素材でハズすなら、デザインと色は基本に準じないとそのセンスを疑われる
シリコンベルト編
以前は高級腕時計のベルト素材といえば革と金属ばかりで、今のように樹脂系の素材は使われてきませんでした。
チプカシみたいなケースまでウレタンのカバーで覆われた、ディスカウントショップで売られている『吊るしの時計』専用素材です。
③シリコンベルト
知っているかぎり、高級腕時計ブランドで最初に樹脂ベルトを付けたのは“ウブロ”です。
黒の文字盤に黒のフラットなラバーベルトをビス留めしている発想が斬新で、腕時計沼に沈むきっかけとなった時計でした。
当時のモデルは、ケースもステンレス製でムーブメントはクォーツ式でした(ケース径もまだ小さかったと思う)。
電池で動くステンケースの腕時計にゴムベルトを付けて30万円くらいで売っていたので、今考えると高い時計ですよ。
自動巻きの“ロレックス”エクスプローラが、30万円台だった時代です。
今では、“オフィチーネ・パネライ”や“ブライトリング”、“ハミルトン”などで純正ラバーベルトがありますが、各社ともベルト表面にブランド名をゴテゴテと彫刻しています。
ケース幅が40mmオーバーの『デカ厚時計』なら、モノによってはこういうラバーベルトもアリだとは思いますが…
潮マスの顔つきは“ウブロ”と同系列なので、“ウブロ”の真似をすれば“ウブロ”と同じような雰囲気になるはずです。
つまり、表面がプレーンの「つるっ」としたベルトを付ければいいということですが…
毎度おなじみのAmazonに、千数百円でウブロ然としたラバーベルトは売っています。
“バンビ”製品のシリコンラバーベルトに同じようなものがあるのか?さっそく探してみましょう。
独創的なデザインはいらない
“ウブロ”はさておき、ラバーベルトはダイバーズの防水時計に合わせるのが一般的で、方向性が違う潮マスにはハードルが高い組み合わせです。
“バンビ”製のシリコンベルトは安価なものは千円台からと種類が豊富にありますが、いかんせんチープな素材なのでデザインと色を外すと終わります。
BAMBI CASUALと銘打っているくらいだから“バンビ”のシリコンベルトはシリーズを通してカジュアルで、デザインの多くはポップなデジタルウォッチに合うものになっています。
ベルト表面がフラットのミニマムなモデルはなく、潮マスに使えそうなデザインとなると…縦にラインが入っているBG007しかありません。
そのBG007と同じデザインで、尾錠がシルバーではなく黒いBG008にしてみます。
“バンビ”が売っている金や黒のカラバリのある別売りのバックルは、基本のシルバーに比べて価格設定がいくらか高いので、同価格で唯一黒いピンバックル設定があるBG008はその分得をした気分になります。
BG008のようにベルトの両サイドにラインが入っているデザインは、昨今のラバーベルトの主流です。
この手のベルトは、高級腕時計の純正品でも剣先が「ポテッ」としたどんくさいデザインが多いのですが、BG008の剣先はシャープなシルエットに仕上がっています。
ただ悲しいことに、特徴的なデザインの游革がおもいっきりオモチャっぽくて…これが致命傷になっています。
しかも剣先を通すときに、游革に空いた穴に剣先が引っ掛かってスムーズに締められないオマケつき。
己で課した『バンビ縛り』がなければ、“モレラート”のマリナーにしたいところです。
ダサい游革にガッカリしている背中を押したのは、またしてもヤフーショッピングでした。
サイト内のショップが割り引きをしているBG008に、ヤフーが更に割引券を進呈してきたので半値程度の2千円もしません。
これまでは楽天市場とヤフオクをメインに使っていましたが、物によってはヤフーショッピングも視野に入れた方がいいかもしれません。
サイト内で最安値を比べてみると楽天市場よりもヤフーショッピングが安いことも多く、サイト手数料の違いが影響しているのでしょうか?
「〇〇円以上で使用可」というクーポン使用の条件も、ヤフーショッピングの方がハードルが低いことも多々あります。
『楽天ROOM』をやっているのに、ヤフーショッピングよりも高い商品はオススメできないのでどうしましょう…
想像したよりも潮マスへの据わりもよく、ウレタンベルト自体には特にケチをつけるところはありませんが、游革のデザインが尾を引いてドーパミン放出は63%。
ベルト厚に合わせて分厚いピンバックルの「カチッ」とした質感も申し分なく、ブラックIPのマットな感じの色具合もいいだけに残念。
幅が18mmのウレタンベルトループが数百円で売っているので、そのうち游革を移植してみます。
次回は、最終回のナイロンベルト編です。