ノーコードでAIを開発する方法とは?開発事例・無料の開発プラットフォームを紹介
ここ数年、国内外の開発者の間で「ノーコード(NoCode)」という言葉がよく聞かれます。 ノーコードとは、文字通りコードいらずでWebサイトやWebサービスを開発する手法のことです。 このノーコードの開発手法を使って、AI(人工知能)を開発しようとする動きが出てきています。 本記事では、ノーコードでAIを開発して自社課題を解決したい方に向けて、ノーコードでどんなことができるのかを解説していきます。 ノーコードを使ってAIを開発した事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ノーコードAIとは?
「ノーコード(NoCode)」とは、コードを書かずにアプリやWEBサイト・サービスを作成する開発手法のことをいいます。転じて、コード不要でWebサービスを作れる技術そのものや、ノーコードで開発するプラットフォームサービスをまとめてノーコードと呼ぶこともあります。
Webサービスを作るには、コードを書く「プログラミング」という開発手法が一般的です。ですがノーコードで開発すれば、プログラミングの知識を持っていない人や、コードを書けない人でもWebサービスを作ることができます。
プログラミングで開発できるものは数多くありますが、その1つとしてAI(人工知能)が挙げられます。
AIとは、人間の脳の働きを機械で擬似的に再現した技術やシステムのことをいいます。人間の脳では、複雑な物事、曖昧な物事の中から一定の法則を導き出したり、未来を推測したりすることが可能です。こうした人間特有の思考を機械でもできるようにしたものがAIです。
通常、AIを作るにはプログラミングが必須ですが、ノーコードでもAIが作れるサービスが続々と生まれてきています。ノーコードでAIを開発した事例については、記事後半をご覧ください。
ノーコードでAIを開発するメリット
ノーコードでAIを開発するメリットは、大きく4つ挙げられます。
(1)開発期間を短縮できる
(2)開発コストを抑えられる
(3)非エンジニアでも扱える
(4)バグが少ない
(1)開発期間を短縮できる
ノーコードでAIを開発するメリット1つ目は、開発期間を短縮できることです。
システム開発の流れは、大まかに要件定義→設計→プログラミング→テスト→リリースという流れです。開発の目的や実装する機能の優先順位などを定義し、要件定義を実現するための仕様を設計してようやくプログラミングに入ります。
ノーコードでAIを開発する場合、設計とプログラミングにかかる時間を短くし、開発期間を大幅に短縮することが可能です。コードを書かないためプログラミング期間が短縮できるのはわかりますが、なぜ設計期間も短縮できるのでしょうか。その理由は、ノーコードのプラットフォームに既に用意されている機能を元に設計ができるからです。
コードを書いて開発する場合、どのような機能をどのようなコードで実現するのか詳細を決める必要があります。一方ノーコードの場合、Webサービスやアプリによくある機能は既に用意されているため、どの機能を取り入れるか決めるだけで済みます。そのため開発期間を大幅に短縮できるのです。
(2)開発コストを抑えられる
ノーコードでAIを開発するメリット2つ目は、開発コストを抑えられる点です。
開発にかかるコストは、人件費が大半を占めるといわれています。開発には当然プログラミングできるエンジニアが必要なため、エンジニアの作業単価×作業時間分のコストがかかります。
ですがノーコードによる開発の場合、極端な話エンジニアがいなくても開発が可能です
コードが書けなくてもAIを開発できるため、エンジニアの採用コストを最小限に抑えることができます。また、メリット1つ目で解説したように、開発期間が短縮されることでおのずと人件費も削減されます。
(3)非エンジニアでも扱える
ノーコードでAIを開発するメリット3つ目は、非エンジニアでも扱える点です。
メリット2つ目で解説した通り、開発コストが削減できるだけでなく、採用の手間・期間を短縮できます。新しいWebサービスを作るにあたって、エンジニアの開発リソースを確保したり採用したりする手間がないため、意思決定からスムーズに開発まで移行可能です。
エンジニア以外の社員でも扱えるということは、開発後の保守・運用も職種を問わずできることになります。プログラミングの知識がなくても視覚的に仕組みを把握できるため、開発に関わった社員が異動・退職してしまった場合も引き継ぎしやすいです。万が一誤作動や問題が起きた場合も、エンジニア以外の社員も対処できるため、安定した運用ができる点もメリットといえます。
(4)バグが少ない
ノーコードでAIを開発するメリット4つ目は、バグが少ない点です。
バグとは、プログラムにおける欠陥や不具合のことをいいます。コードを書いてプログラミングをする場合、たった1つの記号のミスでシステムが動かなくなることはざらにあります。ゆえに、コードの量が増えれば増えるほどバグが発生するリスクも増え、バグの原因を発見することも困難になるのです。
その点、ノーコードによる開発はコードを書かないため、バグが発生しづらい点がメリットです。ノーコードで実装できる機能は品質が担保されているため、バグが発生することはほとんどありません。仮にバグが起こったとしても、同じプラットフォームの開発事例や対策がWeb上にあるため、バグの特定・除去も迅速にできます。
ノーコードでAIを開発するデメリット
お金も時間も短縮でき、良いことずくめに思えるノーコード。
一方で、ノーコードで開発するデメリットや注意点も存在します。プログラミングによる開発か、ノーコードによる開発か悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
(1)実装できる機能に制限がある
(2)カスタムにはエンジニアが必要
(3)1つのプラットフォームに依存してしまう
(1)実装できる機能に制限がある
ノーコードでAIを開発するデメリット1つ目は、実装できる機能に制限がある点です。
Webサービスが開発できるノーコードのプラットフォームでは、よくある機能は既に用意されています。例えば、アカウント登録やお気に入り登録、問い合わせ、コメントなど、どのサービスにも共通するような機能はテンプレートのようなものがあります。
逆に言えば、珍しい機能や自社独自の機能はノーコードによる開発では実装が難しいのです。
当たり前ですが、プラットフォームで用意されている機能には限りがあるため、実現したい機能と全く同じ機能が用意されていない可能性があります。そのため、開発したいサービスによっては一からプログラミングしなければならない可能性も出てくるのです。
ノーコードのプラットフォームが普及すれば機能のバリエーションも増える可能性が高いですが、汎用性の低い機能や一部のサービスにしか需要がない機能は登場する可能性は低いでしょう。
(2)カスタマイズにはエンジニアが必要
ノーコードでAIを開発するデメリット2つ目は、カスタムにはエンジニアが必要な点です。
ノーコードで開発する場合も、ノーコードでメインの機能を作り、プログラミングで一部仕様を変更したり機能を追加する場合があります。これら機能のカスタマイズにはプログラミングの知識がいるため、エンジニアが必要です。
ノーコードによる開発のメリットに「非エンジニアでも扱える」と解説しましたが、エンジニアやプログラミングの知識が全く必要ないわけではありません。プログラミングの知識がないと、どんな仕組みで機能が動作しているのかがわからないため、テンプレート通りの機能やサービスしか作れなくなってしまいます。そのため、非エンジニアでも扱えるものの、要求通りの機能を実装するならエンジニアが必要になる点は注意が必要です。
(3)1つのプラットフォームに依存してしまう
ノーコードでAIを開発するデメリット3つ目は、1つのプラットフォームに依存してしまう点です。
例えば、開発後の保守やコストの観点から、今使っているプラットフォームから別のプラットフォームに乗り換えが必要になったとします。
コードを書いてAIを開発する場合、コードの中身を乗り換え先のプラットフォームに持っていけば、今までと変わらない機能で開発が続けられます。
一方ノーコードで開発する場合、プラットフォームからプラットフォームへの乗り換えは難しいと考えておいた方が良いでしょう。乗り換え先に全く同じ機能があるわけではなく、プラットフォームごとにインターフェースも異なるからです。また、開発に使ったプラットフォームがサービスを終了してしまった場合、そこから機能を拡張することは難しくなります。このように、ノーコードでAIを開発する場合は1つのプラットフォームに依存せざるを得ない点がデメリットです。
ノーコードでAIを開発した事例
続きは以下、MatrixFlow記事をご覧ください(無料で閲覧できます)。
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