「コミュニティマネジメントの基本理論」とは?東京都福生市での講演会
私はコミュニティマネジメントインストラクターとして、行政から依頼を受けて講義をすることがあります。
今回は東京都福生市からの依頼で「コミュニティマネジメントの基本理論」というテーマでお話をしてきました。講座についての内容と感想についてお伝えします。
コミュニティマネジメントとは
NPO法人CRファクトリーは、コミュニティ支援事業を通じて、温かく質の高いコミュニティを築くことを目指しています。2005年から全国の様々な非営利組織、ボランタリー組織とかかわる中で、コミュニティ運営の基本原則としてまとめたものがコミュニティマネジメントになります。私はコミュニティマネジメントインストラクターとして、全国のコミュニティーの支援をインストラクター仲間と一緒に推進しています。
東京都福生市での講座
今回の講演会の目的は、市民への地域づくりへの参加意識の醸成と活動支援でした。そこで、市民や市民活動団体、地域コミュニティが自主的あるいは市や関係機関との協働により地域課題を解決できるようなきっかけに講演会の設計を行いました。
講座の内容
今回の講座では
・越谷市での私の取り組みを交えた自己紹介
・非営利組織の運営の難しさ
・コミュニティマネジメントの基本原則
・新たな仲間の巻き込み方
について講義だけでなくグループワークを行いました。
今回は自治会で活動している方が多かったこともあり、越谷市の人口動態などを自治会レベルでお伝えしたデータを提示したのですが、自治会の課題を共有するうえで役立ったような気がします。
以前の記事で地域ごとの高齢化率の算出方法をお伝えしました。地域の様子をイメージしやすくするためには、数字って重要ですね。
グループワークについて
参加者が4人くらい一つのテーブルに集まって、対話を行いました。立場の異なる方が対話することで、様々な気付きやアイデアが生まれてくるので、私はワークショップを大切にしています。
時間の関係ですべてのグループの様子を発表してもらうことができなかったのですが、各グループともに活発な対話が進められていました。参加者の方から、「他のグループの様子も是非聞きたい!」ということで、急遽福生市の担当者の方にグループワークの内容をまとめてもらうことになりました。その様子はホームページに記載されるそうです。
感想
「あなたにとって、コミュニティ活動に参加するうえでのお金以外の報酬は?」という問いに対して、大学生の参加者から「思い出」という回答がありました。この話を全体にシェアしてくださった方は、「日々忙しく活動をしていると、思い出なんて発想は全くなかった」と言っていました。
この話を聞いて、「私は、日々仲間と一緒にする活動で、思い出になるようなことをつくれているだろうか?」と自問自答しました。作業をすることが優先となってしまい、「今日も楽しかったね」なんて機会も少なくなっているのではないか。私自身も気付きを頂いた瞬間でした。
講座終了後には、参加してくださっていた市議会議員の方とお話ができました。「福生市の地域課題は何ですか?」と尋ねたところ、福生市の状況を明確に教えていただきました。その中で私が興味を持ったのが、「多様性」ということです。
福生市は人口の6%が外国人で、国籍も多様になり、現在約60か国の国籍・地域の方が住んでいるそうで、都内26市の中で1位です。17人に1名の割合が外国人ですから、クラスに外国人が多くいることも当たり前になりますし、当然地域でも外国人の方が参加するコミュニティも増えてくると思います。外国人比率が高いところでは、もしかしたら旧来型のコミュニティと異なる点が増えてくるのかもしれません。この点については引き続き理解を深めていきたいと思いました。
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