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ノーザンプトンの風は感じられないので、トーキョーの風を感じる革靴を
靴をたずねて三千里
スイス製の高級腕時計と同じで、欧米のドレッシーな本格革靴も昔と比べて割高になりました。
初めは、「グッドイヤーの“リーガル”履いとけば問題ないでしょ?」と思っていた『世間知らず』が沼に沈み始めた20数年前は、英国靴の“クロッケット&ジョーンズ”で6~7万円、米国靴“オールデン”は高級素材のコードバン(馬の臀部革)でも10万円はしませんでした。
世界規模でビジネスをやっている企業の輸入製品が昔よりも高く感じるのは、日本がデフレ経済に陥って世界各国に置いていかれた結果です。
飲食チェーン店での昼食が、アプリのクーポン券を使って「ワンコインでラッキー!」だとか…いつまでも目先のことに喜んでいる場合ではないのです。
自分たちで自分たちの首を絞めていることに、日本国民は早く気づいた方がいい。
日本人のみんな大好きiPhoneのハイエンド機が、そのうち平均的日本人には手が届かない高嶺の花になりますよ。
と、いうことで…
以前なら英国靴を普段使いで使っていましたが、今では『ココ1番』でしか履けません。
欲しいのは、黒の外羽根式プレーントゥ。
アイレット(紐穴)の数は問いませんが、レザーソールでグッドイヤーウェルト製法が条件。
気がねなく使える価格帯なら国産靴で、ジーンズやチノパンにも合わせやすいノーズがポテッとした、サービスシューズ(US NAVY軍靴)っぽい靴が希望です。
沼の住人が多いこのカテゴリーは、突き詰め始めると“オールデン”のモディファイドラストがどーとか…一般人からドン引きされるポジショントークになってしまうので、そんなものをはしょって“パドローネ”ダービープレーントゥのジャックで。
¥30,800-です。
どうです?
ブサイクでしょ?
マッケイ製法とかイタ靴だけでお腹いっぱいになりますが、1~2回ならソール交換ができるので…まあ、目をつぶりましょう。
“パドローネ”の値引きはほとんど見ないのに(ZOZOで10%引きがあるくらい)、とあるセレクトショップの裏セールで半額になるという情報を小耳に挟んだので、潜入してきました。
セール前から会場に入れたので下見に行ったのですが、お目当ての靴は売れ筋なので陳列されていませんでした。
とはいえ、せっかく来た半額セールなので土産にキャメルのサイドジップショートブーツを買ってきました。
こういうことをするから、部屋がモノで溢れる…
買い物レビュー
“パドローネ”を作っているミウラは、東京の下町で“コム・デ・ギャルソン”の靴をOEM生産していた会社です。
“ジョン・ロブ”製“エルメス”の靴みたいなものです。
値段が値段なので20~30代の若者だと思いますが、“パドローネ”に関するブログに高評価が多いので期待が高まりますが、いかがなものか?いざ足入れ。
結論から言うと…これまで散々革靴を履いてきましたが、こんなに履きにくい靴を履いたことがありません。
革靴の硬い履き口は縦の楕円形なのに横に楕円形の足の甲を挿入しないといけないので、穴を「ガバッ」と広げないと奥まで入りきれません。
変なことを想像してしまいましたが…
チャッカーブーツのように、紐を緩めて履き口を横に広げられないジップアップブーツやサイドゴアブーツが履きにくいのは重々承知していますが、ショートブーツということでなんとかなるだろう…とナメてました。
サイドジッパーが内側の斜めに走っているデザインなのでジッパーを下げたときの履き口の開き方も変形で、オマケに靴先がやや内側にカーブしていて足が入らずに思わず笑ってしまいます。
なんとかネジのように足をひねりながら滑り込ませてみたものの、今度は足首周りがパンパンでジッパーが上まであがりません。
短靴なら関係ないですが…
“パドローネ”はサイズ展開が1cm刻みなので、つま先の捨て寸を考えたらこのサイズがベストのはずです。
服は多少大きくてもなんとかなりますが、靴はなんともなりません。
特に、革靴はシビアです。
履いているうちにインソールは体重で沈みアッパーの革も伸びて甲周りが広がるので、新品の試し履きでジャストに合わせると後から中敷きを入れるハメになります(サイズは伸びません)。
ちなみに、足が1番むくんでいる夕方に靴を買いに行くのが良いといわれていますが、諸説あってことの真偽は分かりません。
何度か脱ぎ履きしながら硬かった革をなじませたらなんとか履けるようになったので、最終兵器のストレッチャーやストレッチスプレーの出番はありませんでした。
それでも、この靴を履いて小上がりがある店に行くのに憂うつになるレベルです。
足をねじるイメージで履いていくという…実に変わった靴でした。
ソールの反りがいいのが特徴のマッケイなのにソールが反らないのはアウトソールが厚くて硬いからだと思うので、履き続ければ柔らかくなるでしょう。
半額の¥16,500-だったので文句はありませんけど、定価の¥33,000-なら…
そういうことで、ドーパミン放出は69%。
外羽根=ダービー/内羽根=オックスフォード
これで買い物レビューは終わりましたが、尺が余っているので革靴の話を少々。
カジュアルに使い勝手がいい革靴ということで“パドローネ”のダービーシューズに照準を合わせましたが、パンツがスラックスなら…ロングノーズ気味でシュッとしている、ドレスシューズの“スコッチグレイン”内羽根式ストレートチップがイチオシです。
安定供給している名の知れた国産のグッドイヤー本格靴が、シューキーパーも付いて(プラスチック製ですが…)3万円台半ばで買えるとか狂ってます。
セメント製法の合皮靴を1万弱も出して、買う理由が分かりません。
田畑を耕した農耕民族タイプの日本人は、獲物を追いかけた狩猟民族タイプの欧米人と違って足が幅広の人が多いので、ウィズEのベルオム 758BLを履いて足が痛いならウィズEEEのアシュランス 3526BLにすればいいだけです。
当然ウィズが細いベルオムの方が、シルエットはシャープです。
オフ時にあえて黒のオックスフォードシューズをもってくる芸当は、小僧では役不足なのでオッサンの見せ場になります。
尺を埋めたところで、大事なことを思い出しました(;´゚д゚)ゞ
梅雨入りしているのに、マッケイの靴を買っていたことを…
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