
チープな素材だと思って、これらのナイロンベルトをナメるとイタい目に遭う
ナイロンベルト編
ファッションには、ミリタリーテイストの『軍モノ』と呼ばれるカテゴリーがあります。
腕時計も軍納入の実績があるブランドから復刻モデルが販売されていますが、ミリタリーウォッチではない時計が簡単にそのモチーフを真似るには、ベルトをナイロン製に交換すればいいのです。
④ナイロンベルト
ナイロン素材のベルトは、007のジェームズ・ボンドがサブマリーナやシーマスターといった高級腕時計にドレスダウンをして着けていたことから、軍用品だった『G10ストラップ』がNATOストラップとして、世間一般に認知されていくことになります。
ジェームズ・ボンドの設定がイギリス海軍所属の将校なので、実際に海軍へ支給された“ロレックス”や“オメガ”のダイバーズ時計本体に海軍向けに導入されたストラップを付けるという…巧妙なセッティングです。
映画がファッションや音楽の流行に及ぼす影響は大きいので、そういう視点で映画を観ると新しい発見があるかもしれません。
純正、社外を問わずいろんなブランドからNATOベルトが売られていますが、素材がナイロンなので安価で購入できます。
潮マスにも、交換用ベルトでピンバックルにブランドロゴを入れたオフィシャルNATOベルトがラインナップされていました。
ジェームズ・ボンドが腕時計に付けていたNATOストラップの色が黒✕グレーだったことから、“オメコ”純正も1番人気にあやかって『JBカラー』を採用しています。
すべての始まりになるショーン・コネリー扮するジェームズ・ボンドが、007 ゴールドフィンガーでRef.6538サブマリーナに付けていたNATOストラップは、実はよく見るとツートンではなく赤の細いラインが入っていたスリートーンだったことは言いっこなしです。
2千円も出せば買えますが、縛りの“バンビ”NATOベルトもおなじ価格。
“バンビ”のNATOベルトは、“オメコ”純正と違ってカラバリがあります。
オリジナルでなければ、文字盤とベルトの色は同色に合わせるのがセオリーだと思っています。
それで色選択のある革ベルトとシリコンベルトはブラックで統一してきて、ナイロンベルトだけは信念を曲げてツートンカラーでいいのか?
NATOベルトも黒にすべきではないのか?と、悩み始めるとキリがありません。
ツートンのBGA012AWとワンカラーのBGA011A。
悩んだ結果の選択が、予想もしない展開になることを…このときは知るよしもありませんでした。
『Wマスター』の板挟み
ウレタンベルトに続いてまだ使えるクーポンがヤフーショッピング内にあったので、それを使って千円ちょっとで買えました。
もう、ヤフーショッピングに足を向けて寝られないレベルの割引率です。
前にベルト厚が1mmの薄いという理由で、『訳あり品』のNATOベルトがワンコインで投げ売りされていたのを他店で買ったことがありますが、本当にペラペラで使い物にならずクローゼットに『お蔵入り』しています。
そのときの頼りないイメージがあるのでナイロンベルトを小バカにしていましたが、それに比べると生地が1.5mmと厚いのでしっかりしており、ベルトの小穴や剣先もきちんと熱処理してあります。
英国防省に納品しているフェニックス社の正規NATOストラップの厚みが1.0~1.2mmなので、“バンビ”製品はオリジナル以上のクオリティです。
ただオーバースペックといっても所詮1.5mmなので、Dバックル換装は最初から想定されていません。
通常売られているNATOベルトは可動する游革がなく、固定された定革の金属が2本並んでいるだけで、物によっては服の上からも時計を装着できるよう長めに作ってあることがあります。
それでムダに余ったベルトの剣先を2本目の定革に折り込んで対処しますが、“バンビ”のNATOベルトはそこまで長くもないので手首周りが太い人はそのままでも構いません。
ここまで誉めるだけ誉めといて、ドーパミン放出は70%。
理由は…
最終的に選んだのは、JBの黒✕グレーです。
“オメガ”で説明すると、どう考えてもツートンカラーのNATOベルトと上手くマッチングするのは、クロノグラフのスピードマスターではなくダイバーズのシーマスターです。
流行っているからといってナイロンベルトはどんな時計にも合う汎用性はなく、合わせるには色選びがチョー重要になります。
1番人気に飛びついたのが、あだになりました。
黒のNATOベルトを買い直すか…と最安値をネットサーフィンしていたときに、ひらめきました。
シーマスターといえば、アイツがいるじゃないか…
よからぬことを考え始めました。
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