踏み出す勇気、立ち止る勇気
この記事は、「エンジニアの登壇を応援する会 Advent Calendar 2019」の13日目向けに書かれたものである。このアドベントカレンダーでは、今年一年のアウトプットを振り返り自身の「今年の成長」を寄稿する。
当初は、自分が今年踏み出した、第一歩をログした下記の記事を加筆・修正して投稿しようと考えていたのだが、状況や考えが変わったこともあり本記事を書き起こすことにした。
こちらの記事は、10月に開催された「エンジニア銭湯」という銭湯で行うLT大会に人生初登壇をした際の記録である。登壇に思い至った経緯から資料の作成、練習、当日の様子を書き起こしたものだ。この勉強会のおかげで、一つ自身の殻を破った。まるで、蛹から羽を伸ばした蝶が初めて自身の姿を見た時のように、たしかに自分の変容を確認できた経験であった。
初登壇からの加速
初登壇を終えた後、フィードバックをもらうことの気持ちよさを覚えた自分は、10月11月と次々と勉強会に参加し、次の登壇の機会を狙っていた状況であった。また、定期的にブログを書きはじめ、こちらでもいささか注目されるような記事を書くことができた。アウトプットに対するモチベーションも高く、順調に2歩目、3歩目を歩んでいくつもりであった。
家族とのすれ違い
私には、娘が2人おり、次女はまだ9ヶ月。夜泣きも始まり手のかかる時期だ。妻にとっては、私が頼りどころである。そう、勉強会に参加している場合ではなかったのだ。ある日、妻からの指摘をうけ、自分は、なんと身勝手な対応をしていたのかと、我に返った。平日は業務後に勉強会、月に数度の休日はカンファレンスに参加。その間、妻は2人の娘の面倒を見続けてくれたのだ。この話については、これらの「経緯、反省、決断」を下記の記事に書き記した。
なんのためのアウトプットか
自分は、なんのためにアウトプットをはじめたのか、「楽しく働くため?」、「成長を実感するため?」、「誰かから評価されたいから?」、、これらすべては「なんのために働くのか」に帰属し、その答えは当然、家族を幸せにするためではないか。なのに、家族にとって自分の行動は、マイナスにしか働いていない。恥ずかしながらこんなことにも気が付かずに、「踏み出した勇気に酔っていた」のだ。
立ち止まる勇気
一度、立ち止まって自身の置かれた状況を冷静に振り返る。現時点の感情に流されず、技術者としての長期的な視点、親として、夫しての視点で何を優先するべきかを整理した。
その結果、しばらくの期間、家族に負担がかかるような自己研鑽は控えることに決めた。ただ一時、勉強会に参加できなくなることがなんだというのだ。エンジニアとしての人生はこれからも続いていくのだから。それよりも家族とその時しか過ごせない時間で喜びを共有することに価値を置き、あくまでその余白としてできることを、これからもアウトプットとして続けていければよいと考えを変えた。
制約と誓約(完全に止まらないために)
とある緋色の目をしたクルタ族が念能力を高めるために課したあの話である(わからない人は調べて)。私の場合は、「子育ての大変な時期を脱するまでは、家族を優先するという誓約」と「完全には歩みは止めないという制約」を立てた。たとえ、勉強会に行けなくてもできることは無数に存在するではないか。せっかく、歩み始めた第一歩を、無駄にはしない。そのモチベートの方向性を少し変えたアウトプットを展開できないか考えた。
その結果、向きを変えた第一歩として、仕事中にできるアウトプットとして社内Podcastを始めた。社内と入ってもまずは部署内から。部署のコミュニケーション活性化のために、部員の経歴を紹介するといった内容だ。部署内ではそれなりに好評で、これからも継続していたいと思っている。
某漫画では、「誓約と制約」は制限や誓いを自身に課すことにより、爆発的に能力を高めるルールである。私自身にとっても、「誓約と制約」が短時間で密度の濃いアウトプットを残すためのトレーニングとなるよう、今後も精進していくつもりである。
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