衆院選比例ブロックの過去結果から、議席獲得な得票率をまとめ(①北海道ブロック編)
2024年衆院選挙向けに追記しています。
一部データは2023年時点のものです。ご了承ください。
まえがき
2年前の昔話ですが、「れいわ新選組からの衆議院選挙:立候補予定者をまとめる」という記事を書きました。
全ブロック分を書く前に息切れしまいましたので、
改めて最新版として記載してきます。
衆議院選挙を迎える前になんとか全て書き記したいなと思います。
衆議院における比例代表選挙では、
47都道府県を11ブロックに分割しています。
比例代表はドント方式といって、一定の得票率を獲得することで1議席得ることができますが、ブロックによって定数が異なるため、
当選(1議席獲得)に必要な得票率も異なります。
各ブロックごとの状況を、過去6回分算出しましたので紹介します。
今回は北海道編です
その他のブロックはこちら
01.比例区北海道ブロックの定数
北海道ブロックの定数(当選枠)は8議席です。
北海道だけが対象エリアとなります。
単一の都道府県で一ブロックなのは、他には東京都しかありません。
東京都は単独で1400万人(日本の人口の1割以上)が居住していますが、
北海道はその3分の1強程度です。
過去6回において定数は8のまま変わりません。
小選挙区数が12あるので、道内選出の衆議院議員は合わせて20名です。
11ある比例ブロックでは、
四国ブロック(6議席)に次いで2番目に少ないです。
これは1議席獲得のためには2番目に多くの得票が必要となる、
すなわち2番目に難しいブロックであるということになります。
(後述しますが、平均8.27%の得票が必要になります)
02.比例区北海道ブロックの傾向
02-01.過去6回の全党の得票数
過去6回(2005年の第45回~2021年の第49回)の全党の得票数です。
備考:表の読み方
表は左から、以下のようになっています。
◆過去6回の衆院選の回次と開催年
下に行くほど新しくなります。
◆割る数
ドント方式では、得票数を自然数で割った値を使用します。
◆政党名と各党の得票数、獲得議席と得票率
[1]の値が実際の得票数であり、[2]以降は、得票数をその数字で割った値になります。
(補足1)
全ての政党で5で割った値までを算出して、以下のように色付けしています。
(補足2)
・「民主党」として1まとめにしていますが、
2014年までは"民主党"、2017年からは"立憲民主党"です。
・「維新」として1まとめにしているものは、
2012年は"日本維新の会"、2014年は"維新の党"、2017年から再び"日本維新の会"です。所属議員は一部入れ替わっていますのでご注意ください。
◆ボーダー当選の値と、前後の値
ドント方式による計算によって、1議席獲得に必要となる「ボーダーライン当選の数値(つまり、最下位でもいいので当選するために必要な票数)」と、その前後(「ブービー当選」と「次点」)の値を示したものです。
◆有効票と1議席ボーダー
・「有効票」は、各政党が得た有効票の総数です。
・「1議席獲得に必要なボーダーライン」は、「次点の数値に1を足したもの」を「有効票」で割ったものになります。
1を加算していますが、実質的にはほぼ無視できる差分になりますので、次点の得票率と近似します。
(以前は「ボーダー当選の数値」を「有効票」で割っていましたが、変更しています)
02-02.過去6回の主要政党分の得票率と獲得議席
表2は、議席を獲得した政党+れいわ新選組などの主要政党分を抜粋したものです。
当選枠が少ない場合、1議席獲得に必要なボーダーラインは上がることになりますが、北海道においては
最も低い得票率でも当選できたのが、2012年の6.99%。
最も高い得票率が必要にだったのが、2014年の9.19%。
6回平均では8.27%でした。
なお、小政党が乱立するとボーダーが下がります。
02-03.読み解ける地域的特徴
表2で黄色くなっている部分に着目すると、
自民党、立憲(民主)党、公明党で大半の議席を分け合う状況です。
前回2021年は自民が4、立憲が3、公明が1と、3党で独占。
北海道では鈴木宗男議員を中心とした「新党大地」の得票率が高かったため、かつては1議席を3回連続で獲得していました。
宗男議員は前回より日本維新の会との重複所属であるため、前回は維新の得票率も伸びましたが、僅かに届かず次点でした(8位の自民4人目とは約500票差、率にして0.0187%差)。
ちなみに共産党は、2017年(8位のボーダー:23.8万票)、2021年(21.5万票)、どちらも約8000票届かず、議席を獲得できていません。
議席獲得は、過去6回では12%得票した2014年の1度だけ。
共産党でさえ容易に1議席すら獲得できないハードルの高いブロックです。
02-04.最下位当選の得票数
表3は、表1における最下位当選に相当する得票数を抜粋したものです。
つまり北海道の場合は8位相当です。
この数値は最下位当選の得票数なので、これより得票数が少なくても当選は可能です。
(次点よりも1票でも多く取っていれば当選はできるため)
前回は僅か500票未満の差でしたが、6万票以上差があった回次もあります。
03.れいわ新選組の状況
03-01.れいわ新選組の得票状況
れいわの過去の北海道内における得票率ですが、
・2019年/参議院選挙は、*91,481票/3.85%
・2021年/衆議院選挙は、102,086票/3.97%
・2022年/参議院選挙は、*97,375票/4.19%でした。
3回だけのサンプルしかありませんが、順調に増加傾向です。
しかしながら8.27%をターゲットにした場合、
前回の参議院選挙比でも2倍程度の上積みが必要です。
先述の通り、共産党でさえ1議席すら獲得できないハードルの高いブロックですので、「共産を超えても、それで議席が取れるかは微妙」な世界です。れいわ新選組が議席を獲得するのは相当ハードが高いと考えるのが自然です。
03-02.れいわ新選組の候補者擁立状況
過去道内では選挙区(衆議院では小選挙区)には候補者を出していません。
選挙区に候補者を出した場合には比例票も確実に伸びるため、一定の相乗効果が見込まれますが、小選挙区において10%得票できないと復活当選ができなくなりますので、戦略は大事になります。
選挙直前、道内では比例単独で候補者が発表されました。
のむらパターソン 和孝氏、旭川市議(立候補により自動失職)です。
(以下、2023年時点の記述)
ちなみに、任期が迫っていた一昨年の衆議院選挙では、8/16のお盆明けすぐに比例単独候補者の擁立を公表しました(結果的に10月末に選挙となったので、活動期間は2ヶ月半)が、今回はまだ任期が半分以上残っています。
解散は(支持率も低迷している現状では)当面無さそうなことも踏まえると、比例単独であれば候補者発表はまだまだ先になりそうです。
もし小選挙区に候補者を立てる場合、道内に小選挙区は12区ありますが、
専ら人口が多くてエリアが狭い札幌市や、後述の地方議員が属するエリアに立てることになるでしょう。
その場合でも1名~2名でしょうか。
今回も比例単独のみとなる可能性も十分あります。
マスコミの政党支持率も上昇傾向ですが、議席獲得に至るにはまだまだなので。
自治体単位での得票率まではまだ調べ切れていませんので、後日更新することにします。
03-03.れいわ新選組の地方議員
2024/10/26時点での道内の地方議員は2名です。
れいわ新選組公認候補で今年当選した方が3名いましたが、現在は1名です。
(1名は上記ののむら氏で失職。もう1名は今年離党)
また選挙当選後に入党した方が1名です。