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日本サラリーマン史 サラリーマン爆誕

こんにちは、まっつんです。

現在、日本の社会を支えている労働者の多くは、会社などの組織に雇用されている所謂、サラリーマンと呼ばれる人たちです。

日本の就業者数は6724万人おり、内、雇用者の割合は89.3%となっています。ほとんどの人が、何らかの形で雇用されているサラリーマンと言われています。もちろんその中の一人にまっつんも含まれます。

毎年、大学や短大、高校を卒業した学生さんは、民間か、公務員など組織の違いはあれど、何の疑問もなく勤め人であるサラリーマンとして就職していきます。
では、そもそも、サラリーマンという仕事のスタイルは、いつ誕生して、どう社会の中に定着したのか?今回はそのあたりについて書いてみたいと思います。
じんじーず第1315話「サラリーマンとはなにか?【明治の到来!近代的知的労働者「サラリー・メン」爆誕す!】」もの描いていますので、併せてご覧ください。

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🟦 元祖!サラリーマンは江戸時代の武士たち!

サラリーマンの歴史を紐解くには、その誕生前の存在した似た存在を調査する必要があります。全く社会に存在しなかった階層が突然、大多数として発生することは稀なので、大抵はその前身となる層がいることになります。我々は、よくサラリーマンの悲哀を語る時に、江戸時代に殿様に使えた武士とその姿を重ねることがありますが、まさに日本のサラリーマンの元祖は江戸時代の士族階級に求めるとができます。
当初、サラリーマンは、「腰弁」とも呼称されていたことがあり、この「腰弁」こそが、江戸時代に腰に弁当を吊るして登城した下侍であり、転じて小役人や地位の低い勤め人、安サラリーマンを指す言葉となったのです。

『腰辨頑張れ』(こしべんがんばれ)は、1931年(昭和6年)に松竹蒲田撮影所(松竹蒲田)が製作し同年に公開された、成瀬巳喜男監督による日本の短篇劇映画、サイレント映画である。新漢字表記『腰弁頑張れ』。ウィキペディアより

では何故、江戸時代なのか?

確かに武士は、室町時代の悪党以来、日本の武力集団として歴史に存在しており、中世の日本史では、公家・僧侶・武士の三つの勢力の争いが目を引きます。
しかし、戦(いくさ)と呼ばれる戦闘を専門で行う武士は、織田信長によって最初に組織されました。それまでは、農業をしながら、いざ戦となると領主とともに親方様の元に集まり、戦(いくさ)を行うという、所謂兼業武士であり、明治時代の屯田兵と似たような集団だったのです。
そういう意味では、侍業を専門の生業として雇用され、現代のサラリーマンの就業規則のように法度によって規律を守って、殿様に使える組織形態が定まった江戸時代の武士こそ、サラリーマンの元祖と言えると考えます。

🟦 インテリジェンスでないと武士は務まらなかった!

私たちは武士と聞くと、単純に剣術だけに長けた体育会系のイメージが有りますが、実は、武士とは、剣術以外にも読み書き算術・礼儀作法と当時のインテリ層であったのです。1600年の関ヶ原の戦いで、徳川家康が勝利して以来、武士の活躍の場であった戦もなくなり、武士の世界も武功をあげるよりは、家柄やそれの無い者は勉学の才で立身出世をするシステムになっていきます。

その一方で、経済的に見ると当時は、貨幣経済への以降はまだ途上であり、武士の経済の中心は依然として米であり、大名は石高でその優劣を比較されたのです。その家来たちも俸禄という名前の給料を米で貰うシステムです。商人たちが貨幣を中心に商品経済で信用経済を生み出すことで隆盛を極めるのと反比例して武士は米を基準とした農業主義だったのです。これは、税金の徴収のほとんどが農民からの年貢としての米でしたから致し方なかったと言えるでしょう。

米の増産が容易ではなかったことや、俸禄にインフレという概念がなかったことから貨幣経済と米納年貢制による武士の俸禄の乖離は広がるばかりとなり、大名といえども生活は困窮していきます。

みなさんも大名貸など、江戸・大坂・京都などの有力商人によって財政窮乏に苦しむ大名に行われた金融システムを日本史で習った記憶があると思います。

しかし、家計の苦しい下級侍が学問で身を立てるより、今日明日の生活のためにアルバイトに精をだすのは仕方ないことで、こうなるともはやかつての武士の威厳の低下します。ましてや下侍の悲哀から、腰便という不名誉な名称が付いたのも仕方ないのかもしれません。

🟦 A Iで仕事の半分はなくなるでしょう?それは江戸時代も同じです!


英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授らの論文『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』によると今後10年~20年の間に、米国の総雇用者総数のうち約47%の人の仕事がコンピュータにとって代わられる可能性が高いと予測したのは有名なお話ですが、そもそも仕事は時代の流れや、新しい市場の形成によって変化していくものです。今更なにを?という感はあります。日本はこれまでも公家社会から武家社会へ、明治時代の廃藩置県による士族の解体、高度経済成長による労働力の農村から都会への大移動など世の中の仕組みが大きく変わる度に、これまでの仕事とは異なる新しい仕事へ移行していきました。別にA Iの到来だけが従事する仕事を変化させるわけではないのです。

最近の風潮としてAIに太刀打ちできなくなると不安を煽るような論調やそれに乗っかっている企業も多いのですが、士族サラリーマンのようにマジョリティだった労働力を全て放棄出来るほど、世の中に労働力が足りている訳ではないのです。しかも、超高齢社会の日本はこれから70歳まで就労しないとAIを導入しても労働力が不足するわけですから、AIが導入されたとしても今のサラリーマンの仕事が突然なくなるとは考えにくいことは明白です。

我々よりもドラスティック展開になった江戸時代の武士は、明治の廃藩置県で失業者となりましたが、新たに起業したり、サラリーマンになってたくましく生き延びていくのでした。

以上、サラリーマン爆誕の序章として江戸の侍にその原型を求めることができるというお話でした。

最後までお読みいただきありがとうございます。

次回もよろしくお願い致します。

少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。

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