新兵から始めるGwent生活
皆さんこんにちは。コマンダーサミットからの帰り道にトラックに轢かれ、よりにもよってニルフガード帝国の新兵に転生してしまった松平です。
彼はただひたすら芋の皮を剝き続けるという職務を与えられた
異世界転生にはチート能力が付き物。しかしそんな甘い考えは自身のテキストを確認した事で簡単に打ち砕かれてしまいました。
『配備:自軍「兵士」ユニット1体に3ブーストを与える。』
異世界で無双する事も現代に帰る事も叶わなくなった今、後に転生してくるかもしれない誰かのために『新兵から始めるGwent生活』を書き記しておきます。
▽この記事に書かれている事
・他TCG(主にMTG)をプレイしている人に向けたグウェントのルール説明
・始めて1ヶ月程度でのゲームの感触
・課金周りの感想
▽この記事に書かれていない事
・メタゲームとか高度な知識
・デッキ解説
・ウィッチャーシリーズの話
1.Gwentのルール
GwentのルールはMTGを始めとする「ライフ制」のTCGと大きく異なり盤面にあるカードの総戦力値で勝敗が決します。このためTCGというよりボードゲームに似た感触があります。
ゲラルト:イャーデンをケアしなかった者は……
上の画像右側『14』が敵軍の総戦力値、『33』が自軍の総戦力値です。ラウンド終了時に総戦力値が高い方がそのラウンドの勝者となります。
さらっと『ラウンドの勝者』と書きましたがGwentは最大3ラウンド戦い先に2ラウンド取った方が勝者となるゲームです。
現在のラウンドは敵軍総戦力値の下/自軍総戦力値の上にある王冠マークで確認できます。1ラウンド取ると王冠が半分点灯し、2ラウンド取ると王冠が完成して勝利です。
上の画像だとお互いに1ラウンドを取っているため相手と自分双方に王冠マークが半分ずつ点灯しています。このため現在のラウンドが3ラウンド目である事が分かります(1ラウンド目が引き分けの場合はこの限りで無いが何事にも例外はあるので略)。
最大3ラウンド戦うとは言うものの、GwentはMTGや遊戯王のようにサイドボードが存在するゲームではありません。
では1ラウンド毎に先攻後攻を入れ替えてゲームを新たに開始するのかと言うとそうでも無いです。
Gwentはラウンド毎に盤面の状況がリセットされますが、それ以外の状況――手札や墓地、デッキに残っているカード――は前のラウンドから引き継いだ状態で開始されます(『継戦』アビリティはラウンドをまたいで盤面に影響があるが基本的な事ではないので略)。
次のラウンドは直前のラウンドで勝利したプレイヤーの先攻で始まります。
これだけでもかなり異質なゲーム性ですが、最も異質なルールとして『ターン開始時のドローが無い』事が挙げられます。
は? ドローが無いとかクソゲーか? となるTCGプレイヤーの皆さんご安心ください。その代わりGwentは初手が10枚あります。
デッキ枚数25枚のゲームで初手10枚はやりすぎでは
こんだけ初手の多いゲーム、マビノギデュエル(故)以外知らねンだワ。
※マビノギデュエル
ネクソンが運営していたDCG。
試合中にデッキという概念が存在せず全部初手にある。
ストーリーで唐突に実写パートが入ったり(注1)かなり“狂った”ゲームだった。
2015年にサービスイン、2018年にサ終。悲しいね。
(注1) なぜかコレで遊ぶアイドル(?)の写真がストーリーで出てきた
ではドローが全く存在しないかと言うとそうでもなく、次のラウンドの開始前に3枚ドローします(マリガンは各ラウンド開始前に出来ます)。
それでも手札はすぐに枯渇するんじゃないの? と思われるかもしれませんが、1ターンにプレイ出来るカードの枚数は1枚だけであるため手札が枯渇する事はありません。手札が増えるドローカードが無いのに手札が尽き無いのは上手い事作ってあるなあと思いました(小学生)。
2.始めて一ヶ月時点での感触
2-1.デッキ構築
Gwentはβ時代に少し、iOS版がリリースされた時に少し触った事があるプレイヤーの感想となります。とは言えβ時代からはルールが大幅に変わり、iOS版の時はスターターデッキでちょっと遊んだ程度なので知識0に等しいですが……。
『1.Gwentのルール』では触れませんでしたがデッキ構築をする際、同一カードの枚数制限はレアリティがレジェンダリーとエピック(枠色が金色)のカードは1枚、レアリティがレアとコモンのカード(枠色が茶色)は2枚といったハースストーンっぽいルールに加え、『デッキの構築コスト上限値』と言う制約が存在します。
リーダーアビリティの強さによってデッキの構築コスト上限値は多少上下しますが、カード個別に割り当てられた構築コストの合計が上限値以内に収まるように作らなければなりません。
そうです、GB版遊戯王のデッキキャパシティですね。
奪われし玉座のクッソ情けない日本語ボイスすこ
新兵を例に出すと左上に書いてある『3』はこのカードの持つ戦力値、右下に書いてある『4』が構築コストになります(左下の×2は所持枚数なので気にする必要なし)。
構築コスト4はトークンを除くと最低構築コストで、ゲームの基本となるカードはだいたいこれになってます。
勝手にドスケベおじさんって呼んでるけど何した人なんすかね……
いっぽうアルトード・テラーノヴァは戦力値4に対し構築コストが13と新兵に比べてだいぶ重いです。能力の紹介はしませんがここではクッソ強い代わりにクッソ重いカードと思てもろて……。
レアリティが上昇する毎にややこしいカードが増えるのはTCGの常ですが、Gwentにおいては『構築コストに対してカード1枚で出せる戦力値』がある程度決まっているようで、構築コスト上限まできっちり使い切った場合、総打点はだいたい同じくらいになるようになっているみたいです。この辺は能力の査定と言った方が伝わりやすい人もいると思います。
デッキの構築コスト上限値がある事で『強力な除去を積んだらエンジンが入らない』といった構築の二律背反が他TCGよりも可視化されやすく、対戦以外での面白さが強調されているように思えます。
そもそも構築コストは紙でやると確認がクソめんどいためDCG向きのルールっすよね。そういった意味でも既存TCGよりDCGとの親和性がある良いルールな感がありますね。
2-2.ゲームプレイ
Gwentは1ターンにプレイ出来るカードの枚数が1枚だけのため比較的ゲームの進行はゆっくりとしています。
かといって1ターンのやり取りが少ないのかと言うと『命令(起動型能力)』や『リーダーアビリティ(ヒーローパワー)』のおかげで少なすぎる事もありません。
ただしプレイ枚数の制限により基本的に何かを仕掛けるには1ターン隙をさらす事になるため、より大局を見て戦略を立てる必要があると感じます。
上でも触れたように勝利するには2ラウンド取る必要がある点も面白く、1ラウンド目を取って2ラウンド目で出来るだけ相手にカードを使わせて敗北し3ラウンド目を取る、といった大局観が重要になります。
この辺はハースストーンのランダム要素から最適解を導くゲーム性と真逆な感じがあります。
初手10枚に加えて各ラウンド毎に2枚までマリガンする事が可能(1ラウンド目のみ先攻は3枚までマリガン出来る)である事から、『〇〇が引けなかったから負け』のような事態は限りなく低くなります。
サーチカードも豊富で『○○カテゴリのカードをデッキからプレイする』系のカードは全勢力に配られています。引きが弱くて負けたとかいう言い訳はデッキの組み方が悪い雑魚乙としかならんのじゃ(トホホ)。
ハースストーンの『発見』のようなカードやランダムな列に召喚される能力など、ランダム要素が無いわけではありませんが、他のゲームよりもランダム性は低く、プランを立ててゲームを遂行する事が好きな人にはオススメできるゲームだと思います。
3.課金周り
Gwentには『報酬手帳』というシステムが導入されており『報酬ポイント』を消費する事で『鉱石(ゲーム内通貨)』や『紙片(ハースのダスト、シャドバのエーテル)』を入手する事が出来ます。
報酬手帳には新規向けの項目が用意されていて、勢力『シンジケート』を除く各勢力毎に使用頻度の高い最高レアリティカードを入手する事が出来ます。
特に勢力『モンスター』や『北方諸国』なんかは報酬手帳で貰えるカードでデッキを組むだけで形になります。
報酬ポイントはログインボーナスで貰える他、デイリークエストの消化で入手する事も可能と手に入れる機会は多いです。
また『○○アビリティを××回使用する』といった『依頼(実績)』を達成するたびに貰えるため、ゲームを始めてすぐは遊んでいるだけでガンガン溜まっていきます。
他にも課金していなくても『ジャーニー(シーズンパス)』が解放されており、ジャーニークエストをクリアすればガンガン報酬ポイントがもらえます。ガバガバすぎへん? 儲かってんの?(畏怖)
鉱石を使用して『カード樽(パック)』を購入する場合は勢力毎の樽も用意されているため自分の使いたい勢力のカードのみを集めることも可能です。
逆にニュートラルのカードは勢力樽から出てくる事はありませんが、デッキの根幹をなすカードは勢力カードの方が多いのであまり気にならないと思います。汎用ニュートラルならそれこそクラフトしてしまえばいいわけですし。
実際にカードを集めたルートは以下の通り
1.『報酬手帳』の一番下のページから『モンスター』のツリーを埋める
2.全部埋めるとリーダーアビリティ『白き霜』で使うカードが集まってくる
3.モンスターの勢力樽を開けてカード資産を増やしていく
4.ニルフガードが面白そうなので浮気
5.ニルフガード、紙片めっちゃ食わへん?
6.モンスターへ戻る……
どうせ長くやるゲームになりそうだったのでルートの6番目の次に『プレミアムジャーニー』と『奪われし玉座(ウィッチャーシリーズの外伝的なゲーム)』に課金しました。
感触としては無課金の時点でニルフガードに浮気しつつもモンスターのカードはかなり集まったので、モンスター(か北方諸国)に絞れば無課金でも十分に勝てるデッキが作れると思います。というかニルフガードが紙片食いまくっただけで、モンスターと北方諸国なら余裕で2勢力組めてそう。
モンスターの『白き霜』デッキは検索すると詳しい解説が載っている記事が出てくるのでそちらを参考に。
今もう一度やり直せるなら以下のルートでカード集めそう。
1.各勢力のスターターデッキを満遍なく使う
2.『報酬手帳』の一番下のページから『モンスター』のツリーを埋める
3.『白き霜』デッキに必要なカードをクラフトする
4.気に入った勢力の初心者向けツリーを埋めながら勢力樽を開ける
1番目に各勢力のスターターデッキを満遍なく使う理由は『勢力特有のアビリティを10回使用する』系の依頼をこなすためです。報酬ポイントの回収は早ければ早いほどモチベの維持に繋がります。
4番目に気に入った勢力の樽を開封する理由は単純にモチベの維持……というだけなので海外サイトのメタスナップショットを見て強いデッキを作るのもいいと思います。
ただシンジケートを最初にやるのはあんまりオススメできそうになくて、というのも初心者向けツリーに唯一存在していない勢力だからです。シンジケートの『コイン』システムもパッと見分かり辛く、ランクマッチでシンジケートにしばかれて動きを覚えた後に手を出しても遅くはない気がしています。
無課金でも十分遊べるゲームではありますが、課金するなら『プレミアムジャーニー』が断然お得です。1000円ちょいの課金で資産がアホほど増えます。
ジャーニーは無課金でも解放されていますがプレミアム版に課金すると追加で報酬ポイントが手に入ります。
他にもプレミアムジャーニーでは使用頻度の高いレジェンダリーカードやカード樽が手に入る等、TEPPENのシーズンパスを上回る課金効率を誇っている気がします(伝わる人にだけ伝われ)。
ただしジャーニーへの課金は後1ヶ月足らずでシーズンが切り替わるため非推奨ぽいです。全報酬手に入れるには時間が足りなさそう。切り替わった後、2月のジャーニーに課金しましょ。
『奪われし玉座』はウィッチャーシリーズの外伝的なゲームです。時系列はウィッチャー3の数年前とかそんな感じらしいですがシリーズ全部やった事ないので分かんないです。
なんで別ゲーに課金してんの? と思われるかもしれませんが、これを買うと20種類くらいカードが付いてきます(は?)(おまけが多すぎる)(開発頭おかしいよ……)。
値段も500円ちょいとお安いので明日の食事もままならない人以外は課金した方がいいです。
また『奪われし玉座』はストーリーを1章進める毎にGwentの報酬ポイントがもらえたり宝箱におまけカードのプレミアム版(イラストが動く奴)が入っていたり、500円課金するだけでえげつないくらい資産が増えます。どうせ金枠は同名カード1枚制限があるので動いてない方を砕いて資産にしましょ。
奪われし玉座をやると「ニルフガードはカス」「スコイア=テルもカス」「ほっぽうしょこくがんばえー」「スケリッジ空気」「モンスターより狂った牛の方がヤバそう……ヤバそうじゃない?」ってなります。あとバーナバス屁こきすぎ。
スターターパックは600円くらいでプレミアムレジェンダリーカードとカード樽(全勢力から出るやつ)が10個付いてきますが、課金するならジャーニーからした方がお得なので後回しでも良さそう。
課金周りについてはそんな感じです。
4.各勢力について
各勢力について一ヶ月遊んだ(しかも触ってない勢力もある)浅瀬の感想です。触って無い/遭遇頻度が少ないデッキはふわっとした印象。
・モンスター
徒党を組まない怪物は全部ここに入ってるっぽいです。ただし『カテゴリ:ワイルドハント』は中身がエルフでこの世界を侵略しに来てるとかなんとか。
先ほど書いた通り報酬手帳で強カードが手に入るため浅瀬だと白き霜で吹雪を巻き起こしてます。
相手のユニットに直接ダメージを与える能力が多く他TCGプレイヤーにも分かりやすい勢力です。他にも『遺言(ハースの断末魔、シャドバのラストワード)』能力等、比較的素直な能力が多いのでとっつきやすい。
『オーベロン:王者』が『献身(デッキにニュートラルが入っていない場合有効になる能力)』を持つためニュートラルカードのクラフトに浮気しないで済むところもグッド。ワイはニルフガードに浮気してしまいましたが……
・北方諸国
小国の集まりでニルフガード帝国に嫌がらせされてるらしい。
これも報酬手帳で手に入るカードで形になる(らしい)。作ってないのでよく分かりませんが……。
この勢力もやることが素直でこっちは自軍にバフをかけて戦う系。『シールド(ハースの聖なる盾)』貼って『決闘(どちらかが死ぬまで交互にダメージを与えあう)』仕掛けてくる卑怯者。あと『継戦(ラウンドをまたいで盤面に残る能力)』を持つ魔術師が強すぎて気狂う。
モンスターと同じく他TCG勢にもやる事が分かりやすい勢力です。
・スコイア=テル
まさか助けたエルフに毒を盛られるなんて……。許せねえよ。
ここからは報酬手帳で手に入るカードだけでは形にならなさそう。とはいえスコイア=テルに絞れば全然無課金でもデッキは作れる範囲だと思います。
勢力の特徴は列を移動したりさせたりする能力。列移動させるとデッキから飛び出してくるレジェンドでバシバシ盤面をしばいてくる印象がある。あとデッキからブロンズスペシャルを2枚唱えるレジェンドでめちゃくちゃしてくる。メタスナップショットを見るに列移動でバシバシは環境デッキくさい。
操作は多くなりそうですがやる事自体はダメージを与えたり呪文でリソースを稼ぐ事なので他TCGプレイヤーもすんなり理解できそう。
・スケリッジ
海賊。パッチーズはいない。
自傷ダメージがテーマの勢力。浅瀬ではあんまり見ないのでどういう勢力下はよく分かっていないです。ユニットが場に出るたび1ダメージを与えるお船でコルグリムがやられたのは覚えている(1敗)。
相手がダメージを受けるたびに自身が回復したりある程度ダメージを受けるとアビリティが有効化したりと、パッと見で何点出るか計算するのがややこしそう。
・ニルフガード
中立地帯で『雪崩による“事故”』を起こす畜生。北方諸国の事は同じ人間と思ってないらしい。
相手のユニットを『強奪(コントロール奪取)』したり『毒(2回与えらると破壊される状態)』を盛ったりする勢力。オタク君好きそう。
『同化(最初からデッキに入ってないカードを使うと戦力値が増える)』デッキが強いっぽいがカードを覚えるのがややこしいせいで浅瀬ではあんまり見ない。『イェネファーの祈祷(相手のユニットを自軍山札の上に乗せる除去)』で相手のフィニッシャーを奪い次のラウンドで使ったり、サーチカードでリクルートしたりと一番Gwentっぽい事をしてる勢力な気がする。
単体で打点を出すのが苦手っぽいので強さが分かり辛く初心者向けではなさそう。とは言えGwentをやるのはオタクしかいない(当社比)ので最初に組んで悶絶して欲しさがありますね。
・シンジケート
初期勢力ではなく後から追加された勢力。
独自のシステム『コイン』を使って盤面の除去から自軍のブーストまで幅広く行う。難しそう(小学生)。
リーダーアビリティ『ジャックポット』がヤバい。何回かナーフされたらしいが依然としてコインを9枚消費して無茶苦茶してくる。浅瀬だとスケリッジより遭遇する事が多い。フライング・レダニア号、ほぼほぼパッチーズでは。
システムが直観的ではないのと挙動と立ち回りがややこしそうなので初心者が最初に手を出すべきでは無い。というか初心者向け報酬手帳に唯一いない勢力の上にスターターデッキが存在しないのでどうあがいても初心者が簡単に手出し出来る勢力じゃないッス。ランクマッチでボコられて動きを覚えた頃に組むと良さそう。
5.結び
ゲームシステムや課金周りについては以上のような感じです。プレミアムカードが美麗だったりBGMが良すぎたり細部の完成度が異常な事もプッシュしたかったですが語彙が乏しいのでカットしました。
Gwentの新規向けの記事は古いものが多くゲーム自体は面白いだけに始める前から挫折する人が多いともったいないと感じたのでこの記事を書きました。
特に課金周りはどんな雰囲気なのか書いてあった方が始めやすいと思うので誰かの役に立てば幸いです。
もっと効率のいい進め方があるよ、という方がいらっしゃれば詳しいガイドを投げていただきたいです。
そろそろ八千字に到達しそうなのでこの辺でやめておきます。
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