🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ー自分に都合の良い心地よい世界の住人たちー

　こんにちは、人生探求の旅ナビゲーターのまっつんです。

　世間ではインターネットの次のステージとしてメタバースが注目を浴び始めていますね。ネットの世界を牛耳るテックジャイアント、Facebook社も「Meta」と社名変更する時代です。

　インターネットが「世界のインフラ」となった2000年前後くらいから人々の生活が一変したようです。
　今回は、🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ー自分に都合の良い心地よい世界の住人たちーと題して書いてみたいと思います。

🟦インターネットって、世界でどれだけの人がつながっているのだろう？

　日本に住んでいて、インターネットに１日１回もつながらない生活をしている人はどれだけいるのでしょうか。
　仕事で使うことは当たり前、その合間にせっせとインスタをあげ、Twitterで情報収集し、Facebookでマウント合戦して、YouTubeに浸る。そんな日常をおくっている人は大勢います。

　「世界の人口白書２０２１」では、現在、世界の人口は７８億７５００万人となっています。その中でインターネットを使える人口は、2021年３月現在で５１億７０００万人（普及率６５.６％）だそうです。

出典：World Internet Usersより　https://www.internetworldstats.com/stats.htm 

　そして、さらにインターネットに常時接続しているユーザーの代表をSNS（Social networking service）のユーザーだと想定すると、最大のユーザー数を誇るFacebook（Meta）で、２９億１０００万人（2021年10月現在）と発表されており、世界の人口の３６.９５％になります。
　しかし、インターネットユーザーで見ると実に５６.２８％の人が常時接続が可能な状態となっています。（Facebookは中国ではサービスを展開していないので中国のインターネットユーザー１０億人を考慮すると６９.７８％となる）
　世界の常時接続できるインターネットユーザーの約７割はFacebookを使用しているといえるのです。他のSNSプラットフォーマーを計算に入れるとさらに割合は高くなると思われます。

🟦日本でのインターネットの状況はどうなのだろう？

　総務省の令和3年情報通信白書によると、日本のインターネット利用率は個人で、８３.４％（スマートフォン６８.3%、パソコンが５０.４％）となっています。国民の多くがインターネットを活用できる恵まれた国だといえるでしょう。
　令和4年1月20日発表の日本の人口推計によると１億2544万人（総務省統計局発表）となっており、10歳未満の938万人除いても１億1606万人です。この８３.４％がインターネットに接続可能となっているのです。

令和3年情報通信白書より

　日本国内のSNSユーザーでは、LINEの8900万人が圧倒的となります。ついでYouTubeの6500万人とnoteの6300万人です。Twitterは4500万人であり、Instagramは3300万人、世界の王者Facebookは2600万人です。
実際は同一ユーザーが複数のSNSツールを使い分けていると思われます。　

🟦自分の都合の良い心地よい世界が展開する時代になった。

　これだけ日常に浸透したSNSは新しい「世界のインフラ」として成立していると言えます。だからこそ、各社は次のメタバースでも主導権を握れるようユーザーの囲い込みに必死なのです。
　そのためにはユーザーの利便性を優先させる必要があります。インターネットで検索をすると次から似たような情報がアップされるようになつことは、もはや常識です。このように自分の興味がある情報や好きな情報が優先して集まるようにアルゴリズムが組まれているのです。
　つまり、サービスの運営側が機械的に個別最適化した世界（アルゴリズミック・ワールド）を見せてくれる訳です。ユーザーに都合に良い心地よい世界に長く留まって広告を見て欲しいわけですね。

　中央大学国際情報学部の岡嶋裕史教授が書かれた「メタバースとは何か」でも次のように指摘されています。

SNSはフィルタリングにフィルタリングを重ね、慎重に設計されたグループの中に利用者を囲いこむ。その囲い（フィルターバブル）の中はパラダイスだ。あまりに快適で、つい長時間を過ごしてしまう。その長い時間の間に広告を見せるのがSNSビジネスである。

出典：岡嶋裕史著「メタバースとは何か」P32

　このフィルターバブルの中は、とても快適で、徹底的に不快な要素を排除します。最近、YouTubeが2021年11月10日から段階的に導入している低評価の非表示のようにクリエイターのストレスの素を徹底的に排除して快適な空間に整備する動きがあるのは、この快適化の一環ではないかと思います。
　プラットフォーマーの衰退に繋がるなどという指摘もありますが、フィルターバブルの中で快適な空間を維持するには外界からの不快なノイズはシャットダウンさせる必要があると考えているかもしれません。

🟦自分に都合の良い心地よい世界の住人たちの未来とは

　このようにインターネットの世界では、辛く過酷な現実世界からの逃避と、長時間ノンストレスで、快適に生活できるようなバリアが徹底して整備されて行きます。つまり、ストレスの素である自分と異なった意見や見たくない事実からは徹底的に逃れられるシステムをインターネット上に再現しようとしているのです。
　
　インターネットは世界とつながるツールとして開発されたものが、都合のよい現実逃避の世界へと切り替わるのかもしれません。
　人間は外界からの変化に適応するために知恵が発達し、成長をすることで生存競争に打ち勝ってきた歴史があります。このように適度なストレスは人間の成長に欠かせない要素となっているのです。
　
　自分の都合に良い快適な世界は、ルネッサンス期に錬金術師パラケルススの記した、フラスコの中の小人であるホムンクルスを思わせるのですが、皆さんはどうでしょうか？
　生まれながらにしてあらゆる知識を身につけているホムンクルスはフラスコという守られた世界でしか生きられません。
　パラケルススの死後にホムンクルスの生成に成功した事例はありません。新たな進化が起きるのか今後この快適で都合の良い世界においてメタバースの覇者となった企業が生成に成功するのか今後に動向に興味が湧きますね。

このようなSNSの魅惑に人生の時間の大半を溶かしてしまうのか、うまく利用して人生を楽しむのか、今後のライフ・デザインは、タイムコントロールというよりもより強力なセルフマネージメント能力がなければ、強力な誘惑によって取り込まれてしまうことになるのかもしれません。ライフ・デザインの最も重要なエンジンである「成長」を阻害する要因の筆頭としてSNSが上がることになるかもしれませんね。

　そもそもメタバースの出発点は、人がリアルな世界でやりたくないことをメタバースで処理しようというものだったと思うのですが、人が嫌なモノを排除した世界をメタバースで再現するって真逆な話になっているのが不思議です。
　ストレスの徹底的に排除された世界に長くいると、人の成長という特性が失われてしまうのか、新たな進化が起きるのか数年後に到来するメタバースの世界に乞うご期待です。

以上、🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ー自分に都合の良い心地よい世界の住人たちーと題して書いてみました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

また次回もよろしくお願いします。

🟦現実世界でもメタバースでも最弱だとやってられないよ！まっつんブログ