【 公開 】イチゴの植物工場開発の基本設計(第1世代)
私がイチゴの植物工場の開発に足を踏み入れたのは2013年でした。
その当時は、蛍光灯を使用した四季なりイチゴでの植物工場をやっている日清紡HDがあるだけで、巷には「イチゴの植物工場生産は不可能で、美味しいイチゴができない」というのは一般的な認識でした。
まずは蛍光灯を使用して栽培した四季成りイチゴを食べてみたいという衝動に駆られ、それを手に入れるところから始まりました。
どこにも売ってなく、四国の青果卸売市場でなんとか見つけ、新潟に送ってもらったところ、形も小さく、酸っぱく、お世辞にも“美味しいイチゴ”といえるものではなかったです。
しかも安定的な生産とは程遠く、正直、このレベルの品質なら、イチゴの魅力は評価されないなという印象でした。
となると…
一季なりのイチゴを安定的に栽培できるようなら、イチゴ農家なら誰もが望む夏秋期のイチゴを供給でき、夢の市場が広がるのではないかと感じました。
ここからは、一季なりイチゴの通年栽培をする場合に、どのような基本設計を最初にしたのかを公開していきたいと思います。
この基本設計は、最初にいちごカンパニーという新潟県胎内市の会社で開発を行い、その後、奈良県の中村建設、NTT西日本、米国のOishii Farmで採用された栽培方法で、その基本コンセプトと使っている品種など基本的な設計思想とそのポイントなどを解説します。
ここから先は
2,178字
/
1画像
¥ 50,000
いただいたサポートは研究費の一部に使わせていただきます。