人は孤独だが、ひとりではない。
一遍上人は言った。
瀬戸内寂聴さんはこの言葉を
と解釈した。彼女は出家して「人間は孤独だということ」を徹底的に肝に命じて生きた。
僕は、少しの哀しみを感じつつも
「ほんとうにそうだな」
って思った。
漫画『プラネテス』でタナベは、宇宙を生きがいとし、深遠なる宇宙に憑りつかれ、死してなお宇宙の中を漂うことを望んで宇宙に放たれた男の棺桶が天文学的確率で彗星軌道に乗って地球に戻ってきたときに、こう言った。
僕は
「人は孤独だけど、ひとりじゃない」
って思った。
人はひとりではない。
ひとりで生きてる人なんてひとりもいない。
人はいつまでも孤独だけれど、ひとりではない。
この宇宙がある限り。
そう思った。