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小学校の学区はどのように決まる?学区審議会員に必要な視標

地域リハビリテーションの領域では、地域の高齢化率は重要な指標ですよね。市町村レベルだけではなく、自治会レベルでの高齢化率が分かると、地域で求められていることが推察することができますよね。「〇〇市△△町◇◇丁目」の△△町レベル、◇◇丁目レベルでの算定についてはこれまでにお伝えしました。

また、現在の高齢化の状況が将来的にはどうなるかというのも気になるところです。5年前と現在の人口から、5年後の高齢化率を推定する方法もお伝えしました。

ではこういった人口に関連するデータがどのように役立てられているかということを、越谷市学区審議会委員で体験したのでご報告しますね。


高齢化率以外の視標

国勢調査を用いたデータからは高齢化率以外にも様々なことが読み取れます。15歳未満の年少人口や、15歳以上から65歳未満の生産年齢人口もわかります。ちなみに越谷市のj年少人口の割合ですが、令和6年のデータでは12.0%になります。令和4年の国勢調査によると、全国での年少人口の割合は11.6%なので、越谷市は全国平均をやや上回っていることになります。


子どもの数がなぜ重要?

15歳未満の子供の数がなぜ重要になるかというと、小学校、中学校に通うからです。学校のクラス数は急に増やしたりすることは難しいですよね。クラスを増やすということは、新しい教室を増やすということです。空き教室がない場合には、仮設校舎を建設するようなこともあります。

教室が足りないなら、仮設校舎を増やせば良いかというと、そういうわけにはいきません。仮設校舎はどこに作るか。校内に作るの場合は、仮設校舎分の校庭が狭くなってしまいます。校庭が狭くなってしまうと、子どもたちが運動しにくくなってしまいますよね。

子どもたちが運動するのにどれくらいの広さが良いのか?そんな視標に一人当たりの校庭使用面積という視標があります。仮設校舎が増えて、校庭が狭くなれば、この指標は小さくなります。また、児童数が増えても、小さくなります。


学区の果たす役割

校庭使用面積の問題だけではありませんが、近隣校で児童数の差があるのはあまり良い状況でありませんよね。そうならないように、学区が調整されています。

学区は旧来より決まっているものですが、児童数の増加に伴い、学区が変更されることがあります。A校に通うA地区の児童が増えてきたため、A地区の児童はB校に通ってもらおう、といったような感じですね。

ただ、学区の変更はそんなに簡単に行えるものではありません。これまでの地域の歴史などを考慮しなければ、地域住民の方の理解が得られません。


学区審議会に参加して

PTA活動をしていた時に、越谷市学区審議委員に委嘱されていました。学区の再編成って、本当に大変でした。

△△町◇◇丁目のどこで学区を区切るか。区切った場合の児童数、数年に渡る学校の児童数推計などなど様々なシミュレーションがなされます。また地図を参考にしながら、通学路や登校時間などの検討もされます。変更案が決まったら、市役所の職員が地域住民に対して説明会を何度も開催する…。

同じ自治会でも通う学校が異なるということも生じうる。子どもだけでなく、保護者にとっても学区変更はとても重要な問題になりますよね。


まとめ

学区を変更するのは様々な情報が必要になりますが、人口推計の精度が低かったら、適切な学区の設計が行えなくなります。

私は理学療法士として高齢化率に関心がありましたが、地域づくりを考える場合には、地域とのつながりがある学区も押さえておかなければならないかもしれません。その際に必要となるのが、年少人口であり、その推計であったりするわけです。

データが万能というわけではありませんが、データで地域が見えてくることもありますね。

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