【EDH】寄生された船長、ザビエル・サル
ラフテル、行きたいですよね?
マルコム、ブリーチェス、ラガバン、波止場の恐喝者……MTGには数多の海賊が存在すれど、ゴール・D・ロジャーっぽい海賊がいない。そんな中にさっそうと登場したクリーチャーがいます。
そう、『寄生された船長、ザビエル・サル』ですね。
いや誰だよとか同時に登場した『鸚鵡の匪賊、フランシスコ』しか知らんわとか色々言いたいことはあるでしょうが、ひとまずすべてを脇において、大海原へ漕ぎ出そうじゃありませんか。
もちろん全文無料で読めます。
1.船長のスペック
残念ながら我らが船長、ザビエル・サルは海賊に関連した能力は持っていません。有する能力は居住に増殖とどう見てもファンガスです。
それもそのはずこの船長、ストーリーで大海原に漕ぎ出している描写が1ミリも無いのです。
というのもイクサラン:失われし洞窟のメインストーリーの開始時点で船長が町長を務める『下の町』は帝王マイコイドの襲撃を受けていました。第一話ではマルコムに救援の手紙を出しただけで実際にその姿は見えず、第四話で初登場するも既に帝王マイコイドの傀儡となった後でした。
逆に海賊に関連する能力を持っていた場合「なんでラガバンが使えん色でやるねん」とか「波止場使えへんやないかい」とか言われる未来もあっただろうしこれはこれでセーフか……?
ともあれ船長を活かそうとすると居住、あるいは増殖を有効に使えるデッキになるでしょう。
居住を軸に据えた場合はカウンターの供給が必須となるため、ファルコ・スパーラやタヤムの構築を参考にすればよさそうです。
増殖を軸に据える場合はコストでのサクリファイスを有効に使用するべくPIG持ちクリーチャーを採用したフレンズ構成がよさそうでしょうか。
次項ではいよいよ大海原へと漕ぎ出します。目指すはラフテルです。
2.いざ大海原へ
出来上がったリストはこちら。
※記事公開後に時間操作入れました。
海に出る前に死んで(寄生されて)いたというストーリーからインスピレーションを受け、人の英雄譚を視聴する動画勢と化した船長デッキになりました。あるいはソシャゲの周回か。
船長の居住能力はファルコ・スパーラやタヤムと異なり『自分がコントロールするパーマネントの上からカウンターを1つ取り除く』とあるため、カウンターの供給源はクリーチャーに限定されていません。
カウンターが乗るパーマネントの中には『神秘的負荷』や『一つの指輪』といった自然に採用できるカードもありますが、それらだけでは少々数が足りず船長が船から降ろされる事態に発展するため、他のカウンターの供給源を探したところ英雄譚に白羽の矢が立ちました。
英雄譚は自動的に章が進行していき最終章になれば生け贄に捧げられてしまいますが、動画勢の船長は前章に巻き戻して視聴するため一生英雄譚が終わりません。
あるいはクリーチャーを生け贄に捧げることで英雄譚の章を進めることも可能です。タイパを重視するZ世代の船長ならではのテクニックですね。
3.船員紹介
船員というか船長が好んで視聴している動画の紹介です。
《ガドウィックの初戦/Gadwick's First Duel》
エルドレインの森で登場した2マナ英雄譚。
1章の呪われし者トークンは能力を失わせないものの、サイズを1/1まで低下させることが出来るため、巨大クリーチャーをボンボコ投げ込んでくるようなデッキに対しては有効かも。どんなクリーチャーもオーク圏内に落とすと書くと若干強そうに見える。呪われし者トークンはクリーチャートークンじゃないので船長の居住で増やせない点には注意。
2章はドロー後に占術を行うため、土地2で詰まった時に出して3ターン目の土地を探すという運用は出来ない。微妙に噛み合ってねえよなあ。
3章は限定的なコピーとなるためデッキ構築段階でプロアクティブなインスタントやソーサリーを選択しておきたい。
この英雄譚を操作する場合は基本的に2章を繰り返し読むことになる。のでフェッチを切るタイミングが分からなくなりがち。土地が十分あるなら待って、それ以外なら即切りでいい気がする。
《イシルドゥアの自筆の記録/Scroll of Isildur》
2章を繰り返し視聴しても足止め出来る数は限られるため(麻痺カウンターは船長の増殖を使ってまで増やしたいものでもない)、基本的には1章を繰り返して人からアーティファクトをどんどん徴収するのがいいと思う。
船長をアクティブにするための数合わせ採用感もあるので他のカードと交換してもいい。が、ファクトに頼ってキープした人間を減速させられることもあったため抜くに抜けない。
《第1回イロアス競技会/The First Iroan Games》
船長が視聴する動画の中では自前のクリーチャートークンを生成してくれるため噛み合っている。居住は飾りとはいえ盤面が横に広がって損なことはないので。オタク、オリンピック嫌いがちなのでその辺は解釈違い。
船長の居住で1/1トークンを増やしながら繰り返し2章を視聴することで、いつの間にか盤面がイカツくなるのがオモロい。
3章を繰り返してドローをもらい続けようとすると盤面からパワー4を排除されたとたんに虚無を繰り返し見続けることになるため注意。
《狩人の贖罪/The Huntsman's Redemption》
これもオリンピックと同じく自前で居住用のトークンを用意してくれるため船長とシナジーしている。
クリーチャートークンを残した状態で2章をマラソンすると居住で弾を補充出来るようになり、1周毎に好きなクリーチャーのサーチが可能となる。
3章は殴りジェネラルでもないので飾り。出来るだけ2章を周回したいところさん。
《ミラーリ予想/The Mirari Conjecture》
5マナとクソ重いが逆にここまで重いとインスタントかソーサリーのどっちかは墓地に落ちてるでしょということでもある。
マナ総量の都合上たいていミラーリ予想の方が後出しになるため、1章と2章のどちらを周回するか選びやすいのも高ポイント。悪魔の教示者を回収し始めたらいかに船長が海賊エアプといえど除去されそう(そんなことやる前にゲームが終わってます)。
ガドウィックの初戦の3章にも言えることですが、デモコンか汚れた契約かのどちらかがあれば1枚から寿司を握ることも可能です。デモコンはオラクル宣言して上6枚に乗ってたら死にますが……。
既に手札にオラクルがある場合は防御札1枚をサーチしながら山札を吹き飛ばすことが出来るのでより安全に通しに行けます。
船長の増殖で急に仕掛けることも可能なため動画勢のザビエルさんもニッコリ。
ソーサリー回収で時間操作を拾うと船長の2章周回で無限ターンに突入できます。記事公開時に入れてなかったので入れました。
《ギックスの残虐/The Cruelty of Gix》
1章のハンデスでクリーチャーかプレインズウォーカーしか落とせないことに目を疑った。先読み付きなので2章から視聴開始できます。これにはZ世代もニッコリ。
使い方はどうということはなくて2章を2回見て寿司を握ります。ギックスは寿司職人だった……?
《恐竜の遺伝子/Dino DNA》
ウルザの物語からサーチ可能な墓地に触るカード兼トークン製造機。さすがに重すぎる。人の波止場の恐喝者を刻印すると稀に無限トークンが出来るかもしれねえ。
居住の種としては起動が重すぎるので信頼性に欠けますが、買ってしもたもんはしょうがないのでとりあえず入れてます。あまりに入れるカードが無くて枠がスカスカなので。
《イコリアへの侵攻/Invasion of Ikoria》
破滅の終焉の2枚目……ではなく、船長に関しては破滅の終焉がイコリアへの侵攻の2枚目。というのも守備カウンターが乗って出てくるため船長のコストに出来るからです。
だからどうしたとしか言いようがない(書くことが無い)。
《情け知らずのガラク/Garruk Relentless》
ようやく船員が登場。たぶん近くに住んでる町内会長とかそんな感じ。
シークレットテクとして変身条件が忠誠カウンターが2を下回った時なので船長の能力を起動し忠誠値を吸い取ると速攻で裏面になれます。表面で能力を使った後に変身しても同一ターン中は裏面の能力を起動できませんが、船長で違法にひっくり返すと即座に裏面の能力が起動可能です。
裏のマイナス1は狩人の贖罪の2章と同じなので使用感は似たような感じ。接死狼を生成して盤面を持たせる方がよく使うかも。
3.船員候補
《シェオルドレッド/Sheoldred》
この前ひとから教えてもらったカード。
シェオルを採用すると船長に対して船員が強すぎる事態が発生し、バギーっぽくなって実質原作再現みたいなところがある。
5マナで出して5マナでひっくり返すのはさすがに悠長すぎへん? という疑惑があるものの、船長自体クッソ悠長なデッキなため入れてもよさそう。
裏面の1章だと護法は貫通できないが表面で護法を貫通出来る(可能性がある)ので思ったよりも強そう。
真実の教典を読み込む船長、絵面が陰謀論にハマったアホみたいで面白いから入れたさしかない。
《ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias》
裏面のバウンスに船長も巻き込まれるからな~と思い早々に候補から外れたものの、こんだけ引いて勝てないってどういうこと? という疑念もあり。手札に船長が戻っても3章でタダで舞い戻りますからね(ゆっくちゲーミング)。
……そもそも手札が7枚無いと変身できないから採用は無理じゃね?
《冷たき集いのキンズー/Kinzu of the Bleak Coven》
悪夢の番人の2枚目として。
生成されるトークンに毒性1がつくので居住で増やしたり増殖で毒殺が狙え……狙えるわけねえだろ(豹変)。
船長でクリーチャーをサクると居住用のトークンに変換できるため、船長の2つの能力をつなぐ架け橋になれるのが強み。
船員候補が全員ファイレクシアンなの罪深すぎるだろ。
4.不採用船員
《侵入警報/Intruder Alarm》
実は船長+献身のドルイド+侵入警報+クリーチャートークンで無限トークンが成立する。
これが成立したところで即勝ちに繋がらないし、トークンの用立てを含むと何枚コンボやねんとなるので不採用に。
別に無限を考えない場合でも自分のパーマネントに乗ってるカウンターの数だけ居住を繰り返すことが出来るが、出来たところで即座に勝てないのは変わらない。
献身のドルイドは燃えがらもやの卑劣漢でも代用可能。いや誰なのよ。
《燃えがらもやの卑劣漢/Cinderhaze Wretch》
上記コンボの献身のドルイドの代役として。
献身のドルイドは召喚酔いが解けている場合は緑の無限マナが、燃えがらもやの卑劣漢の場合は無限トークンに付随して無限ハンデスが出来る。
速攻を付与するカードが用意できない場合1周させる必要が出てくるため、無限ハンデスをぶちかませるこっちの方がコンボ適性は優れている。
が、侵入警報の項で書いた通りコンボパーツ多すぎ問題が浮上したためこいつも当然不採用。お前重いんだよ(5マナ)。
《大笑いの写し身/Cackling Counterpart》
インスタントかつ3マナと非常にお手軽にトークンの生成が出来る1枚。現状居住の種はビーストトークンや狼トークンなどバニラばかりであるため、任意のクリーチャーのコピートークンを生成しておくと居住のバリューが爆上がりします。
爆上がりする……のですが、現在の構築ではコピーしたいカードが少ない上に結局はコピーするカードと併用して真価を発揮するカードであるため、単体で引くとやはりプレイ中にノイズになりやすいです。
他のコピーカードに覆滅/複製や模写などもありますが、大笑いの写し身が入らない以上それらも入らないかなと。
カエル声の写し身は相手のクリーチャーをコピーできるため採用していますが、実際そっちもかなり怪しいカードではあります。
5.終わりに
組んだ当初は侵入警報やコピー生成カードを入れて居住しまくるのを妄想していましたが、要求枚数が死ぬほど多い上に生成開始しても全く強くなかったのでいつも通り寿司屋になりました。
ミラーリ予想とガドウィックの初戦の最終章がスペルのコピーなので、デモコンか汚れた契約があれば1枚始動できるのが強みです。
他のデッキだと英雄譚は勝手に最終章まで進んでしまうので狙ったタイミングで仕掛けづらいですが、船長はシークバーを動かすことができるため、船長じゃないと作れない寿司がある感じになってけっこう満足しています。
ほなまた。
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