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いざ!丹沢ソロデビューへ〜大山〜

4月中旬。
今回選んだ山は、神奈川県の丹沢大山国定公園にある大山。
大山は別名が「あふり山」とあり、相模湾の水蒸気を含んだ風の影響で雨が降りやすく「雨降山(あめふりやま)」そして「阿夫利山(あふりやま)」と呼ばれるようになったとか。
古代から神聖な山として崇められてきたそう。
山の美しさだけではなく、山中にあるさまざまないい伝えや、参道、そして神社、どこにいっても風情があり魅力を感じる山、愛される山だと思った。
標高1,252m。
登山のスタートになる大山ケーブル駅の標高はおおよそ400mなのでてっぺんとの標高差は850mほどになる。
ケーブルカーに乗れば終点の阿夫利神社駅の標高はおおよそ700mなので550mほどの標高差になる。
私は今回ケーブルカーを使わなかったので、これまでで一番の標高差の山へのチャレンジとなった。

今回の大山山行ルート

新宿で予定よりひとつ前の小田急線急行に乗り込み、1時間ほぼ熟睡して伊勢原駅に到着。
これだから車でいく気になれない。電車は睡眠確保には欠かせないのだ。
伊勢原駅でお手洗いを済ませてバス乗り場へ。
出発の10分以上前についたがすでになかなかの列ができていた。
どうやら山のぼりではなく、出勤の方々のようだった。

今日はどこにのぼろうかとても悩んだ。
最初は別の山にのぼるつもりで準備していたのだが、富士山方面の高速バスが満席で取れなかった。桜かな?観光客の方がふえているのに甘かった。
そこで浮上したのが丹沢。
丹沢は少し鍛えられてきた私にちょうどよいコースがたくさんある。
「今回は過去にのぼった経験のある大山にしようか」
と、考えるも丹沢は”ヤマビル”の宝庫。
秦野市の情報によると

ヤマビルの活動時期は4月~11月で、気温が20度以上の雨か、雨上がりの天候の時に最も活発になります。
気温が上昇する4月下旬から地表にいる個体が増え、6月~7月の梅雨や9月の秋雨の時期に特に活動が活発化し、気温の低い12月~3月は、地表から姿を消し、落ち葉や石の下などに潜んでいます。

秦野市役所webサイト

とある。
GWまでは大丈夫だろうと思いつつも、ひとりでヤマビルに出逢ったら悲鳴ものだ、、と別山を考える。
さんざん考えた末、アクセスの良さと標高差や山の魅力を考え、やはり大山にしよう!と決意。
「ヤマビルにひるんでいては山にはのぼれん!」
と、スポコン魂を奮い立たせヒルヨケスプレーと塩を用意し、いざ大山へ!

ほぼ予定通りの8:40、大山ケーブルバス停に到着。
まずは昔ながらのお土産屋さんやお食事処がたち並ぶ、こま参道をのぼりケーブルカーの入り口まで向かう。

こま参道

こま参道には江戸時代から続く「大山こま」をデザインしたタイルが27ヶ所あり、山のぼりがはじまる前から遊び心をくすぐってくれる。

27個目のタイル

こま参道を過ぎるとケーブルカーの入り口だ。
私はトレーニングを兼ねているのでケーブルカーには乗らず、女坂をのぼって阿夫利神社まで向かうことにした。

男坂と女坂の二つのルートがある

女坂には見どころがいくつかあって、まずは「女坂の七不思議」という立て看板が目に入る。

「女坂の七不思議」の看板

のぼっていくと「女坂の七不思議」の7つの看板が順に登場し、ついつい写真を撮ってしまう。

爪切り地蔵

女坂は比較的傾斜が緩いのだろうなあと思っていたが、いやいやそんなことはなかった。
結構のぼる。
とにかく階段が多くて、階段が苦手な私の体力をどんどん奪っていく。
そうしてもうひとつの見どころである「大山寺」に到着。
えっと、この階段、ちょっと、、、

大山寺への階段

これから待ちうけている大山登山道を考えるに、ここは遠くからみるだけにしてすごすご退散した。
女坂は整備された道がほとんどだったが、後半に少し鎖場がおめみえする。
鎖場といっても鎖をつかまないとのぼれないということはないが、やさしい配慮だなあと思った。

女坂の鎖場

そうして35分かけ女坂をのぼりきり、阿夫利神社の下社に到着。
阿夫利神社の本社は大山のてっぺんにある。
目の前にそびえる階段。さっきもみたような光景、、、

阿夫利神社 下社への階段

これはのぼらないと登山口にはいけないので、しっかりのぼっていく。
無事下山を願ってお参りしたあと、自分で行うお祓いの儀式があり100円をお支払いしてお守りをいただく。

阿夫利神社 下社
八重桜が咲いていた
お祓い
お守り

さぁ、いよいよ本坂のルートで本格的な山のぼりの始まりだ!

登山道入り口

人は混むほどではなくちょうどよい間隔で出逢い、ひとりの不安はあまりなかった。
のぼり始めは階段が続く。

途中から石の階段へ

ヤマビルが気になって足元ばかりみてしまい、景色を愉しむゆとりがなかったけれど、ふとみあげると大きな杉の木がいくつもあり、歴史の深さを感じた。

巨木がそこここに

そんな中、圧倒的な存在感を放っていたのが「夫婦杉」だ。
広角レンズだったので、太さが伝わりにくいかも知れないが、樹齢5~600年の巨木だ。

夫婦杉

こちらは牡丹の花のようにみえることからその名がついた「牡丹岩」

牡丹岩

天狗が鼻を突いて穴をあけたといわれる「天狗の鼻付き岩」など、おもしろい岩をみながらゆっくり進む。

天狗の鼻突き岩

でもヤマビルが怖いので足を止める時間はわずか。小心者、、、

たくましい石の間にひょっこり姿をあらわす、すみれの花。
繊細で控えめな美しさを感じる。

すみれの花たち

のぼりの前半は階段が多かったが、徐々に石と木の階段が増え段差が大きくなり次第に体力を奪われていく。

緩やかな階段もある
石が転がっているだけの道もある

「富士見台」という絶景スポットに到着。
その名のごとく、富士山の眺めが最高といわれる場所。
この日は黄砂の影響もあり景色がかなり霞んでいたが、奇跡的に富士山のてっぺんだけが顔を出してくれた。
*広角レンズなので小さくなってしまってます。

富士見台からの富士山

富士山をみると急に元気パワーがわいてくる。遠くからでも富士山パワーは絶大だ!
富士見台からしばらくは左側に富士山を眺めながら進むことができ、とても心地よい時間だった。

途中に咲いている桜がまぶしく輝く。

山桜かな?

大山にのぼる別ルート、ヤビツ峠からの合流地点に到達。

ヤビツ峠との合流地点

ここからてっぺんはもうすぐだ!

鳥居をくぐってのぼればてっぺんは目の前!

登山道には丁石があり、山のてっぺんは28丁目になる。
調べてみると丁石は参道への道しるべとして置かれており1丁の間隔は109mらしい。先に知っていればもっと感覚を味わえたかも。

いよいよ28丁目に到着!

最後の丁石!28丁目

てっぺんの景色は、、、

大山てっぺんからの景色
大山てっぺんからの景色その2

快晴だけどやはり黄砂のせいか、もわっとして遠くの景色はみえなかった。
けれど達成感は半端ない!
大山は8年くらい前に一度のぼったことのある山。
その時のルートは覚えていないが、とても疲れた記憶がある。
確かにずっとのぼっていたし、ここ数ヶ月のぼった山でいちばん筋力を使った気がするけれど、明らかに8年前の記憶より疲労感が少ないと思えた。
トレーニングのたまものだ!

てっぺんは休憩場所がたくさんあり、椅子に座ってお昼を取ることができた。
今回はハードな山行になると見越して、荷物を減らした。
いつも交換レンズを持っていくがそれをやめ(それは後悔したけど、、、)、アルコールバーナーなどの自炊セットはおいてきた。
そのかわり保温ボトルにお湯をいれてドリップコーヒーを愉しむ。ちょっとぬるくなってるけど、飲みやすい熱さ。
やはり温かい飲みものはからだが元気になる。
あとはコンビニごはん。
お手洗いは協力金100円が必要だけど、なんと水洗!てっぺんで水洗トイレは貴重だ。

30分ほど休憩して下山へ。
下山はコースを変え、見晴台を通る雷ノ峰尾根ルート。
ゆったりと整備された階段の道をくだっていく。見晴らしもよく気持ちよく歩ける道だった。

雷ノ峰尾根
真っ白ないくらみたい
木々の間から垣間見れる景色

途中、鎖場もあり滑落事故多発の看板が!

鎖場
すぐ右手に崖が
細い尾根道

足元に気をつけていれば決して怖い箇所ではない。
むしろ鎖場が出てくるとテンションがあがる。

帰りはゆとりがあり、ようやく地図を片手に読図の練習を始めた。
「この沢はこれだな」というポイントを決めて、そこに来たと思ったらアプリで確認する。
少しわかるようになり嬉しかった。
のぼりの後半あたりからヤマビルへの不安はなくなっていて、帰りはほぼ忘れていた。

ずっとくだっていたが、見晴台の前で少しだけのぼりがある。
見晴台はベンチがあり少しの間休憩をとる。
「紅葉の時はさぞかし綺麗だろうなあ」と真っ赤に燃える光景が目に浮かぶ。

見晴台

ゆるやかなくだりを進むと二重滝に到着。

橋から滝がのぞめる
滝に見えるかしら、、、

いつも下山は膝をかばってゆっくりペースなのだけど今回は標準ペースでサクサクおりていき、13:35阿夫利神社の下社に到着。

ここをのぼると阿夫利神社の下社の階段下に

ついたのは阿夫利神社の下社の階段下で、、、
ここにきてまたあの!階段をのぼるのか、、、と思いながらもどうしてもいきたかったお店があったので迷わずのぼる。

茶寮石尊

『茶寮石尊』
入り口ののれんがやさしく出迎えてくれる。温かい佇まい。
テラス席がありその眺望が格別なのだ。

茶寮石尊のテラス席からの眺望

食べたかったデザートを注文すると番号札をいただくのだが、番号札までかわいい。

番号札

そしてやってきたのは「枡ティラミス」。お抹茶のティラミスだ。

枡ティラミス

チーズが濃厚で美味しい!!
しかし、、、ここはマクロか85mmが欲しかった、、、広角ではうまく撮れない、、、痛恨。
やはり交換レンズは必須だな。

疲れたからだにデザートは最高の組み合わせだ。
何時間でも座っていられる、そんな場所だった。

疲れはしたけど元気で足の具合も良好だったので、最後もケーブルカーを使わずに下山へ。今度は男坂のルートを選んだ。
この決断は微妙だった。
男坂はひたすら階段で見どころなし、とあったので最初女坂にしたのは正解だった。見どころも多く楽しみながらのぼることができた。
でも下山はいろんなルートを歩きたい!と思い、男坂のルートを選んだが、急だし、整備されているけどステップの奥行きが短く、両サイドが何もないので不安定でとにかく怖い!

男坂の階段

安定のためストックを1本だし、不安なところはつきながらおりた。
階段付近に番号がふってあり12くらいまであったかな。段数はわからなかったけれど25分ひたすら恐怖な(あくまでも個人の見解です)階段をおりつづけ、最後の方は太ももがパンパンになった。
(翌日、これが筋肉痛の大きな原因となることをこの時は知る由もない)

男坂をおりきると、こま山道が待ちうける。
男坂あとだと地味にキツい、、、

こうして大山の山行を無事に終えることができた。

トレーニングによし!
整備された道も多く、見どころもたくさんあり、紅葉シーズンにもまた訪れてみたい山だ。ヤマビルが怖いけど、、、
次はてっぺんからの山々もみれたらいいな。

今回選んだ大山は丹沢大山国定公園にある山のひとつで、そもそも丹沢って山々があるエリア程度にしか思っていなかったけれど、調べてみるといろいろ勉強になったので、ここに記しておこうと思う。

丹沢は神奈川県北西部に位置し、県土面積の約6分の1も占める広さの中に1,500メートルを超える山々が9座、それ以外にも大山をはじめ多くの山がある。
1960年代に「県立丹沢大山自然公園」と「丹沢大山国定公園」に指定され、さらに中心部は「特別保護地区」として動植物が厳重に保護されている。
神奈川県の資料の「私たちにできること」というのが印象深く
・生えている植物を守るため、登山道を外れないこと
・トイレでは紙類は分解しにくいので持ち帰ること
・植物は採取しないこと
・動物にエサをやらないこと
・ゴミは持ち帰ること
とあった。
大山はとても美しい山だった。それだけに人気があり、多くの人が訪れる。
だからこそ、こういう心がけを一人ひとり持つことが山を守るということにつながっていくんだと改めて感じた。
山にのぼるひとりの山ファンとして、マナーをしっかり守っていきたい。

GWの山計画が決まった!!GWまではのぼれたら軽めの山で調整したい。
あ〜、ドキドキとワクワクだあ。
次回につづく。


距離:7.9km
累積標高(のぼり) 1026m



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