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22/7 12thシングル「後でわかること」について考察していこう

タイトルが発表され、サビの音源が番組で初解禁され、そして4/19(金)にMVでフルで曲も解禁されました。
いやあマジで最高の曲!!!
曲も歌詞もMVも本当にたまらない!!!
ナナニジの楽曲は常に立ち止まらず挑戦し続けているように感じますし、常に「この曲でこそナナニジを!」という本気で勝負しに行っているのも好感を持ちます。
曲・歌詞・MV・フォーメーション・衣装の観点からそれぞれ考察意欲が搔き立てられて、それぞれ書いていこうと思います。

1.曲について

まず大前提としてお断りしたいのは、私自身は音楽知識がとても低いです(汗)なので中には的外れ、超ド素人意見な点も多々あるかと思いますが、ご了承いただければ幸いです。m(_ _)m
まず個人的にピアノのイントロに心を掴まれました!儚くも美しく鮮やかなメロディーに心を奪われました。
そしてこの曲の独自性とも言うべき点は、やはりサビ手前で曲を逆再生するという演出!
おそらくは歌詞に込められている「後戻りできない」や「あの頃の思い出を馳せる」という意味合いなんじゃないかと私は考察しています。
サビはアップテンポで爽やかな曲調ですが、歌詞は切ないという点では秋元康氏の十八番ともいえる手法(笑)
例としてAKB48チームBの「そばかすのキス」もこれに該当しますね。
全体的に爽やかでありながらテンポも良く、ナナニジを知らない人にもとてもウケの良い曲だと思いますし、私自身大好きな曲です!!!

2.歌詞について

Aメロの出だしから惹きつけられるといいますか、「渋谷の街は恋人たちの水槽」という文章によっていきなり考察欲が高まりました(笑)
文章の構造としては「渋谷の街」(主語)+「恋人たちの」(修飾語)+「水槽」(述語)という単純なものですが、その短い文章の中で独特な暗喩が展開されているのがたまらないですし、これこそ秋元康節といいますか(笑)
渋谷の街を水槽に例えている時点で「どういうことだ?」となり、さらにそこに「恋人たちの」が修飾されることで、恋愛ソングだと示されました。
さて、渋谷の街=水槽という比喩が何を意味するのか、次の歌詞で見えてきました。

”何を語るのか 寄り添った魚
 話し合っても解決できないよ”

私なりの解釈ですが、恋人たちを魚に例えて、魚は言葉を話せない。話し合うことができない。つまり恋人たち同士でも話し合って解決できないことがあることを示唆しているのでは?と思いました。
さらに続く歌詞では「僕」の心情が描写されています。

”感情なんて 勝手なものさ
 あの頃の僕たちを見てるような気がして来る
 すれ違うカップルよ 今握ってるその手を離すな”

ここの部分は「僕」の心理描写でありつつ、他者への戒めと自身の後悔が表裏一体で現れており、良い感じのきもさが現れていると思います(笑)
自分の苦い経験を見知らぬカップルたちに「手を握っていられる幸せを当たり前におもうじゃねえぞ」という半ば説教じみています(笑)
そしてサビへ

"どんなに好きだったか 後でわかるんだ
 大切なものはいつだって目の前にある
 それに気づかぬ愚かさ
 それが若さなんだろう
 どこで間違えたのか 後でわかること
 見えなかったのは 見なかったからなんだ
 心の水族館を
 一人歩くSaturday"

秋元康氏の歌詞では王道の手法ですが、情景描写→心理描写という移り変わりを今回の歌詞でも使用されています。そしてサビではド直球の想いを描くというのも秋元康氏の王道です。
「あんなに好きだったことを今更になって気づいた。なんて自分は愚かなんだ」この想いをストレートに綴られています。
さらにこの歌詞の見事だと思う点としては「心の水族館を一人歩くSaturday」という部分です。出だしで渋谷の街=水槽と比喩していたので、ここで「僕」は土曜日に渋谷を一人で歩いて、過去の楽しかった思い出を回想していることが一気に読み取れます。
渋谷の街=水槽
から今度は
水族館=渋谷
とイコールの順番を逆に読ませるのは絶妙な巧さだと思います。

2番目の歌詞もまたさすがだと思います。

”横断中の交差点の海流
 逆に泳ぐのは言い合った結果
 ほんの些細な温度差と思って
 引き留(と)めなかった僕のせいさ"

人の行き交う様を海流に例えています。話は少し脱線しますが、秋元康氏は水を恋愛ソングの比喩として使用することが多く、これも彼の特技なのでしょう。例としてAKB48チームKの「回遊魚のキャパシティ」AKB48チームAの「月と水鏡」があります。その他枚挙にいとまがありません。
「逆に泳ぐ」という言葉で、魚同士が別方向に、つまり恋人たちの考え方・価値観が合わなくなったことを上手く表現されていると思います。
そこから続く歌詞で過去の恋人とのすれ違いを描写されています。
そして2番目の歌詞もまたガッツリ心情描写です。

”君以外いないって 今になってわかる
 僕が永遠に愛し続けられる人よ
  風は前から知ってたのか
  教えて欲しかった"

「君以外いないって今になってわかる」とか「永遠に愛し続けられる人」とか、もうこの誇張した恋愛表現が未練たらたらな男っぽくてたまりません(笑)
文面だけ読むと主観性が強くなかなかキモい()ですが、曲とのマッチが半端なく、流麗な歌詞になってしまうからすごいです。
2サビと大サビの間の歌詞もまた絶妙です。

”いつもここで曲がって
 駅まで近道したけど
 ゆっくり歩いてたって
 思い出だけは変わらない"

情景を上手く取り入れた回想ですが、「ゆっくり歩いてたって思い出だけは変わらない」でまた未練を含ませているのが、良い感じにみみっちく悔いを残している男らしいなあ、と(笑)
まあ、こんな風に書いておりますが、本当に「後でわかること」の歌詞はすごく好きですし、私自身共感したり自分自身に投影して聞いてしまっています。それほど今回の歌詞は好きですし、恋をひきずる男の描写を描く秋元康氏はさすがだなと思います。
そして個人的に秋元康氏の真骨頂とも言えるのは歌詞に物語とメタファーのダブルミーニングをしているところで、それが今回の歌詞にもそれがあると思います。まず純粋に歌詞の世界観では「僕」が別れた元カノとの過去を思い出し未練を漏らす、という内容ですがファンは『推せる時に推せ』『推しメンが卒業してからその尊さに気づく』とも解釈できて(?)しまいます(苦笑)
この秋元康氏の手法はAKB48チームKの「引っ越ししました」や乃木坂46の「帰り道は遠回りしたくなる」にも通じていると思います。

3.MVについて

今回はダンスver.とmusic video ver.の二種類がありますね。
まず4/19に公開されたダンスver.から。
音源のみの解禁前でしたのでフルで聞いたのはこれが初めてでした。ヒット祈願番組で初解禁されましたが、それは障りだけでしたのでイントロから最後までガッツリ聞けて、この曲がさらにさらに好きになりました。
MVに焦点を当てると、水族館を背景にして踊るメンバーたち。既に解禁されていた、黒でシックな衣装が大きな水槽の見映えの良さを際立たせます。

※ファンの中でも(おそらく)人気のあるシーン。萌ちゃんの笑顔が良いですねー


フォーメーションは次の章で後述しますが、注目すべき点はやはりサリたんがセンターにいること!元々ナナニジ自体が明確に誰がセンターかを決めないグループであり、フォーメーションもそのようなものが多いです。ただ表題曲ではなごみんこと西條和ちゃんがセンター位置にいることが多いですし、事実彼女がナナニジのセンターと認識している人も多いでしょう(私もそうですが)
しかし今回は明確にサリたんがセンターだと分かるフォーメーション。
そしてその後に公開されたmusic video ver.と比較してこの二つのMVが全く違ったアプローチだと分かります。
ダンスver.は天城サリーを主人公に、music video ver.は滝川みう(西條和)を主人公にしていると個人的には解釈しました。
music video ver.は間奏ではジャケ写でみうちゃんが閉じていた瞳を開くという演出がされています。
また、2つのMVは歌詞の中でも重点を置いている点が異なる印象を受けました。
ダンスver.は水族館で撮影している通り、歌詞の中にある「水族館」に重きを置いています。実際、黒の衣装で特徴的なフォーメーション・振り付けで背景が水族館はものすごく見映えします。まさに魅せることがよく考えられています。
一方でmusic video ver.はリアルメンバーではなくキャラメンバーのvideoです。3月で計算中が終了し4月からリアルメンバーが主体となった計算外という番組が始まり、キャラメンバーの存在が希薄になるという危機がありましたが、このmusic videoのようにしっかりキャラメンバーの存在を示してくれるのは運営は決してキャラメンバーを軽視していないので安心しました。

※間奏で瞳を閉じていたみうちゃんが瞼を開けてこの笑み。このシンプルな構図に多様な解釈ができるのでたまりません!


music video ver.は背景が森?のように見えます。また、メンバーが鳥籠に入れられているように見えます。これはあくまで私個人の解釈ですが、歌詞の「ガラス窓のない空」をテーマにしているのではないでしょうか。
過去に囚われている個々の想いから自由になろう、そういうふうに読み取りました。
私は二つのMV監督・スタッフさんの考えや設定は一切知らないのであくまで勝手な解釈にすぎませんが、同じ曲でもダンスver.とmusic video ver.で主人公と見せ方、歌詞へのアプローチが異なって、受け取るファンの解釈に深みを与えてくれて個人的にはすごく楽しいです!

4.フォーメーションについて

ここでは前述のMVと内容が被らないように俯瞰的な視点、全体のフォーメーションをメインに書いていこうと思います。
今回のフォーメーションは俯瞰的な位置で確認できることはが2つありました。1つは越谷レイクタウンでのリリイベ時に二階から見た時(※詳細は前回の投稿をご確認ください。)
もう1つはサリたん個人のアカウントでyoutubeに投稿された「後でわかること」の俯瞰からの映像。
前者は私の個人的な観測ですし、記憶を辿っていくものですが、後者は全世界誰にでも観れて何度も確認できますし、すごくありがたいです。
まずフォーメーションで印象的なのはサリたんだけ離れた位置でスタンバっているところ。非対称なフォーメーションですが、イントロが始まり、サリたんがみんなの円の中に加わることで線対称のフォーメーションに変化するのがたまらなく好きだし、とても魅力的に感じます!

※曲開始前の最初のフォーメーション。ここでサリたん以外のメンバーは線対称なのに、サリたんが外にいることにより非対称なフォーメーション。如何にサリたんの存在を強調しているか分かります。



※イントロからサリたんが端からセンターに移動し、フォーメーション全体が線対称になり、完成する。サリたんの移動で完成するという図式が物語性があって美しく感じます。


そして1番目ではずっとフォーメーションは線対称もしくは点対称であるのも意識されて作られたんだと思います。
一方で二番目ではほとんど非対称なフォーメーション!
敢えてでしょうか、一番目と二番目でフォーメーションの全体像を変えてくるのは。

※歌詞二番目のフォーメーションは一番目と対照的に非対称なフォーメーションが多いです。この一番目と二番目で明確な違いを見せてくるのも物語が新しい章に映ったように感じました。


私はダンスに関しても本当無知なのでこういったフォーメーションがどこまで独自性があるのか判断がつかないですが、私個人としてはすごく美しく芸術性が高いと思い、感動しました。

5.とりあえず

なんか長々と纏まりなく書いてしまいましたが、歌詞・曲・フォーメーション・さらには2つのMVとどれをとっても色々な解釈ができてそれぞれの視点で物語性があって解釈厨のヲタクにとってはたまりません。
正直まだまだ自分の読みが浅い部分がたくさんあると思いますし、曲を聴きなおしたりMVを見返したりしてまた新たな発見があると思いますし、そう思うとワクワクします。
とりあえず、ナナニジにこの楽曲が提供されたことに感謝しています!

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