まるでワークマンと化してしまったクローゼットが、ユニクロ仕様に様変わり
手軽さの弊害
住んでいるところが東海の片田舎なので、イマドキのアパレル関連商品を売っている店舗が近所にありません。
お目当てのものが決まっていないのに、わざわざ電車で1時間かけて名古屋へ出掛けても運命の出会いがあるともかぎらず、そんなに欲しくもないモノを買ってくるのが関の山です。
現物をその目で見れないデメリットはありますが、自分サイズとブランド独自のサイズ感さえ理解しておけば(ココが分かっていない人が多いけど)こんなにラクなことはなく、店舗までの移動時間をとられることもありません。
ポチるだけの手軽さから、気がつけば一般人なのにネット通販で年間100万円くらい消費しています。
別に…自慢したいわけでもなんでもないのです。
部屋に備え付けのクローゼットはとっくの昔にパンパンになり、他にパンツが30本くらい入る収納ボックス2つにも入りきれなくなって、部屋には溢れた服が『ワゴンセール』状態で…もうお手上げです。
これまでは、「一つ積んでは父のため、二つ積んでは母のため…」と、服を畳んでは上に積み上げる『賽の河原』方式しか手段がありませんでした。
下のものを取ろうとすると、せっかく築き上げた服の山が鬼に蹴とばされるが如く崩れ落ちるので、結局は山の上にあるものばかりを着るハメになります。
服をたくさん持っていても意味がない。
そのうえ開けても置き場がないので、何を買ったのか?すら覚えていない未開封のダンボールが、そこらじゅうで『バベルの塔』になっています。
玄関を開けると、ドンキホーテに来たのか?と錯覚してしまうのです。
スペースの有効活用
YouTubeで古着屋の動画を観ていたら、ショップ什器で使っていた“無印良品”のパイン材ユニットシェルフが良さげで、公式HPを覗いてみると「今、買え!」とばかりにセール中。
「一緒に購入されている商品」という『クロスセル』で、別に棚板も買わされました…
奥行きが50cmだったのが購入の決め手になったのですが、その原因は部屋で幅を利かせている26インチの“グローブ・トロッター”センテナリーです。
トロリーケースの“ゼロハリバートン”や“リモワ”なら引いて様になりますが、“グローブ・トロッター”は『寅さん』みたいに持つのが絵になるという変なコダワリがあります。
普通の26インチまでの“グローブ・トロッター”には引き手のステーが外付けで付いていて…そんな美観を損なったカバンには興ざめしてしまいます。
かといって、ステーが付いてないエクストラディープと呼ばれる28インチ以上のカバンを日本人の標準体型が持ち歩くのは至難の業です。
今でこそサファリ18インチ エアキャビンケースがありますが、当時は無粋なステーもキャスターも付いていないのは、機内に手荷物で持ち込めないサイズのサファリ26インチのスーツケースしかありませんでした。
手で持つには、絶妙なサイズ感のそこそこデカい箱です。
それでも冷静になって考えてみると、持つには絶妙でも非日常の旅行にしか使わないそこそこデカいカバンの占有スペースは、日常生活ではジャマ以外のなにものでもありません。
ワードローブの天板に“グローブ・トロッター”の26インチを置こうとしたら、それなりに家具が大きくないと安定して置けなかったのです。
知人のスタイリストから聞いた話ですが、20インチ以上の“グローブ・トロッター”に付いているレザーストラップ。
“グローブ・トロッター”誕生の19世紀も終わりの頃は、船旅での乗客の荷物は船員が甲板を滑らせて移動させていたので、“グローブ・トロッター”には元来その抵抗になるストラップは付いていなかったそうです。
創業時からあるオリジナルラインには、そのような理由からどのサイズにもストラップが付いていません。
服好きならハンガーにもこだわれ
クローゼットを拡張すると、ハンガーも足らない…
木製ハンガーは、新品中古問わず1本100円~が相場です。
クリーニング屋の針金ハンガーは問題外ですが、これらの木製ハンガーも肩厚が1~2cmと薄いのはシャツ専用で、ジャケットやニットを掛けると型くずれを起こします。
ハンガーも上を見るとキリがなく、最上級の“中田工芸”NH-2は1本3万円もする高級品。
紳士服量販店のエントリースーツより高い!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚
東証一部上場企業の重役室にしか置いていないような高級ハンガーに一般庶民は縁がないし、そんなハンガーと釣り合う“ゼニア”や“ロロ・ピアーナ”生地の高級スーツも持っていない。
木製ハンガーも1本3千円台になればいい物があるのですが、10本で3~4万円か…
そんな中で木製ブラインドの専門店が作っていた、その会社曰く他社では3.5千円の値づけをしていると言い張る、肩厚が4.5cmの国産品に落ち着きました。
アウトレット品にしたので、1本千円足らず。
今や中華のディスカウントショップ的な立ち位置のAmazonに行けば、1本400円ほどでソックリなデザインのものが売っていましたが…
茶の方が見た目の高級感がありますが、在庫切れのために黒しかありませんでした。
これはこれで、センテナリーの黒サファリと同一性があっていいのかも?
届いたユニットシェルフを組み立てようと取説を見てみると、組み立てスペースを確保して2人以上で作業しろと。
足の踏み場もない部屋に1人きりなのに…
そう思いながらベッドの上でやってみると、軽くてスカスカなので1人作業で難なくやれました。
服の入れ替え作業をやっていると、持っている服の多いこと多いこと。
我ながら、あきれます。
とりあえずは『ワゴンセール』と『バベルの塔』は消え去り、これで快適な「ステイホーム」が送れそうです。
副産物で、家に帰ってきたときに玄関を開けると木のいい香りがします。
追加で買わされた棚板を置くと、ハンガーに掛けた服と干渉して使い物にならなかったのでドーパミン放出は70%。
木製ハンガーの方はアウトレット品なので打撲痕はあるものの、まったく気にならない性格と裏ワザを駆使して事実上0円で手に入れたので100%。
畳んだ服の山を鬼から守ってくれる“無印良品”ユニットシェルフを『地蔵菩薩』と名づけました。
noteを書いている中の人はファッショニスタではありません。レビュアーでもありません。 あえてたとえるなら「かろうじて美意識のあるオッサン」といったところです。 自分が買いたいものを買っています。 サポートしなくていいです。 やっていることを遠くから見守っていてください🐰