【Competitive Middle School】MTGミドルスクールでスコップを売りたい
はじめに
ナヤナベ氏から発表されたMTGミドルスクール 第3回文化祭。discordとwebカメラを用いたオンライン対戦形式で、プロキシ使用可(ただしカラーコピーなど視認性の高いもの)、という事でカード資産のない方でも参加できる大会形式です。第2回文化祭に参加しましたが、ミドルスクールという牧歌的環境も相まって、非常に和やかな雰囲気の大会でした。
しかし、そのミドルスクール界隈に電流が走ります。優勝・準優勝者にこの激渋いプレイマットが贈られるとのことで、勝利に目を血走らせたミドル民が後を絶ちません。
ここで添削氏主催の第1回ミドルスクール名作杯準優勝、及び第2回文化祭優勝であるのこの私が、有料記事を売りさばく事ができれば、さながらゴールドラッシュ時代のスコップ売りになれると思い記事を準備しました。勿論全て私の意見が正しいというわけではありませんが、アウトプットしていきたいと思います。
(有料部分は、私が第三回文化祭で使用するデッキリストとプレイガイド、第二回文化祭全デッキに対するサイドボードプランです。)
〜参考:ワイの勇姿〜
《名作杯》
《第2回文化祭》
ミドルスクールとは
Middle School Magic(ミドル・スクールマジック)は、使用カード範囲がホームランド(1995年)からスカージ(2003年)の非公式フォーマットです。
昔使っていた思い出のデッキや、今の競技フォーマットでは成立しにくいデッキが使えるフォーマットです。
どんなデッキが使えるかは先人方が良記事を上げていただいてるので、そちらをご覧ください。
ミドルスクール対戦環境
上記は私が以前、Twitterに挙げたTier表です。あくまで環境にいるデッキの多さ順ではなく、私が考える勝ちやすいデッキを示した表です。とはいうものTier Cと上位陣のデッキパワー自体に大きな差はなく、噛み合いによってある程度は勝てると思います。要はミドルスクール環境を楽しむなら、好きなデッキを使えば問題ありません。
ただデッキの性質上、意識していないと簡単に負けてしまうデッキが存在します。自分のデッキによっては意識していても、構造上どうしようもない場合もあります。ある意味で環境のデッキ選択の幅を狭めているミドルスクールの番人的なデッキを紹介します。
ミドルスクールの番人
以下の要素を含めば含むほど、プレイングではカバーできない敗北が増えます。環境の足切り要素と言っても良いかもしれません。
要素1:打消呪文のないミッドレンジ・コントロール
要素2:確定除去のないミッドレンジ・コントロール
要素3:マナベースを土地に依存するミッドレンジ・コントロール
※ミッドレンジについては最速で回っても、キルターンが5ターン目以降のアグロデッキも含みます。
この3要素に当てはまれば当てはまるほどミドルスクール環境では勝ちきれません。その理由は3つのデッキの存在のせいです。
要素1:打消呪文のないミッドレンジ・コントロール
キルターンの遅い、非青デッキはこのデッキに非常に不利に立ち回らされます。
ウルザ期スタンダードで活躍したこのデッキ。《大慌ての捜索》や《調律》で墓地に数多のエンチャントを落とし、《補充》を唱える事で《パララクスの潮流》《パララクスの波》《オパールの輝き》を出し、制圧します。《潮流》、《波》、《オパール》が揃うと、こちらの土地とクリーチャーは後続含め永久に追放され、そのまま負けます。
《補充》が絡まなくても、ハードキャストの《波》と《潮流》はそれだけで盤面に大きな影響を与えます。そのためサイド後も墓地対策だけでは機能不全にならない点も強みです。
《モックス・ダイアモンド》や2マナ土地から早ければ3〜4ターン目に上記コンボが成立するため、打消呪文がないとキルターンの関係上大体負けます。こちらの妨害手段が手札破壊の場合、早期にゲームを終えないと後から引いて来た《補充》でゲームを持っていかれます。
このデッキの対策として、まずは打消呪文の採用が挙げられます。《波》、《潮流》、《補充》といわゆるマストカウンターはどれも4マナです。基本的に1ターンに1回しか唱えられません。そこをしっかりと打ち消せば有利に運べます。
また《石の雨》《ハルマゲドン》等の土地破壊に弱い側面もあり、打消呪文がなくても有利に進められます。
ポイントは4マナ呪文を安定して使わせない状態にする事。そのためには打消呪文と土地破壊が有効です。
要素2:確定除去のないミッドレンジ・コントロール
確定除去を持たないデッキは、早期に着地した《ファイレクシアン・ドレッドノート》にそのまま轢かれます。
最速先手1ターン目に出てくる12/12トランプル。私のTier表では高くはないですが、根強い人気があり愛好家が多いデッキがスタイフルノートです。
キーカードの《ドレッドノート》が4枚のみと早期のコンボ成立には少々運も必要ですが、《剣を鋤に》や《悪魔の布告》を採用していないとなすすべなく負ける事もあります。サンプルレシピでは《悟りの教示者》を採用し、《ドレッドノート》を擬似的に8枚体制にしています。
このデッキの対策は上記の通り除去呪文です。除去呪文をプレイする際は《目くらまし》で打ち消されない様気を付けましょう。
要素3:マナベースを土地に依存するミッドレンジ・コントロール
土地をたくさん並べる事を前提にしたデッキは、《冬の宝珠》の前にただ固まるしかありません。
私の愛機、スレッショルドです。キーカードは《冬の宝珠》。このカードが場に定着すると主力カードが3マナ以上のアーキタイプは瞬く間に機能不全に陥ります。
また《熊人間》《敏捷なマングース》を《留意》《入念な研究》で早期にスレッショルドを達成し、各種打消呪文でバックアップされた動きに耐えられるデッキは非常に少ないです。
サイドボードも《真鍮の都》《知られざる楽園》といった5色マナベースから、《仕組まれた疫病》の様なカードをタッチで採用でき、多数のキャントリップ呪文でアクセスが容易です。このサイドボードの柔軟性が、このデッキの最大の長所かもしれません。
またこのデッキは元はsaitomu氏が開発したデッキです。先日誕生秘話の記事が上がりました。
余談ながら私がミドルスクールで最初に構築したデッキはサイカトグでしたが、このデッキのせいで諦めることにしましたw(上記記事大会③のサイカトグは私です)
ではミドルスクールの大会で勝つために、選ぶデッキの基準は何でしょうか?上記3条件に当てはまらないデッキを選べば良いわけです。もし自分の使うつもりのデッキが条件に当てはまった場合、対抗策を準備しておきましょう。
次は特に使いたいデッキが決まっていない方向けに、オススメデッキを紹介します。
オススメデッキ
オススメデッキその1 パララクス補充
番人その1のパララクス補充です。マナベースが土地に依存するようにも見えますが、メインから《浄化の印象》4枚採用と、《古えの墳墓》等の2マナランドと《モックス・ダイヤモンド》採用により、意外と《冬の宝珠》を苦にせず戦えます。動き等については上述の通りなので割愛。
オススメデッキその2 エルフ
《適者生存》と《ガイアの揺籃の地》をフルに搭載するブルジョワデッキです。リアルで資産上組める人には、是非オススメします。旧エクステンデッド級のデッキが多いミドルスクール環境で、このデッキだけが《適者生存》を使える分、唯一の超レガシー級デッキかもしれません。
《適者生存》が着地すると、全てのクリーチャーカードが有効杯となるため青いデッキに有利に戦えます。
また《ワイアウッドの共生虫》、《ムルタニの見習い》が揃うと、相手のアタックを止めながらアドバンテージを稼ぐことができ、アグロデッキやミッドレンジの中長期戦にも耐性があります。
《適者生存》から《憤怒》を墓地に落とし、《ティタニアの僧侶》から大量マナを出し、《カマール》の能力起動に繋げるコンボデッキのような動きでキルターンも早く、練習し甲斐があるデッキです。
弱点は火力を要するデッキ、バーン等にピンポイント除去されるとバリューの高い動きがしにくくなります。
ちなみに相手がエルフデッキの場合、除去を打つ優先順位としては圧倒的に《共生虫》が最優先。
打消呪文の優先順位も、以下のようなイメージです。
《適者生存》>《共生虫》>>《錯乱した隠遁者》等の重量級、《ムルタニの見習い》>>>>>>>その他
オススメデッキその3 スレッショルド
番人その3デッキです。エルフとは違ったプレイ難度があり、ある程度対戦相手の動きを理解する必要があるデッキです。最近、リアル大会では比較的苦手なクリーチャー主軸デッキが増えてますが、サイドボードで対策できるので、わかっていればどうという事はありません。
その他備考
バーンについて
正直オススメデッキその4を挙げるとしたら、それはバーンになります。環境の足切り要素にも引っ掛かりにくく、相手のリソースと交換を無視して本体を狙い続けるこのデッキは有利な相手も非常に多いです。
一押し足りない理由としては《寒気》《赤の防御円》等対策が強烈すぎる点。私が大会に持ち込むなら、生物に《スカイシュラウドの精鋭》等を採用したTwo Deuceのような構成にします。
ライオンの瞳のダイヤモンドについて
先日禁止解除されたLEDですが、現在有効なデッキが待たれる状況です。おそらく出来るとしたらドゥームズデイ系統。オススメデッキに対しては、スレッショルドがキツくて、エルフが速度勝負、パララクス補充に有利といった印象を受けます。また対バーン等の愚直にライフを削るデッキも思いの外キツそうです。
とか書いていたら入賞してましたね。使用者本人曰く「プレイ難度もかなり難しいので流行らなさそう」との事です。
では次は私が第三回文化祭で使用するデッキとそのプレイガイドを紹介します。
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