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小さな幸せの大切さ
今日はにわか雨の中、私の荒んだ心を浄化するために軽く遠出をした。天気は決して良いとは言えなかったが、遠出中はこれまでの日常を大きく忘れるのに非常に有効だった。
今回の遠出は私と信頼できる先輩の2人で行った。しかもこの軽い遠出が決まったのは昨夜の23時半頃。即決だった。これに至ったのには理由がある。
今年の8月は私の中ではかなり重要な月であり、8月前半は大学院入試の対策に忙殺されており、遊びや遠出の予定なんて考える余裕が全く無かった。試験に関しては、日々対策を練り、何とか無事本番の日を迎え終えることができた。結果はまだ分からないが、とにかく今の私に出来る事は出し切った。あー、どきどき。
そして試験を終え、8月後半に突入したのは良いものの、今度は大学生特有の「暇過ぎる」問題が勃発。私の素質として、忙しさの中に身を置くことである種の安心感を得ていたと考えられる。
「暇すぎる」と自分自身との会話が増える。自分の内面を突き詰めようとする。ただ残念な事に、この会話内容は徐々に熾烈な争いへ変化し、やがて自分の存在意義が分からなくなる。
この会話のなかではあらゆる疑問や感情が浮かんでくる。
「他人との適切な距離感ってなんだ?」
「なぜあの人は私にこんな事を言ったんだろうか?」
「線引きしないといけない人たちっているよな」
「無償の愛を欲しがるくせ、何も言わなくても理解して欲しいなんて、あまりにも自分勝手やん」
「もしかして、今の私には何もない?」
「歩いてる途中で、車とかトラックが突っ込んで来ないかな?」
「生きることにあんまり執着ないんかな、、。」
「私は自分で思っている以上に承認欲求が高いんだな」
「うわ~、めちゃめちゃ性格こじらせてるやん」
「一生、こんな風に悩んで悩んで死んでいくんだろうな」
「典型的な完璧主義者。60%では満足出来ない性格は何歳がきっかけ?」
「人間ってないものねだりやし、私を含め、なんと勝手な生き物なのだろうか」
「自分の信念を他人に強制させてないかな?しないように本当に気を付けているけど、させていたらごめんなさい、。」
「羽目の外し方とは?」
などなど。
このようにして、私はとうとうメンタルブレイクを引き起こしたのである。感情のゴミ箱を逆さにしたかのようにあふれ出した。止まらない。
しかもあふれ出た感情の一つ一つがこれまた重い重い。もう一度ゴミ箱に戻そうか、押し込めようかとも考えたが、これも体のからのSOSかもしれないと感じた。
(もう一つのSOSサインがあったと思う。私は酒にとことん弱いのだが、そんな私が無性に酒を求めるようになった。これも心理的ストレスによるものなのだろうか?こんな症状は初めて)
これは約3ヶ月ごとに訪れるようだ(前回は5月末)。自分ではどうにもこうにも処理ができなくなるのである。自分の口から出てくる言葉に、自分でも驚くのだから、相当溜まっていたのだろう。
私がこのような状態になったとき、その信頼できる先輩に意味深なラインを入れる。そのラインを皮切りに今の自分の精神状態を告白し、通話をさせてもらう。この通話が私の渦巻く感情のはけ口として機能するのだ。本当に感謝しています。
ただ今回はこれまでより事態が深刻だったため、外に連れ出すきっかけをくださった。本当にありがたい。このようにして軽い遠出が決定したのである。
「自分自身と対話する、会話する」
耳触りが良い言葉に聞えるかもしれないが、実態はそれほど綺麗なものでなない。先ほど列挙した私自身との会話の中で出てきた疑問や感情は、おそらく一生解決しない。それっぽい答えが出せたとしても、状況によって簡単に崩れる儚いもの。
悩みは尽きない。しかも解決出来ない事の方が圧倒的に多い。そしてそれらは蓄積していく。自分なりの処理方法を確立せねば。
ご飯を一緒に食べてくれる人がいるって幸せな事。
中身のない会話に付き合ってくれる人がいるって幸せな事。
一つの事柄について、共感してくれる人がいるって幸せな事。
ほぼ同じスピードで歩いてくれる人がいるって幸せな事。
こんな自分であっても気にかけてくれる人がいるって幸せな事。
今日の遠出では、そんな忘れかけていた小さな幸せに気付く事ができた。そして、それらを思い出させてくれた。かなり心が楽になった証拠である。
心が忙殺されていると、なかなか気付きにくいものだ。
感情のゴミ箱を溢れさせる前に、小さな幸せに気付く努力をしようと思った。少し大げさな表現かも知れないが、「今日も無事に生きられた自分を認めてあげようじゃないか。よく頑張ったねって。」
私は明日から、また生き返る。