ボクが、二度と○○○○○○○のシューツリーを買うことはないと確信したワケ
良品or不良品の判断は客がする
まず最初に、シューキーパーがサイドスプリットやツインチューブになっているからエラいと勘違いしているオメデタい人に伝えたい。
そこ、製品の優劣にまったくカンケーないから。
世の最上級ツリーは専用品でなくても、フロントとリアのツーピースで構成されているものは腐るほどあります。
そして、そのつなぎ方もシングルチューブでリリースされているものも数多くあります。
写真は、クソだった“サルトレカミエ”訳ありSR200EXです。
ツリー本体とサイトスプリットのすき間が左右で違うのが分かりやすいように、緑のテープでぐるぐる巻きに締めています。
よく見てください。
左側の右足用ツリーはサイドスプリットのパーツと本体の間にすき間が空いていますし、右側の左足用ツリーはかかとのパーツが内側に曲がっていました。
そりゃ、ブランドタグを付けないわけです。
ネットで画像を晒されても、「うちの商品とは断定できない」と言い逃れできますから。
訳ありSR200EXは、『靴磨き用』シューキーパーに降格させるか(今は千円くらいで買ったバネ式ツリーを使用)?“バーウィック”などの安いスペイン靴を手に入れたときにでも使うことにします。
“バーウィック”には、悪いけど…
冷静になって考えてみると、こちらにも落ち度はありました。
まず、いくらウィズが細いイタ靴とはいえマッケイ製法のスリッポンタイプの革靴に対して、キーパーの種類を間違えたこと。
次に、メーカーが言うことを鵜呑みにして訳あり品をチョイスしたこと。
そもそも、ステマで誉め殺ししているブロガーが言うことと、忖度なしで辛酸コメントをしているレビュアーが言うこととのどちらを信用するか?で、情報収集元の選択をミスっています。
それらを修正して、もう一度だけチャレンジしてみます。
これでダメなら“サルトレカミエ”は個人的に『クソブランド』確定なので、一生買うことはないでしょう。
反省を踏まえてリトライするなら、訳あり品ではない正規物で縦方向に必要以上のテンションをかけないSR300EXしかありません。
本体価格が税込み10,450円する、ヨーロッパの老舗シューツリーブランドのエントリーモデルと同価格帯のツリーです。
それでは、早速買ってみましょう。
どんなモノを送ってくるか?ワクワクします。
黒歴史になった買い物
製品が送られてきたので、よく見てみると…
当たり障りがなく言えば、とても工業製品とは思えない手作り感満載の商品です。
工業高校の生徒が作った実習作品とでも表現した方が、分かりやすいでしょうか。
サイドスプリットとツリー本体のすき間の間隔は許容範囲内ですが、片方はサイドスプリットの角が欠けていました。
機能的には問題がないのでクレーム対象とまでは言いませんが、この仕上げでこの価格設定は高すぎです。
もう片方は、蝶番で留めているフロントとリアのパーツがグラグラするのでなにかと思えば、ビスが最後まで締められていません。
クレームがバーチ材ばかりでブナ材がなかったのは単に流通量の差で、上位版のブナ材は思ったほど売れていないのかもしれません。
こうなったら、逆に2千円くらいで買えるノーブランド品シューキーパーのクオリティがどの程度のものか?を見てみたくなります。
「正規品とB級品の違いは、見た目の問題」
と説明していたメーカーの言い分は、ある意味当たっています。
正規品のクオリティが、こちらが求めているよりもかなり低いだけで…
SR300EXは米国靴や国産靴向けという割りには、ウィズが細いイタ靴にも横方向のテンションがかかりすぎず、ネジ式なのでマッケイ靴にも縦方向に負担をかけません。
かけませんが、コブラヴァンプに入っている“サルトレカミエ”SR300EXを見ているだけで腹が立ってきます。
これで『訳あり品』なら納得できますが、1万円以上する『完品』なのでドーパミン放出は25%。
工業製品は部品点数が増えれば増えるほど、構造が複雑になればなるほどその製造技術は高いレベルを求められます。
“サルトレカミエ”がこれからも製造技術と検品体制が未熟な中国工場を使うのなら、もっと簡素化した製品に特化して4千円くらいに値下げするべきです。
それくらいの価値しかありません。
身の丈に合わない高級部材のブナなんか使わなくて、レッドシダーで十分だから。
“サルトレカミエ”のシューツリーも『宝くじ』の確率でアタリを引けば、それなりの個体を手に入れることができるのかもしれません(絶賛している人は、多分そういう個体を引いた強運の持ち主なのでしょう)。
ただ、現実として2つ買って2つともハズレだったのは、まぎれもない事実です。
2セット1万6千円出して使い物にならないシューツリーを買うくらいなら、1セット1万6千円の高級ツリーを買っとけばよかった。
安くなくても、銭を失うことがあるという…高い授業料でした。
そして、ボクは途方に暮れる
“エルメス”というフランスに拠点を置く皮革製品のラグジュアリーブランドは、誰でも聞いたことがあると思います。
価格設定が高いですよね?
有名なバーキンとか、最高級アリゲーター素材だと高級外車“メルセデス・ベンツ”のミドルレンジEクラスすら買える価格設定です。
車とバッグが同じ値段ですよ?
まあ、バーキンも素材によってピンキリですが、安くても100万円以上はします。
外車はムリでも、国産リッターカーなら余裕で買えます。
しかも、バーキンは金さえ出せば誰でも買えるシロモノでもありません。
『選ばれし者』しか、手にできないのです。
そんな天下の“エルメス”といえど、製造過程で規格外品は出ます。
不良率は他のブランドと比べて低いかもしれませんが、必ず出ます。
それでも、アウトレットモールに“エルメス”が出店しているのを見たことありますか?
ないでしょ?
一般的な企業はその規格外品を訳あり品として、割安な価格で提供しています。
コストもかかっているので、いくらかでも回収したいスケベ根性が顔を出します。
“エルメス”は、それをやらないわけです。
なぜか?
ブランド価値が下がるからです。
今回の一件で、“サルトレカミエ”のブランド価値は落ちるところまで落ちました。
“サルトレカミエ”のシューツリーは2つともフリマサイトで叩き売りたいのですが、購入者から品質保証を求められてもお応えできないので、悲しいことに『タンスの肥やし』が増えただけでした。