衆院選比例ブロックの過去結果から、議席獲得な得票率をまとめ(②東北ブロック編)
まえがき
「衆議院比例代表の各ブロックの選挙結果(過去6回)から、1議席獲得に必要な得票率をまとめる」シリーズの第2回です。
衆議院における比例代表選挙では、
47都道府県を11ブロックに分割しています。
比例代表はドント方式といって、一定の得票率を獲得することで1議席得ることができますが、ブロックによって定数が異なるため、
当選(1議席獲得)に必要な得票率も異なります。
各ブロックごとの状況を、過去6回分算出しましたので紹介します。
前回の北海道編はこちら
01.比例区東北ブロックの定数
東北ブロックの定数(当選枠)は、次回から12議席に減少します。
第45回~47回は14議席、第48回~49回は13議席でした。
青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の計6県が対象エリアとなります。
11ある比例ブロックでは、
四国ブロック(6議席)に次いで2番目に少ないです。
これは1議席獲得のためには2番目に多くの得票が必要となる、
すなわち2番目に難しいブロックであるということになります。
(後述しますが、平均5.96%の得票が必要になります)
過去の定数は13、14議席ですが、
本ページでの分析は12議席だったものとみなして話を進めます。
02.比例区東北ブロックの傾向
02-01.過去6回の全党の得票数
過去6回(2005年の第45回~2021年の第49回)の全党の得票数です。
備考:表の読み方
表は左から、以下のようになっています。
◆過去6回の衆院選の回次と開催年
下に行くほど新しくなります。
◆割る数
ドント方式では、得票数を自然数で割った値を使用します。
◆政党名と各党の得票数、獲得議席と得票率
[1]の値が実際の得票数であり、[2]以降は、得票数をその数字で割った値になります。
(補足1)
全ての政党で2.3.4….と割った値を算出して、以下のように色付けしています。
(補足2)
・「民主党」として1まとめにしていますが、
2014年までは"民主党"、2017年からは"立憲民主党"です。
・「維新」として1まとめにしているものは、
2012年は"日本維新の会"、2014年は"維新の党"、2017年から再び"日本維新の会"です。所属議員は一部入れ替わっていますのでご注意ください。
[人]の値のうち、上側は当時の当選者数、下側は現在の定数12で計算し直した場合の当選人数です。
◆ボーダー当選の値と、前後の値
ドント方式による計算によって、1議席獲得に必要となる「ボーダーライン当選の数値(つまり、最下位でもいいので当選するために必要な票数)」と、その前後(「ブービー当選」と「次点」)の値を示したものです。
◆有効票と1議席ボーダー
・「有効票」は、各政党が得た有効票の総数です。
・「1議席獲得に必要なボーダーライン」は、「次点の数値に1を足したもの」を「有効票」で割ったものになります。
1を加算していますが、実質的にはほぼ無視できる差分になりますので、次点の得票率と近似します。
(以前は「ボーダー当選の数値」を「有効票」で割っていましたが、変更しています)
02-02.過去6回の主要政党分の得票率と獲得議席
表2は、議席を獲得した政党+れいわ新選組などの主要政党分を抜粋したものです。
【注意事項】
当時は定数が13,ないし14ですが、
次回の定数12をボーダー(最下位当選)とした場合で計算し直した数値となります。
青で記したものは議席が減る党です。
以前は13位で当選できていたものが、次回からは当選できなくなります。
当選枠が少ない場合、1議席獲得に必要なボーダーラインは上がることになりますが、東北においては
最も低い得票率でも当選できたのが、2014年の5.62%。
最も高い得票率が必要にだったのが、2005年の6.25%。
6回平均では5.96%でした。
なお、小政党が乱立するとボーダーが下がります。
02-03.読み解ける地域的特徴
表2で黄色、ないし青くなっている部分に着目すると、
自民党、立憲(民主)党、公明党で大半の議席を分け合う状況です。
前回2021年は自民が6、立憲が4、公明が1、維新が1、共産が1でした。
なお次回からは定数が12になるため、得票率が全く変わらなければ立憲は3議席となってしまいます。
ちなみに共産党は、6回とも1議席を獲得していますが、12位までを当選と見なした場合、2005~12年の3回分は議席を獲得できていません。
02-04.12位当選の得票数
表3は、表1における12位当選に相当する得票数を抜粋したものです。
この数値は定数を12としたときの最下位当選となる得票数なので、これより得票数が少なくても当選は可能です。
(次点よりも1票でも多く取っていれば当選はできるため)
13位や14位で当選できた頃に比べると、さらに2~5万票上積みが必要となります。
03.れいわ新選組の状況
03-01.れいわ新選組の得票状況
れいわの過去の東北ブロック内における得票率ですが、
・2019年/参議院選挙は、
・2021年/衆議院選挙は、143,265票/3.48%
・2022年/参議院選挙は、150,082票/4.03%でした。
3回だけのサンプルしかありませんが、順調に増加傾向です。
しかしながら5.96%をターゲットにした場合、
前回の参議院選挙比でも1.5倍程度の上積みが必要です。
倍増が必要な北海道ほどではないにせよ、
それでもハードルは決して低くはありません。
03-02.れいわ新選組の候補者擁立状況
2023/08/21時点では東北ブロック内では候補者は発表されていません。
過去道内では選挙区(衆議院では小選挙区)には候補者を出していません。
選挙区に候補者を出した場合には比例票も確実に伸びるため、一定の相乗効果が見込まれますが、小選挙区において10%得票できないと復活当選ができなくなりますので、戦略は大事になります。
任期が迫っていた一昨年の衆議院選挙では、お盆明けに比例単独候補者の擁立を公表しました(結果的に10月末に選挙となったので、活動期間は2ヶ月半)が、今回はまだ任期が半分以上残っています。
解散は(支持率も低迷している現状では)当面無さそうなことも踏まえると、比例単独であれば候補者発表はまだまだ先になりそうです。
なお、小選挙区に候補者を立てる場合、小選挙区は21区あります。
・青森県、岩手県、秋田県、山形県 ・・・3区
・福島県 ・・・・・・・・・・・・・・・4区
・宮城県 ・・・・・・・・・・・・・・・5区
福島では野党系が強いものの、他県では自民党が強い地域です。
専ら人口が多くてエリアが狭い都市や、後述の地方議員が属するエリアに立てることになるでしょう。
その場合でも1名~3名でしょうか。
もちろん今回も比例単独のみとなる可能性も十分あります。
ただしマスコミの政党支持率も上昇傾向で、今後の伸び次第では議席獲得に至る可能性もあります。
北海道よりは立てる可能性が高いといえます。
自治体単位での得票率まではまだ調べ切れていませんので、後日更新することにします。
03-03.れいわ新選組の地方議員
2023/08/20時点での道内の地方議員は4名です。
れいわ新選組公認候補で今年当選した方が3名、
今年選挙が行われる現職議員が1名です。
順次各ブロックについて考察を上げていきます。
候補者が発表され次第、本ページも更新予定です。
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