メカメカしいハイテク素材が男心をくすぐる、ゲルマン印の車高短ボールペン
ミリタリー系ウェアの意匠
ファッションアイテムの中で、元は軍用の官給品だったものも多く、それが民間に払い下げられて古着屋の店頭に並ぶことに。
そんな、サープラス品のミリタリーアイテムで全身を覆うと、ガチで『サバゲー』をするためのコスプレにしか見えないので、アメカジと組み合わせるのはもちろんのこと、キレカジのハズしアイテムとして使うのがいい塩梅のわけでして…
今からさかのぼること60余年前、イギリスの若者の間で『モッズカルチャー』が誕生し、着ている細身のスーツを汚れから守るために、米軍放出品のM-51パーカシェルを上から羽織ることが定番化します。
それから30年後、『踊る大捜査線』の青島刑事が同じモッズファッションで、レインボーブリッジに現れるのでした。
松本 晃彦【リズム アンド ポリス】
別名『フィッシュテールパーカ』の特徴は、燕尾服のように裾の後ろが二手に分かれていて、裾に縫い込まれたドローコードで太ももを縛ることができる防寒着です。
フィッシュテールの原型M-48、『モッズコート』と呼ばれたM-51、アップデートされた後継のM-65と、フィールドパーカには数種類あります。
これは極寒用野戦パーカですので、前身頃の胸に2つ腰に2つの収納ポケットを配した、野戦コートのフィールドジャケットをインナーに着ることになります。
名作のM-43、M-51を経て、最終的に襟がスタンドカラーに変更された代表作M-65に繋がります。
軍モノでよく見る「M-◯◯」というのは、米軍にかぎらず「モデルのM+数字(西暦の下2桁)」を表していて、それは軍に採用された年度が分かるだけの話なので、それだけではパーカなのか?ジャケットなのか?はたまた軍パンなのか?は分からない。
ここら辺で、頭が混乱するのです。
1986年にアメリカ海軍が舞台のハリウッド映画、『トップガン』が大ヒットしました。
ケニー・ロギンス【デンジャー・ゾーン】
主人公のピート・ミッチェルが、究極のフライトジャケットであるMA-1を着ていなかったのにもかかわらず、なぜだか流行してしまいます。
間接的に『トップガンご利益』があったのはなにもMA-1だけでなく、その映画タイトルにあやかったマヤノトップガン号も、この数年後に年度代表馬まで上り詰めました。
そのマヤノトップガンが、クラシック最後の一冠菊花賞を獲る前年の1994年、フランス映画『レオン』の劇中で、12歳のヒロインマチルダがMA-1をオーバーサイズで着ていたことから、女性を中心にMA-1が再ブレイク。
スティング【シェイプ オブ マイ ハート】
そして、2021年。
『トップガン』の続編『トップガン マーベリック』で、マーベリックが着ているCWU-36Pは流行るか?
デンジャー・ゾーンの新バージョンとも言われていますが…
映画と音楽とファッションは、密接な関係があります。
左袖上腕部にあるユーティリティポケットはもっとも特徴的なディテールで、MA-1をサンプリングした各ブランドのブルゾンにも必ず付いています。
あれって、タウンユースでも使うのでしょうか?
別名シガレットポケットやペンホルダーとも呼ばれている謎のポケットは、コンパクトで使いづらく飾りだけの『無用の長物』だと思うのです。
『ショッポ』のようなタバコならともかく、ペンも短くなければ収まりが悪い。
手乗りサイズのあのペンでなければ…
機能が形態を決める
家の近所に、年配の店主がやっている『たち』の鮨屋があります。
海沿いの田舎町にあるフツーの鮨屋なので、5千円もあれば旨い日本酒を飲んで海の幸を堪能できる、リーズナブルな店です。
この店の常連さんに、“ポルシェ”パナメーラに乗っている人がいます。
店の前に停まっているのをよく見ます。
サルーンのパナメーラやSUVのカイエンは4ドアなので、“ポルシェ”のイメージとしてはどうなんだろう?と思うもその顔つきは、どう見てもスポーツカーの“ポルシェ”そのものだという…不思議な車です。
“ポルシェ”の頂点に立つモデルといえば、言わずと知れた911。
なにがスゴいって、1964年の初代901型から現行922型まで少しずつモディファイしていながらも、一貫しているデザインの普遍性。
“ロレックス”と同じく、時を超越してます(; Д)゚ ゚
この名車911のデザインにも携わった、3世代目のフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ博士が、1972年に設立した“ポルシェデザイン”という、主にメンズファッションに関連するアイテムを展開しているブランドがあります。
知ったのは、30年ほど前に“IWC”とコラボしてPORSCHE DESIGN by IWC名義の腕時計を作っていたから。
たしか、オーシャン2000だったか。
“ロレックス”でも、当時最深のシードゥエラーが1,220m防水の時代に。
“IWC”の本拠地は、時計大国スイスの中でもドイツ語圏のシャフハウゼンなので、質実剛健なお互いの社風が合ったのかもしれません。
オトナの文房具
狙っている“ポルシェデザイン”のペンが生産終了モデルで、市場へ出回っている分だけしかタマがないので、ネットショップでポチったのにキャンセルされてしまいました。
キャップ/グリップは鏡面のメタルクローム、P3140シェイクペンの後期カーボン軸です。
“ポルシェデザイン”のデザインはプロダクトがなんであっても、ドイツだけあってモノトーンの『バウハウス』っぽい。
そして、“ポルシェデザイン”のボールペンに似てるんですよ…“パイロット”のこれ(BOP-20F-CB)が。
P3140とオプトの標準的な小売価格の差、およそ100倍。
オプトはボールペンもシャープペンも持っていて、100均のものに比べたらそりゃ上等ですが、プラスチックはプラスチック。
軸はカーボン風だけれど、プラスチック製なのがバレバレ。
P3140の未使用品がメルカリで、定価の半値近くで出品されてました。
軸がラバー製の前期ペンはもう少し安く出品されていましたが、ゴムは劣化するとベタベタする可能性があるのでどうでしょう?
生産は、“ファーバーカステル”か?“ペリカン”が請け負っているみたいなので、インクは互換性のあるリフィルがあると思います。
全長は、10cmほどしかないのにずっしりと重くて高級感があり、本体を振ってペン先を出し入れする仕様も絵になるP3140は、メルカリでdポイントが使えて手出しが0円だったのも鑑みて、ドーパミン放出98%。
中学生じゃあるまいし、いい歳こいたらそれなりの筆記具を持つべきだと悟りました。
なんなら、勢いで前期モデルも買っちゃいたい気分ですが、今からの季節に着られるユーティリティポケットが付いた半袖のトップスを持っていないので、買ったところで出番は秋以降になるのでした。