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吾輩は迷い猫である⑥ 新チラシと猫ババア

吾輩は、迷い猫である。
名前は、梅。
前回は急に、心に直接話しかけられてビックリ。
心配しないでって伝えてもらったんだけど、飼い主は迷走してるみたい。
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④で猫探偵Zさんにしこたま怒られた&反ワク思想を植え付けられましたが、それ以外に、「迷い猫チラシが全然ダメ」とダメ出しをされました。

Zさんは長年、迷い猫チラシを研究して作っています。
たかが15年、「売れんのかな〜これ」と思って広告を作ってる私と、
何十年、「命を助けたい」と思ってチラシを作ってるZさんとでは、訴える力が違うのです。

チラシ講座は細部にまで渡り、私はZさんに効果的なコピーの書き方や写真の切り抜き方、補色の使い方まで、デザイナーの自我を捨てて黙って教えてもらいました。
そして作り直しました。
添付画像の左が元、右が作り直したチラシです。
意図せず指名手配犯みたいになりました。
でもZさんにその後「いいね!」と言われましためっちゃ嬉しい。

・特徴は短く、単語で
・写真は切り抜き、背景など余計な情報を入れずシルエットを見せる
・写真は特徴が最もわかるものを大きく、だいたい顔
・猫の写真を邪魔しない程度に派手な色を入れる
・ポスティングするときはA5(でかいの邪魔)

あと私の持論ですが、電話番号は書いたほうがいいと思います。アドレスだと緊急性が伝わらないのと、お年寄りは電話しかしません。

そんな苦労の甲斐あってか、目撃情報は全部で5件ありました。
全てに出向き、話を聞き、探し、その近辺に更にチラシを撒きました。

野良猫にも「超可愛い顔のキジトラ見たら教えて」と話しかけました。

そんな中、公園で猫に餌をあげているボランティアの方(敬意を込めて猫ババアと心で呼んでいます)に会いました。
野良猫のTNR(Trap捕獲Neuter去勢不妊手術Return元の場所に戻す)活動をし、地域猫としてお世話をしたりする方です。
話しかけると猫ババアはすでに梅のチラシを携帯してくれていました。
「この辺一帯じゃちゃんとした餌やり場はここだけだから、来たらすぐ連絡するね。」

優しい。
これを機に、猫ババアんちでおでんや鶏大根をご馳走になったり、餌を分けてもらったり、カメラを貸したりして、仲良くなりました。(というか一気に近所の知り合いが増えました)

猫ババア曰く、行政公式の活動だとしても、外猫に餌をあげるのは、何かと揉めるそうです。
好きな人と興味のない人の価値観の溝は圧倒的で、埋めるのは難しいのです。
私は、来世は議員になって動物関係に力を入れたいな〜と、思ったのでした。

そして、現世ではもうすぐ私も猫ババアになるんだろうな〜と、思ったのでした。

いろんな出会いがあり捜索の日々にも慣れてきたけど、いつまで続くんだと思っていたある朝。

いつものように、仕掛けまくった7台のカメラをチェックすると、
空き家のカメラに、ほっつき歩いている梅が映っていたのです。
姿を見るのは1週間ぶりでした。
「梅、生きてる!!」

⑦へつづく

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