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写真の良さは、画素数や新機種がすべてではない
カメラが好きな人は、新しいカメラが発売されるとワクワクしますよね。
前の機種の2,000万画素から5,000万画素になったとか、センサーが新しくなったから高感度でのノイズが大幅に減ったとか、読んでいると欲しくなります。1億万画素のカメラもありますし。
とはいえ、デジタルカメラはもうずいぶん進化してきたので、2世代前のモデルのカメラでも新機種で撮った写真と素人ではもう区別がつきません。
なぜ新しいカメラが欲しくなるのか。
それは「いい写真が撮れそうだから」ということに尽きると思います。
いま持っているのカメラでは撮れないいい写真を、新しい技術のつまったカメラなら撮れてしまうんじゃないかという幻想をいだいてしまいます。
でも、新しい機種ではないといい写真は撮れないのか?
画素数が多くないといい写真は撮れないのか?
新しいカメラにばかり目が行ってしまい、
「いい写真」を撮ることを忘れていませんか?(自分に言ってます)
いい写真ってなんだろう。
わたしたちが撮りたい「いい写真」は「きれいな写真」というわけではなさそうです。
「いい写真」の定義はいくつかあると思いますが、
わたしが思う「いい写真」とは、
日常の何気ない瞬間が、記憶に刻まれるような「絵」になっている写真
です。
知らない誰かが撮った写真を見ても、
そんな写真を見ると、自分の中の記憶がよみがえることがあります。
「きれいな写真」を見ても心が動かない写真はたくさんあります。
(それにも価値や意義があるとは思っています)
新しいカメラを買えば「いい写真」が撮れるんじゃないか、という理由で、つい初心から逃げてしまいそうになるときは、これら写真を見ることにしています。
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実はこれらの写真は2008年くらいにトイカメラで撮ったものなんです。
4,000円くらいのおもちゃカメラです。
ファインダーもないし、モニターもありません。
どんな写真が撮れたのかは、SDカードをパソコンに取り込んで初めてわかります。
フイルムカメラで撮影し、カメラ屋さんで現像してもらった写真をみるときみたいに、ドキドキしました。(40歳以上の方は分かるはず)
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こんなに小さなカメラです。大きさが分かる写真がこれです。
わたしが持っていた機種の後継機ですが、大きさは同じ。
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新品は、販売終了になってました。
メルカリだとまだ売ってましたよ。(2022年3月5日現在)
風景写真家や、ポートレート撮影を仕事にしている人は、やはり画素数が多い機種や、オートフォーカスの精度が高い最新機種が有利なのはまちがいありません。
ただ、新機種が出るたびに、新しいカメラにすると「いい写真」が撮れるような気になってついつい買ってしまいそうになる方は、本当にそれが必要なのかどうか、今あるカメラでも「いい写真」を撮ることはできないか、を冷静に考えてみましょう。(自分に言ってます)
逆をいえば、冷静に考えて新しい機種を買った場合はきっと「いい写真」が撮れるはずですからね。
(新しいカメラ、いい写真を撮るのに役に立つのなら買ってもいいんだよ。自分に言ってます)