サラリーマン考 サラリーマン的思考とはなにか?
こんにちは、人生探求ナビゲーターのまっつんです。
皆さんはサラリーマン的思考ってどんなものだと思いますか?
例えば、お金が欲しい場合にサラリーマン的思考だと、どう考えるのでしょう。
サラリーマンのほとんどは自分の稼ぎを奥さんに握られていますから、①お小遣いの値上げ交渉をするか、②そもそもの収入を増やすしか方法がなさそうです。しかし現在のサラリーマン的思考の持ち主は、外的環境を変える努力は最初から選択肢にはないのです。
今回はそんなサラリーマン的思想について「サラリーマン考 サラリーマン的思考とはなにか?」と称して書いてみたいと思います。
⬛️「24時間働けますか?」はブラックだったのか。
バブル時期の日本のサラリーマンを「働きバチ」とか「エコノミックアニマル」と世界が笑いました。
その時、日本では「24時間働けますか?」というキャッチコピーとともにCMソング「勇気のしるし」が累計販売数60万枚の売り上げを記録していました。世界がどう言おうが、日本のサラリーマンは「我関せず」だったのです。
強いですよね。
世界の言動に右往左往している現在とは違って当時の日本人は自信に満ちていました。冷静に考えると令和のサラリーマンにはブラック要素満載に見えなくもないですけど。
しかし、当時は働くと働いた分だけ給料が増えて、会社で働くことが収入を増やすもっとも効率の良い方法だったのです。
当然、副業なんてものもありましたが、好ましくないイメージが強く、あまりオフィシャルなものではありませんでした。
新生銀行の調査した「サラリーマンお小遣い調査30年白書」によると1990年のサラリーマンのお小遣いは平均で77,725円だったようです。
それが、2011年のバブル崩壊後の最低水準の38,855円をマークしています。これは約30年前の1981年には40,833円であったサラリーマンのお小遣い額を下回っていると言う結果でした。
因みに、新生銀行の2019年調査によると前年から3,089円減り36,747円になっているそうです。
「表−1お小遣い額30年の変遷」
出典:ライフスタイルラボ「サラリーマンお小遣い調査30年白書」より
まっつんの個人的印象ですが、当時のサラリーマンはよく働く分、よく遊んでいたと思います。
当時は、高級外車のエントリーモデルである「子ベンツの190E」や「BMW3シリーズ」が、そこら中を走っており、「赤坂のサニー」「六本木のカローラ」なんて言われていた時代です。
OLさんはイタ飯を男性に奢らせて、帰りは別の男性を「アッシー」として迎えに来させると言う感じでした。
そして、ゴールデンウィークや正月休みは、日本人はこぞって海外旅行して、ショッピングや会社の同僚へのお土産を大量に買い込む姿がニュースになったものです。当時ハワイは大挙して押し寄せる日本人観光客が溢れかえり、まるで日本の地方都市にいるような感覚でした。
このように、実際はあんまりブラックだったイメージがなく、どちらかと言えばONとOFFを使い分けて積極的に楽しんでいたサラリーマンが多かったように思えます。
⬛️サラリーマンの思考が硬直化したのは、バブル崩壊以降
では、いつ頃から今のような状況になってきたのでしょうか?
実はバブル崩壊以降、会社で何かチャレンジした人はことごとく責任を取らされて「討ち死」にしていきました。景気が下っている時期は何をしても大抵はうまくいきませんから、バブル期に「イケイケドンドン、結果オーライ」で鳴らした体育会系サラリーマンは、ほぼ壊滅してしまいました。
経済成長期には少々の失敗もリカバーできる余裕があったのですが、景気停滞時期や下降期には失敗を許容する余裕すらないのです。
経済学的な言い方をすれば景気循環における景気拡張・拡大局面としての好況、ブーム(boom)から、エクスパンション (expansion)の時期は大抵のことは、リスクが取りやすく、チャレンジャーが報われます。
しかし一旦、景気後退局面の不況、リセッション (recession)からコントラクション (contraction)になると、大抵が失敗するので、新しいことにチェレンジするリスクが高まります。
しかも今回の波は、通常のリセッションではなく、50年から60年に一度起きると言われた、コンドラチェフ循環であったのではないかと思います。
要は景気循環四天王のラスボスです。
そしてこの時期に台頭してきたのが、コストカッターと言われる、経費削減大好きな職能系サラリーマン達です。彼らは、新しいことは一切行いません。しかし、経費の削減によって売り上げの減少を補い利益を出してきました。
実際には、新しいことに投資せず、さらに社内で無駄に浪費されるはずだった経費を削減して損失を最小限にとどめただけなのですが・・・。
そのうちに社内にめぼしい削減対象がなくなると、最大の聖地であった人件費に着目して、禁断のリストラという経費削減策を実行してきたのです。
このように目線が社内と言うコントロール可能な部分にしか向いていません。
ですから平成の30年間で生き残ったサラリーマンとは「何もしないので失点がなかった人」か、「経費削減で人切りを行い会社へ貢献(長い目で見ると人員構成がイビツとなり会社へは貢献していない)した人」の二種類に分類できます。
まっつんは、サラリーマン的思考とは時代背景によって変わると考えていますが、現在は、先に挙げた二種類のサラリーマンがベースとなっています。
問題を抜本的に改善するのではなく、先送りにする。そして、社会と言う大きな視野ではなく、自部署の利益優先で、失敗をするくらいなら現状維持と言う考え方です。このような思考で生きるサラリーマンはどうなってしまうのでしょうか?
⬛️努力の方向が内向きになったサラリーマンたち
お小遣いの話に戻りますが、バブル期のサラリーマン的思考は、「使ったら稼げばいい!」でした。
しかし、バブル崩壊後の平成サラリーマンは、自分のコントロールできる範囲でなんとかすることを考えます。現在のサラリーマン的思考とはこちらのモノを指します。努力のベクトルがとても内向きなのです。
稚拙な例えですが、小学生が遠足のおやつ代300円でどれだけ買えるかを真剣に悩むのと同じように、300円の枠から思考が飛び出したりしません。
つまり、しれっとお弁当のデザートにバナナをつけるとは考えずに、
「先生!バナナはおやつに入るのですか?」と質問するタイプです。
あくまで300円をどう最大化させる買い物をするかに全集中するのです。
よくも悪くも誰かの決めたルールを厳守することが思考の出発点になっています。
これは、サラリーマンのお昼代の推移でもわかります。先に紹介した「サラリーマンお小遣い調査30年白書」はお昼代も調査しており、1992年には746円だったサラリーマンの昼食代が2012年には510円にまで下がっています。
最近は、ワンコイン500円のお弁当にペットボトルのお茶まで付きますが、それでも何食かに一度は、カップラーメンでさらに安くすますってサラリーマンも多いのです。
「表−2昼食代の30年の変遷」
出典:ライフスタイルラボ「サラリーマンお小遣い調査30年白書」より
収入が少ないから当然、支出を減らす、少なくなったお小遣いの範囲でやりくりすると言う考え方で、サラリーマン全体が行動し始めると、一人一人の行動としては正しいのですが、全体となるとモノは売れなくなり、景気が悪くなります。
その結果として、サラリーマンの給料も伸びなくなる。
これを「合成の誤謬」と呼びます。
金は天下の回りものとは、「貧富は固定しないということ」を指していますが、どうもサラリーマンは今の思想でいる限り、デジタルの時代に取り残されて「貧富は固定」しそうですね。
節約しようにも限界ラインってモノがありますから。
つまり、現代のサラリーマン的思考で行動する限り、遅かれ早かれ未来は小さく縮小していく運命にあるのと言えるのです。
⬛️ まとめ
バブル期のサラリーマンが経済的な循環を考えていたのかは分かりませんが、新しいことに挑戦して、「働いた分だけキチンと所得が増える」「失敗してもまた挑戦すればいい」と言う「サラリーマン的思考」にモードチェンジする必要があると思います。
令和のサラリーマンは、その外向きに努力するやり方を踏襲していき、一方で利益は、バブル期のサラリーマンのような記号消費に使わないで、地域や社会貢献と行ったソーシャルな部分に振り向けると言う、温故知新の考え方です。
そんな方向性が日本社会に芽吹いてきていると感じています。
しかしそれらを、現代のサラリーマンが担っていないと言う点が残念なことです。
内向きに支配されたサラリーマン的思考は今暫く継続しそうです。
なぜなら、リスクを取らない世代をトップに頂くサラリーマンが今後、主役を務めるとは考え難いからです。しかも定年が70歳になる可能性が濃厚になってます。
そして、今後の経済は、高度経済成長からバブル期までのように、日本全体で全業界一律で伸びると言うことはなく、個々に優劣がはっきりとすると予測されます。
コロナで就活生が苦戦している記事を目にしますが、一方で小学生から起業する新しい流れも見えてきています。
「就活?俺、起業だから」って普通に交わされるセリフになっていく未来が訪れるかも知れません。
今回も随分と長文となりましたが、「サラリーマン考 サラリーマン的思考とはなにか?」というテーマで書いてみました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。
少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
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