その愛を取り戻すために、選りすぐりのケミカル入れとく大人のおもちゃ箱
非世紀末救世主伝説
見るも無惨なすがたで再会したけれど、それでも離れていた時間を埋めるように溺愛していたロケットバッグですが、メディスンバッグという最強クラスのライバル登場により、その地位が揺らいできました。
乳液はおろか化粧水すらつかってない三十路のロケットに対して、スキンケアを怠らなかった推定10歳のメディスンですから、その差は歴然で勝負になりません。
『革鞄と畳は新しい方がいい』
って、日本のことわざでしたっけ?
生き別れでメンテナンスができずに、退廃的な風貌になってしまった感は否めず、そんなロケットバッグを『10歳余り若返り』させるべく奔走していく旅。
戦いが始まります。
沖縄で番頭から引き取ったロケットバッグは、
水ぶきをして“M.モゥブレイ”のデリケートクリームを何度か入れておりました。
ただね、10年くらい放ったらかしにしてたでしょ?
デリケートクリームをちょこっと浸透させたくらいじゃ、あまり変わらない…
もとからぶ厚くて硬いブライドルレザーの水分がぬけて、スルメみたいに「カッチカチ」なわけです。
そして、「パッサパサ」。
柔軟性のない乾燥しきった革ストラップで、このままバッグの開閉をつづけていると…ポッチとの摩擦で『切れ痔』になっちゃいますよ。
スキンとレザー
田舎住みにとって、レザーケミカルの入手方法はインターネット通販しかなく、利用するECモールによって毎月5と0のつく日や毎月11日と22日はゾロ目の日など、なにかしらの恩恵を受けるのに購入日のしばりがあるのです。
それでも、思い立ったからにはなんか塗りたい。
ユーチューブにあったのは、“コロニル”と“ニベア”をおなじ土俵に上げる『異種格闘技戦』。
ここで健闘していた“ニベア”なら、近所のドラッグストアにも売っている。
皮にいいものは革にもいいという『謎理論』にしたがって“ニベア”を塗りたくると…少しはしっとりして、2歳は若くなった気がするロケットバッグ。
“ニベア”にこれ以上を期待するのは酷なので、あとは“コロンブス”のレザークリスタルに任せることにしました。
(ゾロ目の日に購入)
動画のとおりにメンテナンスしたら、最初より15歳は若返った。
マチの形状からその名がついたロケットバッグですが、じつはここがウィークポイントでして…
新品のマチは「バシッ」とした垂直の壁でも、次第にたわんで変形してくるのです。
そんな、時間の経過とともに『ハズレ個体』が増える様は、抽せんのたびに地獄モードへと移行して『クソ台』ばかりになる初代 綱取物語とおなじで、
ロケットバッグを国内でほとんど買うことができなくなった現在、製造からずいぶん月日が経っていると思われる商品ばかり並んでいるフリマサイトは、まさにあのとき(平成5年)に見た『夕方以降のホール状態』。
それが、平均売価が低かった一因かもしれません。
※うちのロケットバッグは、なんとか断崖絶壁を保っているので、こうして磨く気にもなっているのです。
違いがわかる男
革のケア用品もそこそこ充実してきて、これまで入れていた段ボール箱じゃ収まりきれなくなってきたので、よさげな収納ボックスはないか?と検索するも、イマイチぱっとしない。
靴みがき職人ではないのだから、工具箱っぽいのは大げさだし…
かといって、『丁寧な暮らし』をネットでの生存戦略にしている、都内在住 30代会社員 ミニマリストが推しそうな、質素倹約を絵に描いたハコにするのも能がない。
考えに考えた結果、革好きならこれしかなかろう…とヤフオクで調達してきたのは、“ステファノ ベーメル”の靴箱。
しかも、ふたが青になる以前のやつです。
ふたのS字フックがないので、割安だったと思うシューズボックスのドーパミン放出は80.01%。
「中古の木箱に、8千円も払っているだけ」に映るかもしれませんが、これは革のマエストロ“ステファノ ベーメル”の高級靴を買わなければ手にすることができない、謂わば『ほかとは違う箱』。
マキシマリスト 吾唯足ルヲ知ラズ…
彼は『量産型とは違う男』と、
『わかる男』のゴールドブレンド。
ダバダ〜 ダバダ〜 ア〜♪