり、イエローゴールドの多色使いだったりするゴージャスなサブマリーナです。

『赤サブ』という名称のサブマリーナは、ベゼルが赤ではない…まぎらわしい腕時計でして、SUBMARINERと6時位置に書かれた文字が、通常の白と違って赤でプリントされているRef.1680のレアモデルで、文字を赤にリダンしただけの偽物が市場に出回ります。

これ以外にも、ニューヨークの“ティファニー”本店で1990年代初頭まで販売していた“ロレックス”商品の文字盤に、TIFFANY&CO.と印字されたものがあります。

サブマリーナでいうと、デイトRef.16610とノンデイトRef.14060が最終モデルです。

これもまた、表示のアリナシで価格に大きな開きがあるので書き足した偽物が多数あり、本物はケースもギャランティも“ティファニー”だと聞いていたのですが、保証書は“ロレックス”発行だという話もあるし…真実は分かりません。

フリマサイトなどで出品されているものの中には、“ロレックス”でOHしていることを強調している時計もありますが、あれは本物の“ロレックス”製だからOHを受け付けているだけであって、日本ロレックスが“ティファニー”とのWネームを証明しているわけではないので、間違えないでください。

ノンデイトRef.14060の前型、Ref.5513の派生バージョンにはフランスの潜水作業会社COMEXの文字が入った激レア時計があります(裏ブタも刻印が入った特別仕様)。

割り振られたリファレンスは5514で、このモデルは全数“コメックス”向けに出荷されて一般販売はされておらず、サブマリーナ名義では唯一ヘリウム エスケープ バルブを装備したモデルです(このRef.5514から、Ref.1665シードゥエラーが生まれた)。

現在コメックス社は存在していないので新たに作られることはなく、価格は“メルセデス・ベンツ”のEクラスが新車で買えるほど高騰しています。

ヴィンテージの“ロレックス”沼は深すぎるので、むやみやたらに近寄らない方が身のためです。



中華サブ

本家グリーンサブの弟分にふさわしいスペックか?

ノーブランド品なので箱なんかは当然なく、プチプチに巻かれた状態でサブデイト似の腕時計はやって来ました。

それでは、商品説明欄から。

ご覧いただきありがとうございます。
〓新品〓自動巻(手巻き付)式腕時計〓ダイバーOEM製スタンダードブラックモデルステンレススライド式メッシュステンレスベルト
・国内発送になりますので配送到着も安心!
・問屋、卸を通さず仕入れてるから安価で提供!
・日本に代理店、店舗販売がないので未入荷アイテム。
★基本一般時計店で修理、点検が可能。(店舗により断る業者もございますのでご了承ください)
★商品不良不備の交換、又は全額返金対応致します!
★検品、動作確認は致しますが、ごく稀に細部に関する見落としがあるかもしれませんがご了承ください。
◆最高級のコストパフォーマンス・・・ 新進気鋭のメーカーでヨーロッパで人気急上昇です。米国・ヨーロッパ向けの製品で、国内代理店なしの未入荷製品となり激レア商品と言えます。 数ある時計分野の中でも、最も人気の高いジャンル。人気があるので、大変入手困難の時計です。
ブランド: OEM製
ムーブメント:自動巻き(手巻き付)機械式
ハック機能付き
リューズ:ねじ込み式
リューズ一段引き:カレンダー設定
リューズ二段引き:短針長針設定
ダイアル:ブラック
回転式ベゼル:逆回転防止
バンドの長さ:~22cm
防水深さ:3BAR
ダイヤル直径:41mm
ラグ幅:20mm
ダイヤル窓材:サファイアクリスタル
ケースの材質:ステンレス製
ケース厚さ:15mm
バンド材質:ステンレス製
バックル:スライド式ベルトサイズ調整モデル

最初にメンテナンスですが、文字盤に王冠マークを入れていないので街の時計屋さんで見てくれるとは思うのですが、今のチプメカ時計は元値が安いだけに調子が悪くなったら、修理をするよりも時計を買いなおす方がよっぽど安くつきます。

コストが掛かるサステナブルは、誰もやりません。

“アンダーン”でも、OHに出したらムーブメント交換で対応してきます。

ムーブメントになにを使っているのか?の記載はありませんが、この出品者は同類の腕時計を大量に出品していることから、個人で中国輸入をしているセラーと思われ、他の出品物の説明文から中華製の2813系だと推測されます。

リューズのポジションがいまいちしっくりこないで、時間合わせのつもりが日付が変わってしまったりもしますが、ハック機能も付いていることだし、値段を考えたら上出来でしょう。

即落9,800円とかで出品している、他の“ロレックス”もどきの時計には、“セイコー”の外販ムーブNH35を使っているものもありました。

防水性能は3気圧防水と、兄貴の1/10しかない日常生活防水。

今出品されているベルト違いの同じ時計の説明文にはミネラルガラスと書いてあるし、チープな格安時計にサファイアクリスタルを使うはずはないと、風防に氷を当ててみたのですが…氷はみるみる溶けてしまいました(サファイアクリスタルは熱伝導率が高いので、氷がすぐに溶ける)。

ベゼルの動きもホンモノと遜色ない滑らかさの中華サブは、ドーパミン放出90%

ちなみにマイナス評価は、針やインデックスに蓄光塗料が塗られているわけではないので、暗やみではなにも見えない点です。

それにしても、ロゴは一切書かれていないのに一目で『サブマリーナ』と認識させてしまうデザイン力に、“ロレックス”の真髄を見た気がします。


なんちゃってサブに金を使うくらいなら、「グリーンサブOH代の足しにしろ」とごもっともな意見もありますが、それを言い出したら身も蓋もないので…



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吾唯足ルヲ知ラズ
noteを書いている中の人はファッショニスタではありません。レビュアーでもありません。 あえてたとえるなら「かろうじて美意識のあるオッサン」といったところです。 自分が買いたいものを買っています。 サポートしなくていいです。 やっていることを遠くから見守っていてください🐰