逢えない時間

彼と逢えるのは5日〜１０日おき。

なかなか電話できる環境じゃないので、LINEのやりとりが主になるから、この間隔でも私には辛い。

会えない間のいつが一番辛いのか。
彼は、３日目から４日目あたりらしい。
私は、あと１日、あと数時間というあたり。

愛し合っている２人の価値観がぴったり合っているわけじゃないことは、私達くらいの歳になると自明の理。
けど、相手の理由も分からなくはない。

1、２日目くらいは、愛し合ったり、見つめ合った感覚や幸せがまだ身体に残っていて、ポーっとしているから、大丈夫。
それが３日目くらいになると、仕事や人間関係の色々で消耗してくる。心身が疲れたとき、美しいものをみたとき、楽しいこと辛いことがあると、そばにあの人がいてくれたらと思う。そして、次に逢えるまではまだまだ長いことを実感する。

そうだよね。３、4日目あたりは辛い。

だけど、あと１日とかあと数時間という時も、結構辛いんだよ。

これは、私の考え方の癖なのかな。

楽しみなこと、待ち焦がれていることがあると、その前に何かトラブルが起きたらどうしようと思ってしまう。
どうか無事にそのときが迎えられますようにと祈るような気持ちになる。
いつもそのくらい謙虚でいればいいんだけど、幸せな予定の前にドキドキして胸が苦しくなるような時間が来る。

ゆっくり息を吐いて、丁寧に時間を過ごそうと考える。針の穴に糸を通すように、無事にそのときが迎えられるようなイメージをする。

誰かを愛するとき、幸せと切なさは いつもセットだ。

辛いときが違っても、私達は共に愛することを堪能してる。

最初のころは、「こうやって、また時々お話してくれますか？」なんて言ってたのに。

どんどん欲張りになる自分を止められず、週に何度も襲う切なさに抗えない。

無防備で愚かな自分は、一緒にいるときに二つが溶け合って一つになる自分と、順序や根拠、全体の利益を重んじて働く自分と同じ。

そんな思いになれる相手は、なかなか現れないことも、私達くらいの歳になると自明の理。