タバコの俗称でありながら葉たばこを一切使用していないこと、これ如何に
走る広告塔
去る10月1日にタバコが一斉に値上げされ、なんか…しれーっと毎年増税されています。
遠い記憶をさかのぼれば、リアルで知っている値段では“ハイライト”は150円だか170円だった気が…
“セブンスター”で、180円とか200円。
そのころの世界のタバコブランドはモータースポーツ界でスポンサーになることが多く、4輪の最高峰F1の中でもロータスの漆黒ボディに金ロゴ“JPS”と黄色一色に青文字“キャメル”、マクラーレンの赤白ツートンカラーが印象的な“マールボロ”…この3銘柄はカラーリングのセンスがズバ抜けて高く、遠くからでも認識できるその出で立ちは『神の領域』でした。
タバコのパッケージをそのままボディにしたような完成度は、他スポンサーとの兼ね合いでまとまりがない別のタバコ銘柄F1マシン達と比べて群を抜いていました。
『引き算の美学』です。
このF1マシンのカッコよさにあやかろうと、親がクリーニング屋を営んでいる友だち家の地味な配達用1ボックスカーのイメチェンを図りました。
フジテレビが、F1中継を始める前の年です。
町中のタバコ自販機側面に貼ってある“ラーク”のステッカーを片っぱしに剥がしては車体中に貼りまくり、仕上がった全身『ラーク仕様』のラッピングカーに…やかましく怒られた高3の夏。
自販機の設置場所提供者、自販機の所有者ならびにその自販機担当の方、◯◯君のお父さんお母さん、その節は大変ご迷惑をおかけしました。
深く反省しておりますm(_ _)m
2輪の市販車でも、ホンダ“NSR”の『ロスマンズ』、スズキ“RGV-Γ”の『ラッキー ストライク』(F1でも資金提供をしていたけど、カラーが被る『マールボロ』にイメージで勝てなかった)と、ワークスカラーが人気でした。
これだけ資金をばら蒔けるタバコ産業が、どれだけ儲かるんだという話ですが。
それが今では、タバコの広告は規制され1箱500円の世界ですか…
時代も変わりました。
禁煙日記
これまで生きてきた中で、2度ほど奈落の底に突き落とされたことがあります。
『大人の事情』で人生が詰みかけて、借金で首が回らなくなっていきました。
今でこそ部屋が服で溢れかえっていますが、その当時は返済もままならないのに服を買う金なんてものがあるはずもなく、それこそ見えないので穴のあいたTシャツやパンツ、靴下を履いていたのは日常茶飯事でした。
どうせ、プライベートで人と会う時間や交際費すらなかったし…
なにもオッサンが、他人が聞きたくもない苦労話をしたいのではありません。
そのような極貧生活のときですら、タバコを辞めようという発想自体がなかったという話です。
鉄板のニコチン依存性です。
白のパンツを穿こうと思って、うちの外置き型クローゼット『地蔵菩薩』に置いてあったジーンズを手に取ったときのことです。
重ねてあった白いパンツ5本が、すべてタバコのヤニでシミになっていたのですヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ
すぐさま漂白剤に浸け、洗濯して干すとプラスチックの物干しハンガーが濡れたパンツ5本の重みに耐えきれず、曲がってはならぬ方向に『さば折り状態』になって死にました…
これが白だから目立っただけで、他の服や部屋のものにもヤニが付いているのは確実で、部屋の中では『紙巻きタバコ』を吸わないことにしました。
タバコを吸いたくなるたびに、ベランダなどの屋外に出たり換気扇のある風呂場に行ったりして吸っていたのですが、数日前に買ってきた2箱の最後の1本を吸い終えたときに、ふと思ったのです。
このままコンビニへ行ってまたタバコを買ってくれば、これまでとなにも変わらぬ日常が待っている。
だからといって、常に体内に入っているのが当たり前のニコチン中毒を35年以上もやっていると、このままタバコを辞めても失敗する未来しか予想できません。
「気合いと根性」じゃ、禁煙なんかできないのです。
そもそも、喫煙者のまっくろになった肺を見せられて脅されても、それはしょせん他人の肺。
ようは、禁煙外来でニコチンを体内に取り込みながら理性的にフェードアウトするよりも、「ニコチンを吸収したい」と思わせない状況にまで追いこんで禁煙する方が手っ取り早い。
ニコチンは、3日で体内から抜けると聞きます。
この、第一段階の禁断症状がでる72時間をどうやり過ごすか?
能天気に「タバコが吸いたい」どころじゃない状況といえば…アセトアルデヒド中毒の『二日酔い』のときが最適だと考えたのです。
「アセトアルデヒドを以て、ニコチンを制す」
タバコが吸いたい→アルコールを大量摂取して爆睡→目覚めると気分がわるい→アセトアルデヒド分解のために睡眠→アルコールが抜ける→タバコが吸いたい…
この無限ループでニコチンを抜くのが確実です。
ただ…後から撤回するくせに、「もう、一生酒飲まないから堪忍して」と口から出るくらいに身体が危機的状況にないときは、口寂しさからタバコを吸いたくなるので、そこで喫煙の擬似体験ができる『電子タバコ』の出番となるのです。
パフといっても亀仙人ではない
VAPEと呼ばれる電子タバコの種類は『雨後の筍』の数ほどあり、個々の商品を絶賛しているブログやインスタグラムのほとんどはステマなわけです。
どうせハズレを掴まされるリスクが高いのなら、芸能人や有名人が広告塔になっていて、ヤフー知恵袋にも悪口が書いてあるような『怪しさ満載』の商品に乗っかった方が面白かろうと、こちらを選びました↓
本店所在地が那覇のレンタルオフィスでありながら、代表電話番号が東京03という謎の会社です。
発送は遅れると最初からアナウンスしていたように、商品が到着したのは約1ヶ月後のことでした。
箱を開けると…
只今キャンペーンで、スターターキットの9,980円が8,000円引きの1,980円という体になっていますが…下手すると、100均にも売っていそうな本体に高級感はまったくなく、割引価格が適正価格です。
そして、本体下部に入っている『DR』のロゴが、さらにチープさに拍車をかけています。
“ドクター スティック”はPOD型の製品なので、リキッドがなくなればポッドを交換するだけの手軽さで、なにかを吸っているキック感もあります。
充電は本体先端にダイレクトでUSBケーブルを繋げばよく(type-Cじゃなくてtype-Bなのは残念だけど)、充電中も使うことができて煩わしさもありません。
これまで、紙巻きタバコを吸っている貴方。
仕事の合間のわずかな休憩時間にタバコを吸いだめしとこうと、今しがた火を消したばかりなのに続けざまに2本目のタバコに火をつけたことはありませんか?
でも、ニコチンを体内に入れすぎて「もう、無理」状態になるでしょ?
つまり、1本目のときほど吸えない。
この類いの商品は、「何パフできる」ので紙巻きタバコに比べてコスパがいい…なんて話をどの電子タバコのプロモーションにも書いてあります。
ですが!
ニコチンが入っていないのでパフパフに限界はなく、永遠に吸い続けることができるので思っているよりもコスパはよくないです。
ガジェットにチープ感はただよっているとはいえ使い勝手はよかったのですが、計算すると1日1ポッド消費と1日当たりのコストは500円以上の紙巻きタバコよりも割高になったので、ドーパミン放出は68%。