意外と何とかなる
ちょうど1年前のこの日、入社式だった。新しくした背広に身を包み、春らしくも少し肌寒い空気をコート越しに感じながら、未知の世界へ踏み出した。
社会が怖かった。会社が怖かった。理由もなく怒られそうで、自信がなくて塞ぎ込みそうで、訳も分からないままに自分が矮小になっていくのを眺めるしかないと思っていた。
たぶん、かなり幸いなことに、入社前年の11月に滑り込んだ会社は、思っていた以上には自分に合っていた。
始めは険しい顔の上司が怖かったし、声の大きいおっちゃんにびくびくしていたし、同世代とも話が合わなさそうで陰で悪く噂されてるんじゃないかと不安だった。
大学院までで全く勉強してこなかった分野の仕事についていけるかも心配だった。期待外れだと笑われるんじゃないかって。まあその懸念は1年経った今でも変わらないけれど。
とはいえ、1ヶ月もしないうちに、「なんだ、こんなもんか」と思うようにもなった。もちろん仕事は簡単なだけじゃないし、ミスをして先輩に迷惑をかけることもしばしばではあったけれど。まだ1年目なこともあって残業が少なかったのも、気を楽にさせてくれたと思う。
上司の顔は険しいけれど、中身は意外と気さくで仕事に真面目なだけだったり、声の大きいおっちゃんはただ声が大きいだけ(多少気分屋なところはあるけれど)ですごく親身に指導してくれるし、同世代も、酒も飲めないのに飲み会に居座る自分を迎えてくれた。
まあこの辺りは本当に運というか巡り合わせでしかなくて、もしも他の部署だったりしたらこんな風に思ってなかったかもしれない。実際、同じ事務所に配属された同期4人のうち2人は1年経たずに辞めてしまった。2人とも、(中身は異なるとはいえ)退職理由の何割かは人間関係によるものだった。
だからこのnoteのタイトルは、「どんなことでも意外と何とかなる」じゃなくて、「不安なこともやってみれば意外と何とかなる、かもしれない」みたいなニュアンス。
それに、これから仕事が増えていくにつれて、嫌なことも増えていくと思う。特にこの1年はお客さんとのやりとりが多くなかっただけで、この4月以降は担当の案件も振られるだろうから色々と心労も増えそう。だからこの感想も1年後には180°回転してしまっているかもしれない。
ただ、大学院を出た当時の状況から考えると、今は思った以上に充実している気がする。会社が給料を上げてくれたらもっと充実しそうなんだけど……。
良い日も嫌な日もあったけれど、どうにかこうにか1年やってこれた。
そのことを何となく呟きたかったから、取り留めもない文章だけで投稿してみる。
1年目は上からもらった仕事をこなすだけだったから、2年目の今年は少しだけ自分から何か動いてみたい。特に業務の効率化と、解像度を上げる目的で。それがもし他のメンバーの役にも立ったらいいな、と思いつつ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?