世代交代と循環/キチン循環・ジュグラー循環・クズネッツ循環・コンドラチェフ循環
時代の変化が速いなか、仕事をするうえで、これから先の世の中を予測することは必要だ。 自分で何らかの検討をしていれば、実際との対比で、修正がはやくできる。
先に、情報劣化について検討した。 世代交代という点で見ると、寿命(生物的なものと、社会的なもの)と密接に関係している。 健康状態の良くない時代には、世代は早く交代する。現代では世代交代は遅い。
大戦から70余年を経過しているが、子供、孫世代が主役になろうとする時代だ。一方、子供、孫に対し、戦争時の話をリアリティを持って毎年話している親世代がどの位いるだろう? 家に手紙など、記録となるようなものが残っているだろうか? 残っているのはレアなケースだと思う。
会社の場合で考えると、創業者が、2代目、3代目に会社の歴史(産業や会社が発展する過程で、どんな問題が起きたか)の話をしているのだろうか? 2代目、3代目が社員に話をしているのだろうか? 会社の表も裏も見てきた、勤続40年の人が残っているだろうか?
百聞は一見に如かずというけれども、情報が進み、いながらにして見聞きできる世の中になった。 しかし、技術が進んでも、先代が口伝えしないことには、後の者が進んで過去から学ぼうとすることはほとんどない。 仮に学んだとしても、自分の経験として、身につけるのは困難だ。
過去に苦労を乗り越えて、今があるということを身をもって体験した世代が、社会的な寿命を過ぎ、生物学的にもそろそろ全うする。 2代目、3代目と情報劣化した世代となり、過去と似たような過ちを犯す時代に循環しつつあると思う。
確かに、デバイスにより情報伝達は早くなった。 情報は増えたが、人の処理能力はデバイスのように発達しない。寝て、起きて、食べてという行動はいつの時代も変わらない。 行動が変わらない以上、過去と同じ過ちを犯す危険は常にある。 デバイスの進化を自分の能力のように錯覚しないように気を付けたい。
余談で、上の話を考えるきっかけになったのは、工場の製造現場で適切な在庫をいろいろ検討していた時に、景気循環の話に出会ったのがきっかけだ。昔はおおらかだった在庫管理も、現在は精緻に行われているので、必ずしも理屈通り循環していないと感じている。
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