ポートレートは被写体との線引き
ふと思ったのですが、ポートレートの撮り方で表情について言及している記事ってなくないですか?ボケとかレンズとかライティングの話ばかりの気がします。そりゃそうか、大抵機材訴求のために書かれているのでしょう。
今回はボケとか構図とか背景の整理とか一切度外視して、自然な表情の引き出し方にフォーカスします。
いっちゃんエロいこと考えてよ
僕はこの方にそう言ってシャッターを切りました。いい笑顔。
独立したての頃、僕はこのフィルムカメラで名古屋の商店街百人斬りをしようとしました。
大判型の中判カメラです。独立したてで本当にお金がなかった僕はストリートスナップでお金を頂いて稼ごうと目論んでいたのですが(ちょうどインスタではストリートスナップが流行っていた)、デジカメで行ってもお金を貰える気がしなかったので、修行がてら全部フィルムで撮ろうと思ったわけです。
百人斬りは叶いませんでしたが、半分の52組を撮影に成功し、無事赤字を逃れました。
冒頭に出てきたおじいさん、すごい笑顔じゃないですか。でもね、この方は普段全く笑わない仏頂面で有名な方だったんです。いい笑顔だったのでプリントして持ち歩いていたら商店街の人に「え!どうしてこんなに笑ってるの??」と驚かれました。
この写真たちは、ワンショットしかシャッターを切っていません。フィルムも高価なのでね、ノーミスで行きたかったわけです。皆さんとても柔らかい表情をしています。呼び込みを友人にも手伝って貰っていたのですが、どうも僕が声をかけた人しか撮らせてもらえないのです。なんでだろう?分析してみました。
目が合った人にしか声をかけない
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オラに力を分けてくれって何世代にも渡って伝わるセリフですよね。広辞苑に載せても良いと思います。