ラバーソールのスエードブーツでも、無粋にならないところがここん家のウリ
WHから〜のパラブーツ
ファッションに興味のある一定数から支持されている革靴ブランド、フランスの“パラブーツ”。
イギリスの“トリッカーズ”、アメリカの“オールデン”とともに、世界3大靴ブランドと称されているとかいないとか。
なんか知らんけど、フランス製と聞くだけで『オシャンティ』な香りがただよってくる気がするのです。
関西人だと聞くと、「なんか、おもしろいこと話して」と無茶振りをするのとおなじく、ステレオタイプな発想だとは分かっちゃいるけど…
先入観です。
イメージでハードルを上げられた“パラブーツ”ですが、登山靴を作っていたりするのでノルウィージャン製法を採用(すべての靴じゃないけれど)していたり、天然ラテックスから自前でラバーソールを製造していたりするなど、職人気質を感じるブランドなのは確かなようです。
“パラブーツ”は、チロリアンミカエルとUチップシャンボードが人気の双璧をなしていて、さまざまな人が『べた褒め』の情報発信をしています。
次点で、ダブルモンクウィリアムやローファーランスなど。
ただ、“パラブーツ”の得意としている「ぼてっ」としたトゥを、苦手にしています。
ウィリアムはそこまで丸っこくありませんが、それよりも細身で「シュッ」としている、ラストちがいのポーというダブルモンクの兄弟靴がいまして…ウィリアムが横基調の“日産”グロリアならポーは縦基調のセドリックくらいの差(分かる人にしか分からないたとえ)があります。
おなじく精悍な顔つきでラバーソールのダブルモンク、泣く子も黙る天下の“ジョン・ロブ”ウィリアム92や98が20万円付近をうろうろしていることを考えれば、ポーの7万円台はリーズナブルにさえ感じられます。
ポーだけでなく、現在“パラブーツ”の靴は7万円台が定価になっているものが多く、これが1度人の手にわたった2次流通品になると、新古で4万円台中盤のラインが相場となります。
それくらいの価格なら消極的に『買い』ですが、ポーは“パラブーツ”の人気モデルに比べると流通量は多くないので、残念ながら中古市場にあまり顔を出しません。
ポー、リターン!!
パラブーツ祭り開催
ヤフオクで、この靴専門の出品者をマークしていたのは、ほかの靴を狙っていたからでした。
それがある日、いきなり“パラブーツ”が大量に放出されます。
基本的には超メジャーどころのモデルはエントリーしておらず、それでもアッパーにファーをまとったゴージャスな2大巨頭の大天使が降臨していました。
いま思えば転売目的で買えばよかったのですが、そんなことを考えつく間もなく目がくぎ付けになったのは、スエードのサイドゴアブーツシャンフォート。
定価は7万円台中盤なのに、3万円もしない半値以下の捨て値で出品されていました。
ノーズがそこそこシャープなラウンドトゥで、“パラブーツ”にお決まりのブランドタグもサイドゴアブーツには特有のプルストラップとして付いているので、ジャマくさくはありません。
なによりも、フォーマルシーンで着用されていたサイドゴアブーツをワンマイルのキレカジに登用するなら、スムースレザーじゃなくスエードでしょ♪
唯一の難点は、色が金茶(コニャック)とよばれるライトブラウンなこと。
黒(ノワール)だったら、完ぺきだったのに。
濃淡の差こそあれ、茶系でスエードでラバーソールのサイドゴアブーツは、“ボエモス”のアッガイたんを持っているわけでして…
それにこの色は浮きやすく、黒とくらべるとコーディネートがしにくいのです。
いっそのことシューリペアショップに持ちこんで、1万円そこらで黒に染めてもらうか?
そうこうしているうちに、他の参加者から落とされてしまいました…
こういったことはザラにあるので「縁がなかった」と割り切った翌日、ノワールがコニャックと同じ即決価格で出品された通知がきました( ゚д゚)ハッ
昨日の今日の話だし、夢を見ているだけかもしれん。
一旦落ち着こうとスマホの画面を閉じ、もう一度開くと…夢ではないΣ(゚∀゚ノ)ノキャー
そのモノにもよりますが、数万円以上に即決価格が設定してあるオークションの開始直後に、瞬殺してくるやる気まんまんの参加者は極めて少なく、とりあえずはウォッチリストに登録して値下げ待ちの様子見がほとんどなので、そんなときはヤフオクからクーポンをもらって安く買えるタイミングで落札しますが、今回はそんな悠長なことをいってられない。
5分後には、落としてました。
『運命の出会い』に、ドーパミン放出は110%。
とまあ『泥の分際』で、やれ「“WH”はどう」とか「“パラブーツ”はどう」とか、これまで見向きもしなかったゴム底靴に対して、あーだこーだと講釈をたれてきましたが…
生まれて初めて履いた革靴は、ロカビリーが流行った中学生のときに買った、“クリームソーダ”白黒コンビのラバーソールでした。
ここしばらくダッドスニーカーがブームになっていたからか?スニーカーの底がボリューミーなら革靴の底もボリューミーという感じで、イギリスの“ジョージコックス”を始めとする、『やりすぎた厚底感』が持ち味のクレープソール靴が、若者を中心にリバイバル中でして…
現にパンクスでもロッカーでもない女子大生が、フツーのワンピース姿に“ドクターマーチン”を履いていたりするのを街中で目にします。
このように、若年層は歴史的背景とか関係なく履きこなしますが、30代以降の一般人はもちろんのことイクラちゃん(井倉 光一氏)などの『ガキの頃からブラック キャッツ』風な大御所でさえ、中高年がこの手の靴を素で履くとなると…なかなか痛々しいものがあります。
持続可能な製法というだけでは、『一生モノ』の相棒にはなれないのです。