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【活動報告】「夜のADL」について語ろう~性の仮面舞踏会~

2024年7月21日に開催されたリアル臨床の企画で「「夜のADL」について語ろう~性の仮面舞踏会~」を担当しました。これは、患者、利用者の性行為・性生活に向き合うためのグループワーク形式の企画です。性の仮面舞踏会というサブタイトルは、参加者のプライバシーを配慮するためにベネチアンマスクを使用してみたらどうだろう?と考えた結果です。

なかなか話題にしにくいテーマですが、これまで対話の機会を大切にしてきたリアル臨床だったら…と思い企画をしました。

今回は活動報告になります。


リアル臨床とは?

「リアル臨床」は、NPO法人メディカルリハビリテーションが2009年より過去12回開催している、リハビリテーション関連職種の学びの場です。全国からセラピストが集まり熱いディスカッションを交わす“臨床家のアウトプット大会”として開催してきました。様々な分野で活躍するセラピストたちによるトークセッションや、学生から社会人への質問など、多角的な視点からの見解を聞けることは「リアル臨床」の大きな魅力となっていると言えます。

リアル臨床2016の様子

リアル臨床2024は?

「リアル臨床2024」は、複数人でディスカッションするため「講師と受講生」という形式ではなく、「リアルな視点、考えを伝える演者と視聴者」という形式で開催しました。プログラムには、デイスタッフが抱える悩みの解決、キャリア、人材教育、震災関連など、症例発表以外にも多岐にわたってテーマを用意しました。その一つが「夜のADL」というわけです。

リアル臨床2024プログラム

「夜のADL」って何なん?

性行為や性生活は、プライベートで複雑な行為であるため、ADLとして認識されにくい構造的な問題があります。またリハ職が直接支援する対象の範囲を超えることから、話題になることも少ないように感じます。

性行為や性生活に関する問題は、疾患や障害の種類、患者の年齢、個人のライフスタイルによって異なります。身体機能的側面だけでなく、自尊心やパートナーシップといった心理社会的側面の影響も大きいです。

性行為や性生活に対して、私たちはもう少しフラットに話ができても良いのではないでしょうか?性行為・性生活を「夜のADL」とカジュアルな感じでとらえなおしました。

「性の仮面舞踏会」って何なん?

プライベートな内容を初対面の方々と話をするのって、勇気がいりますよね。リアル臨床スタッフと相談する中で、「ベネチアンマスクを着けて話をしたら、対話の内容としてもぴったりじゃない?」という話になり、「性の仮面舞踏会」というサブタイトルが決定しました。

今回の対話の目的

・性行為・性生活を「夜のADL」とカジュアルな感じで捉えなおす

・リハビリテーション職で「夜のADL」に対してフラットに対話をすること

・患者さんや利用者さんに対して、今後の関わりの選択肢を広げる

対話の中から感じたこと

炎上してしまうかもしれない内容なので、しっかりと準備をしました。今回の企画の趣旨、私自身が患者さんから問いかけられた内容を具体的に示しました。その上で、リハビリテーションにおける「夜のADL」は構造的な問題になっている可能性があることに加え、このような可視化されない領域がまだまだあるのではないかという話題提供を行いました。(このあたりは私がペイシェントサロン協会で関わっている患者協働の文脈に繋がると思っています)

対話のテーマとしては、参加者の属性などが事前に把握できなかったため、「夜のADLについてどのように話せたらよいでしょうか?」にしました。

性差、年齢、具体的な取り組みなどなどさまざまなアイデアが出てきました。話しにくいと思われるような内容であっても、安心して話ができる準備を整えることで、とても実りのある対話ができたのではないかと思います。

今回、「リアル臨床」で初めて行った試みではありますが、「夜のADL」についての対話を深めていきたいと思いました。


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