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34.エテュード

前に胃カメラを飲んできた話をちらっとした気がするのですが、その病院で出された漢方薬を飲み始めてからすこぶる体調が良いです。驚くぐらい。胃が痛いのが落ち着いた、というよりは、毎日なんとなくあった(毎日すぎて気づいてなかった)身体のしんどさやつらさが全部取り払われた感じ。どうやらこの薬はストレス性の胃の不調に効くようで、そうか、私こんなに毎日不調だったのね……新発見でした……。振り返ると小学生ぐらいからずっとそうだったから気づかなかった……。

今日は最近の中でも群を抜いて体調が良いので、めちゃくちゃ期待してるとっておきの茶葉を淹れてみようと思いました。


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エテュードフィーユ・ブルーのノンフレーバーティーです。今日はなんとなく気が乗ったので普段出さないティーカップを出してみました。これ可愛くないですか。ソーサーとカップが赤く縁取られてるのがめちゃめちゃかわいいんですよねぇ……お気に入りです。というかお気に入りしか残してない。(気に入ってないのは容赦なく断捨離しました)

エテュードの抽出時間はなんと4分。またアップルみたいな悲劇にならないといいなと思いつつ、フィーユ・ブルーが言うならなんとなく大丈夫かなみたいな気持ちがあります。茶葉買うとわかるんですけど茶葉についてくる冊子がすごい多くてすっごくこだわりの強さが伺えるんですよねこのお店……。待つこと4分。出来上がったカップからの香りはかなり控えめですね。ほぼ感じないぐらい。

一口飲むと……真っ先に飛び込んでくるのは強めの渋み。淹れすぎたか?と一瞬思いますがこの渋みは酸味めいた舌へのひっかかりが一切ないんですよね。しっかり渋みを味わわせた後はすうっとほどけて消えていくので、おそらく計算されて用意された渋みなんだと思います。多分ね。その渋みに柔らかーな甘みがそっと添えられていて、渋みを強いけど柔らかな印象に仕立てていて、後味でもじんわりと甘みと旨味を舌に残していきます。そして消えていく。すっきりと言えるほど綺麗さっぱり消える訳でもなく、でも後味を残しすぎる事なく、ほのかに、本当にほのかに余韻を残す程度に消えていく。おいしい……おいしいしすごく面白い……全体的にはすっきりとした印象なのにどこかふくよかなこの感じ。普段あんまり味わわない。すごく面白いな……!!

ウェブサイトにはこの茶葉について『どこかにあるような、どこにもない英国伝統のクラシカルなホテルブレンド。』と書いてあるんですが、ああーそれだー!!って思いました。英国伝統ホテルとかはわからないんですけど、ホテルの紅茶。それだ、と思いました。ホテルのカフェとかレストランとかで紅茶頼むと出てくるあの味。華やかな香りとか甘みとかはなくって、シンプルにお茶の渋みと旨味だけが強めにくる、あの淡泊でクラシカルな紅茶。メインの印象はまさにそれなんです。複雑さはなくシンプルに強い渋みだけどすっと来る感じはまさにそれ。でもそこに絶妙な塩梅の甘みを添える事でこの茶葉特有のアレンジがされていて、それがなんだか、高級感を演出している感じがします。良いホテルで紅茶お出しされた気がするな……!っていう感じがします。ホテルはどこまでもホテルで、紅茶の専門店とは全く違う味わいなんですけど、でもなんかちょっと良い茶葉使ってる紅茶を、リッチで綺麗なホテルのラウンジで頂いて、ほうっと浸るひととき。そんな感じがします。あえてこのホテルっぽさをメインで再現してくるのめちゃくちゃ面白いな……。

色々なお茶を味わった後に触れるからこそ、このエテュードの味わいは面白いのかもしれない。一種のノスタルジーというか。まさにエテュード(練習曲)というか。色々弾けるようになった後に練習曲に触れるとああーなつかしーそうだったそうだった昔弾く曲と言えばこうだった、ってなりますよね。あの感じがしました、エテュード。そう、初めて出会った紅茶ってこんな感じだった……。……と同時に。ひょっとして紅茶が苦手な人ってこの手の茶葉特有の強い渋みで無理!ってなってるのかもしれないなぁって思いました。だとしたら渋みが全然ない茶葉とかもいっぱいあるので是非味わってみてもらいたいなぁという気持ちと、でも自分は紅茶好きな舌だから自分にとっては渋みなくても相手にとってはあるかもだよねという気持ちと。好みってものすっごい十人十色。別段紅茶なんて飲めなくても困るもんちゃうし無理なら無理で全然いい。でもついつい、それまで味わった紅茶とは全く違う紅茶に触れて、紅茶ってこんな美味しかったの!?って思う人がいたらいいなとか、そんな事を夢想しちゃいます。

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