映画「アレキサンダー」感想

2004年公開、「アレキサンダー」を鑑賞しました。監督はベトナム戦争を描いた「プラトーン」が代表作にあります、オリバーストーン監督。最近では、プーチン氏をアメリカ人記者の視点から描いた、自己主張激しめのタイトルの「オリバーストーン・オン・プーチン」が話題ですね。

まず、ヴァルキルマー&アンソニーホプキンスいつ出てたん???

クレジットみて驚いたんやけど、フィリップ2世パパとプトレマイオスで出てたんだね。まあ一応語り部のプトレマイオス役で気づかないのは私の落ち度だけど。
映画の内容は、紀元前300年、マケドニアの王としてうまれたアレクサンドロス大王の生涯を振り返るというもので伝記ものの部類。

この作品の中で、私が一番印象に残ったシーンはフィリッポス二世(父)に連れられて、ギリシャ神話の各英雄の末路を壁に描いた洞窟に連れられるシーンだ。まず前提としてこのシーンは、アレクサンドロスが暴れ馬だった黒いでっけーウマ、ブーケファラスを見事なだめ英雄的な壮大な音楽と共にブーケファラスと走り抜けるという何とも英雄の門出にふさわしいシーンの直後に始まる。
「え、さっきまですげーさわやかな明るいシーンやったやん。。。」
という我々の思いを無視し、淡々とこの英雄は自殺してめんたまくりぬいたんやで^^、あ、こいつは最後毒に苦しみぬいて死んだよ^^

いや落差えぐいて

そんな気持ちの急降下にさせてくれるこのシーンですが、なぜこのシーンが一番印象に残っているかというと、華やかな英雄伝説の表と裏を描いたシーンであり、アレキサンダーという人間はそれでも英雄への道を進むという決意が現れたシーンだと思っているからだ。

この映画の結末としては、アレキサンダーは自身の夢である東方遠征の完成間際で故郷へ引き換えざるえ得ず、その途中で死んでしまうというものだがこの洞窟の時点でアレキサンダーの運命は決まっていたのだ。

アレキサンダーの周りには多くの恐れるものがあった、かつての英雄のような悲惨な死、自身の為にアレキサンダーを利用し続けた母、父。自身の陰にビビって暴れていたブーケファラスは、英雄としての光と共に現れる、陰におびえていたアレキサンダーそのものである。
それでも進み続けたアレキサンダーは英雄と呼ぶにふさわしいものであるし神話と現実の融合したこの時代が好きなんだと改めて実感した。
人間の子として育ち、様々な試練を乗り越え神へ迎えられたヘラクレスをアレキサンダーが特に意識していたのもそういった点だろう。
結局は人間だからね、アレキサンダーも。

まあそういった自身の破滅を意識した人間が逃げるのは酒、そして美男子。

「今夜は一緒にいてほしい」
きゅるるん乙女の顔でいうアレキサンダー、この映画で三回くらい見たぞ。多いわ。


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