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アカペラ初心者脱却メモ②「ボイパを練習の仲間に入れられるようにしよう!〜基礎知識と練習方法」

こんにちは、アカペラを趣味で続ける社会人のまっつんです。
アカペラ初心者バンドが陥りがちな事の一つに、「ボイパが練習中に放置される」、「コーラス、ベースからテンポキープ以外アドバイスが出来ない」という声をよく聞きます。
ボイパの人からすると仲間外れは寂しいですし、コーラスやベースの人も本当はボイパと一緒に曲を作り上げたいはず!!

というわけで、今回はコーラス・ベース・ボイパ超初心者向けにボイパの基礎知識と、初心者の時に効果が出やすい練習方法を紹介します。
特にボイパは音の出し方に関する動画や記事は多いですが、基礎的な知識やリズムパターンの組み立て方、またボイパ以外の目線で語られる事が少ないと思います。
またなるべく理論ではなく、感覚で理解出来るような書き方をしていきます。

ボイパを巻き込んで良いバンド練習が出来るようになりましょう!

【この記事は10分ほどでお読みいただけます】


基礎知識編①基本の音を覚えよう


ま基礎知識として、ドラム・ボイパの基礎音を説明します。
なぜならボイパに練習中に目を向けられない大きな要因として、「ボイパが何をしているか認識していないから聴こえていない」ケースがあります。
まずは基礎を知り目・耳を向けるところから始めましょう!

本来のドラム・パーカッションでは多種多様な音がありますが、今回は「ポップスをやる上で」最低限必要な音を系統ごとに分けて説明します。
基礎的な部分のみのため、違う打ち方も多々あるのでご注意ください。

○クラッシュシンバル

フレーズの頭や曲の終わりでスティックを振り下ろし「シャーン!」となるシンバルといえばこいつです。
ドラムの周りに複数枚ある事が多いです。

目立つ音でフレーズの始まりで非常によく叩く他、アクセントとして使ったりします。

ボイパの場合は「ビシー」「キシー」「ツィー」のように打つ事が多く、一つ目の音のようにバスドラムと一緒に打つ演奏方法を表現することもよくあります。
基本はフレーズ頭に1拍しっかり打つ楽器、と思っていいと思います。短くなるとぶつ切り感が出やすい印象です。

○ハイハット

2枚重ねたドラム左側にあるシンバルです。
左足でペダルを踏み開け閉めしつつ、主に右手で叩いて演奏します。

足を踏み閉めて叩いた時はクローズハイハットといい「チチチ」と静かで鋭い音、開けた時はオープンハイハットといい「シャンシャン」とクラッシュ系とまた違ったテンションが上がる音が鳴ります。
基本的には常に右手で一定のリズム叩き続けて、曲のリズムの細かさを決める刻みの役割を担います。

ボイパでは「ツツ、チチ」などのクローズハイハット、「チー、ツー」などのオープンハイハットを使い分けられていますが、クローズハイハットでリズムを刻むことが多いです。
その他、先ほど名前をあげたライドシンバルもドラムで刻みに使うと基本静かな音なのでアカペラではハイハットで代用する事もあります。

○スネア系

「タン、タッ」などの気持ちの良い音で、ポップスでは2,4拍目にアクセントとしてやフィルイン(後述します)で多用されます。
また、裏面にスナッピーと呼ばれる蛇腹があり、オンオフ切り替えられますが、ポップスではオンにして叩いた後に蛇腹が鳴る余韻が残る音を使用します。
その他打面に手を置いて外周の金属を叩くクローズリムショットの「カッ」と鳴る音も使われます。(詳しくは調べてみてくださいね!)

ボイパでは声を出すか出さないかで無声と有声の出し方があります。
無声では唇を強く弾き「プ(ス)、プフ、プッ」、元RAGFAIRのおっくんに代表される有声では「トゥフ、トゥ」など、中音域で抜けが良い音が使われます。
静かなシーンで使われるリムショットはみなさん試したことがあるはず!息を吸ったり吐いて「カッ」と音を出すのが一般的です。
スネア系はアクセントになる指パッチンしたい場所、2,4拍目にアクセントをつけるために打ったり連打で使うのが基本です。
またドラムと違ってスネアだけで連打はしにくいので「プクドゥクドゥ」など発音しやすい連打方法が一般的に使われています。

○バスドラム

足で鳴らす低い太鼓です。「ドン、ドッ」と演奏方法と同じく足踏みするようなリズムを表現します。

重みを与えたりノリ方を変えるので、1拍目によく打たれる他、曲のリズムやベースラインのアクセントに合わせて打たれます。

ボイパにでは「ブ、ド、ドゥ」など唇を緩く弾いて低い音を出したり、低い声を混ぜて発音して重い音を出します。
リズムに重みを与えたり、ベースとリズムが合わさることで曲のノリを決める大事な音なので、ベースとバスドラムがあっているかを聞いてみましょう。


基礎知識編②ボイパの組み立て方


さあ実際にボイパのリズムパターンを組み立ててみましょう!
ポップスの曲であれば上記4つの音で概ね演奏が出来ます。

原曲に忠実なアカペラアレンジの場合、まずは原曲のドラムをボイパに落とし込むのが基本です。

が、ここで問題が!!!
ドラムは両手、両足で最大4つの音が同時に出せますが、ボイパは1つです。
(特殊な技術や二つの音を鳴らすイメージで演奏する、は素晴らしいですが今回は例外とします。)

そこでどうするか、今回は初心者向けなので理論的な説明ではなく直感的な説明をします。
ドラムの音は1つのリズムパターンの中で出る頻度が少ない音ほど重要度が高く、優先して演奏すると実際のドラムのノリに近くなりやすいです。
具体的には下記の優先順位で音を選びます。

クラッシュ>スネア>バスドラム>オープンハイハット>クローズハイハット

先ほどまでの説明を思い出していただくと、一般的にクラッシュはフレーズの頭に1回、クローズハイハットは常にリズムを刻んでいますよね?
この場合、フレーズの頭にしかなく始まりを伝える他に代用できない音のクラッシュは重要、逆にたくさん打っているハイハットはリズムの刻みの細かさが伝わればいいので回数を減らしても他の音があれば問題なし、となります。

例としてOfficial髭男dismのPretenderのサビのドラムをボイパにしてみましょう。
原曲のサビのドラムを2小節切り取るとこんな感じです。


一番上の⚪︎と×が合体したのがクラッシュ、×がクローズハイハット、真ん中がスネア、一番下の段がバスドラムです。
これを多重録音を使ってボイパで演奏するとこんな感じです。

このリズムのイメージを持って次にいきましょう。
ここで先ほどの優先順位通りに打つ音を選択して演奏するとこんな感じになります。

ある程度雰囲気を残せて演奏出来ていますよね!
このようにドラムの音を優先順位び選んでいくと、ボイパにした時になぜそのリズムを打っているのか、誰かに説明出来るように組み立てられると思います。
もちろん直感的に打ちたい音を優先するのも大事なので、あくまで基礎の基礎だと思ってくださいね。

そしてフレーズの終わりにはフィルインという、連打したりそれまでと違うリズムを打つフレーズの繋ぎを担うカッコいい部分があります。
このフィルインも同じようにして取捨選択して組み立てると作りやすいですし、次のフレーズにどうすればつながるか、まずは原曲のフィルインがどんなリズムや楽器を使うか聴き込んで真似してみましょう。

練習方法編

さあここまでで基礎知識は終了!疲れた方はまた別の時間にお読みください。

ここからがボイパを仲間にする練習方法です。
難易度順に3段階のステップに分けて説明します。

ステップ①:指パッチンをスネアの位置に打ちながら歌う

ボイパのスネアの位置、2,4拍目に指パッチンをしながら歌いましょう。
音が出ない人はフリだけでOKですし、大きく腕を振る必要もなく、かっこいい指パッチンをイメージしてやってみてください。
鳴らす事より、そこにリズムの中でアクセントがあることを感じましょう。
個人練の時も全体の時もやるとリズムが分かりやすくなります。

この指パッチンがずれている場合、テンポ感やアクセントの共有がうまくいっていない可能性が高いです。上手くいってくると、テンポの共有が出来てきますし、ボイパのスネアを聴く意識が出来るので少しボイパが前より聴きやすくなると思います。

ステップ②:ボイパのリズムパターンを歌ってみる

ここで少しレベルが上がります。
基礎知識編で組み立てたボイパのリズムをみんなで歌ってみましょう!

ここで大事なことは、ボイパの音が出せなくて全然OKなので音の余韻の長さや強さ、スウィングならその揺れる幅など、どんなリズムがどんな雰囲気で演奏されてるかまで落とし込んで歌うことです。

例えば同じリズムを演奏してもこんな違いが出ることがあります。


どうでしょうか?少し違いますよね。
この違いはリズムの揺れ方・感じ方や微妙に異なる長さの違いだったり、そもそもの音の大きさや明るさなどもあります。
このイメージを共有してみんなで歌ってみることでリズムの捉え方が共有できます。
またどうすればやりたい曲のイメージに近づくか考えることで、リズムの観点から曲に表現もつきやすくなります。

1曲全てでなくともサビだけのか、リズムが変わるのであれば特徴的なところだけでもやってみてください。
ボイパや練習を主に進める人中心に「ドゥツータッツク」など文字にしてもいいですね。
繰り返しになりますが、ボイパの音を出すことが目的ではなく、歌ってリズムを共有することが目的です!

ステップ③:ボイパを聴いて②で作ったパターンを元にコメントする

②をやった後に練習をすると、ボイパが前よりも聴こえてくるようになります。
繰り返しになりますが、ボイパが仲間外れにされがちだったのは「ボイパが何をしているか認識していないから聴こえていない」が大きいのでは、と思います。

コーラスの人は他のコーラスも聴いて音程やバランスをとりますが、ボイパはテンポキープくらいしか聴けていないことも最初のうちは多々あります。
(私は自分がボイパをやってみるまで聴けてないことに気づけませんでした。)
聴こえるようになれば、ステップ②でリズムパターンや曲にあった感じ方を把握しているので、そことの差異をもとにボイパにアドバイスができるようになるはず!

なるべく具体的なアドバイスがいいですが、最初は「もっとダークな感じにしてほしい!」とか「ここの繋ぎは一番盛り上がるから派手にしてほしい」くらいから、なんなら「今のカッコよかった!」と伝えるだけからスタートしましょう。
まずは聴いて意見を伝えることが重要です!

ボイパの人の方が当然詳しいので、感覚でも伝えたら修正できるはず。
もし変なリズムを打っていても、リズムパターンのイメージをみんなで共有しているから軌道修正出来ます。
逆にボイパの人もリズムの感じ方が違う人がいたら、「あのイメージで歌ってみよう」と共有できると思います。

そうやっているうちにボイパも含めてみんなでリズムを考えられるようになってきたり、意見交換が増えていけば、ボイパが仲間外れになることはなくなる…はず!!

まとめ

基礎知識編としつつもかなりのボリュームになりました。
既に知っている事も多かったかと思いますが、メンバーで理解しあっている共通言語が増えるだけでも楽しく練習出来るかなと思います。

お読みいただきありがとうございました。
私の経験からの知識なので、色んな意見をお聞きしたいです。
ご意見・ご質問がありましたらぜひくださいませ!

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